小さい飲食店を開業するメリット、デメリットは?どのような準備が必要か細かく解説

「小さい飲食店を開業したいけれどどんなデメリットがある?」「1人で飲食店を開業することはできる?」など、小さい飲食店を開業したいと考えている方は、メリット、デメリットやどのような準備が必要かお悩みではないですか?
コロナ禍で飲食店が打撃を受けていることからも、飲食店の開業に二の足を踏んでしまう方が多いのですが、メリットやデメリットを把握して手順を踏むことで成功に導くことができます。
この記事では、小さい飲食店を開業するメリット、デメリット、どのような準備が必要かを詳しく解説します。小さい飲食店を開業したいと考えている方、開業準備について知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
小さい飲食店を開業するメリット

「小さい飲食店」とは、人によって思い描くサイズ感に違いはあるものの、一般的には広さが10坪程度で、席数が15席以下の飲食店を小さい飲食店と呼ぶのではないでしょうか。
そんな小さい飲食店を開業するメリットは、資金を抑えられることや店内に目が行き届くことです。
まずは、小さい飲食店を開業するメリットを詳しくご紹介していきます。
資金を抑えられる
小さい飲食店を開業するにあたって必要な資金は後述しますが、坪数が少ない飲食店の場合、初期費用やランニングコストを抑えられるというメリットがあります。
坪数が少ないことで内装工事費や外装工事費、備品購入費といった初期費用が通常の飲食店に比べて抑えられるため、少ない費用で開業が可能。
さらに、開業してからも家賃、光熱費、人件費、食材費など毎月かならずかかる費用が抑えられるため、売上が安定しない開業直後も赤字経営を回避できます。
目が行き届く
小さい飲食店は店舗の座席数が少ないことから、集客が難しいというイメージをもつ方もいらっしゃいますが、小さい飲食店だからこそ顧客との距離が近くなることで固定客、常連客が増えやすいという特徴があります。
小さいお店だからこそ、全体に目が行き届くことで顧客の様子が確認しやすく、顧客のニーズをくみ取りやすいといえるでしょう。
従業員を雇っている場合に関しても、従業員と顧客のやり取りなどを自分の目で確認できるため、経営者が思った通りの育成をしやすいというメリットがあります。
小さい飲食店を開業するデメリット

小さい飲食店を開業するにあたって、メリットだけではなくデメリットも知って事前に対策を立てることが必要です。
ここからは、小さい飲食店を開業するデメリットをご紹介します。
売上の最大値が低い
小さい飲食店は、店舗の規模が小さくなることで売上の最大値が低くなります。経済産業省が発表している「2021年(令和3年)個人企業経済調査」によると、全企業の年間営業利益率は17.4%なのに対して、飲食店の年間営業利益率の平均は12.1%となっています。
ただでさえ飲食店の営業利益率は低いという特徴があるため、小さい飲食店で客席が少ないと売上を大きく伸ばすことが難しいというケースも。
小さい飲食店が売上を伸ばすためには、客席の回転数を上げたり、客単価を上げたりするなど、さまざまな施策が必要となるのです。
出典元:「2021 年(令和3年)個人企業経済調査 結果の概要」経済産業省
大量仕入れによるコストダウンがしにくい
大型店舗や複数店舗を運営している企業などは、仕入れを大量にする代わりに安く仕入れをするといったコストダウンを実現しやすい傾向にあります。
しかし、小さい飲食店は座席数の少なさなどからも必要な食材の量が少なくなり、大量に仕入れて仕入れ費用を安くするということができません。
小さい飲食店であるからこそ、固定費を抑えやすいというメリットを活かしてカバーしていくなどの工夫が必要となります。
小さい飲食店を開業する準備

小さい飲食店を開業するにあたって、メリットとデメリットを把握したら次に行うのは開業準備。しかし、開業準備といってもどんなことに取り組んだらいいのかわからないという方も多いですよね。
ここからは、小さい飲食店を開業する準備について詳しくご紹介します。
コンセプトの設計
飲食店の経営は、大小にかかわらずコンセプトの設計が重要となります。店舗の業種や業態が決定したら、さらに詳しく以下のようなことを決めましょう。
- 何を
- 誰に
- どこで
- いつ
- どのように
この要素を明確にし、どのようなジャンルの飲食店なのかという店舗の土台となる部分を作成します。物件選びやメニューの設定などを行う際、コンセプトがブレていると統一感がなくなり、どのようなお店なのかが顧客に伝わりづらくなってしまいます。
また、コンセプトが定まっていることで、開業後にメニューの変更や価格帯の変更など、さまざまな意思決定が必要となる場面でも判断の軸とすることができます。
コンセプトシートの書き方について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 飲食店開業を成功させる!コンセプトシートの書き方・使い方
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物件選び
店のコンセプトが決まったら、次に決定すべきは物件です。
コンセプトに基づき、どのような人をターゲットにするのか(サラリーマン、主婦、学生など)、ターゲットが集まる駅やエリアはどこなのかなどを決めて物件を探しましょう。
物件選びはインターネット上だけで探すのではなく、実際にその場所へ行って不動産会社を回るなど、周辺のエリアにどのような特徴があるかも把握しておく必要があります。
また、家賃の相場は月の売上の10%程度が理想です。店のコンセプトとイメージがピッタリの物件であっても、家賃が高すぎると開業にリスクが伴うことも把握しておきましょう。
物件探しについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 物件探しの前に押さえておきたい5つのポイントと契約までの流れを解説〔飲食店開業マニュアル〕
→ スケルトンからの内装工事のポイント〔飲食店開業マニュアル〕
資金調達
小さい飲食店を開業するにあたって必要な資金は以下を参考にしてみてください。
開業資金の内訳 | かかる費用 |
---|---|
物件取得費用 (前払い家賃、保証金、敷金、礼金、仲介手数料) |
家賃の6~10ヵ月分 |
内外装費 | 居抜き:200万円~ スケルトン:500万円~ |
厨房内設備費 | 30万円~ |
食器、調理器具、備品 | 30万円~ |
運転資金 (家賃、食材費、人件費、光熱費、販促費など) |
約6ヵ月分 |
小さい飲食店で家賃が月10万円程度だったと仮定すると、約1,000万円の資金が必要となります。そのうち自己資金が約300万円あったと考えても、約700万円は融資を受ける必要があります。
ただし、飲食店を開業する際は助成金や補助金を利用できる可能性もあるため、融資を検討するとともに自治体のホームページなどを確認して、助成金や補助金を受けられるかをチェックしておきましょう。
資金調達や補助金、助成金について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 居酒屋の経営にはどの程度の費用がかかる?資金調達の方法についても紹介
→ 飲食店が融資を受けるときの注意点やポイントとは【開業前】
→ 飲食店が融資を受けるために必要な「事業計画書」の書き方とポイント
→ 経営者必読!飲食店が利用できる「補助金」「助成金」とは
資格の取得
飲食店の開業には以下の資格が必要です。
資格名 | 資格取得場所 |
---|---|
食品衛生管理責任者 | 保健所 |
防火管理者 (収容人数が30人を超える店舗の場合) |
消防署 |
飲食店を開業するためには、この2つの資格が必要です。
「食品衛生管理責任者」は、食品を扱う店舗で働く従業員のうち1名以上が取得するべき資格で、保健所での講習を受ける必要があります。
「防火管理者」は消防署で講習を受けることで取得可能ですが、収容人数が従業員を含め30名未満であれば取得しなくてもよいため、小さな飲食店では不要なケースもあります。
よく勘違いされがちなのは「調理師免許」が必要かどうか。実は、飲食店は調理師免許がなくても開業することができます。
資格の取得について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 飲食店開業で必要な資格・あると有利なおすすめの資格を一覧で紹介
→ 飲食店開業に必要な資格・手続き・届け出とは〔飲食店開業マニュアル〕
→ 居酒屋を開業するにはどうすれば良い?必要な資格や届け出、開業までの流れを解説
→ 飲食店の営業許可に必要な食品衛生責任者になるには?資格の取り方を解説
→ 飲食店開業時に防火管理者は必要?資格取得方法も併せて解説!
各種届出
飲食店の開業には以下の届出を各届出先に行う必要があります。
書類名 | 届出先 | 対象の営業形態 |
---|---|---|
食品営業許可申請 | 保健所 | 全店舗 |
防火管理者選任届 | 消防署 | 収容人数が30人を超える店舗 |
防火対象設備使用開始届 | 消防署 | 建物や建物の一部を新たに使用し始める場合 |
火を使用する設備等の設置届 | 消防署 | 火を使用する設備がある場合 |
深夜酒類提供飲食店営業開始届 | 警察署 | 深夜12時以降もお酒を提供する場合 |
風俗営業許可申請 | 警察署 | 接待行為を行う場合 |
個人事業の開廃業等届出書 | 税務署 | 個人で開業する場合 |
労災保険の加入手続き | 労働基準監督署 | 従業員を雇う場合 |
雇用保険の加入手続き | 公共職業安定所 | 従業員を雇う場合 |
社会保険の加入手続き | 社会保険事務所 | 法人は強制加入、個人は任意 |
対象の営業形態によって出さなければならない書類が異なるため、事前に確認し提出漏れがないようにしておきましょう。
まとめ
小さい飲食店の開業にはメリット、デメリットが存在しますが、事前にそれらを把握することでトラブルにも対応できるよう準備することができます。また、コンセプトシートの活用や開業に必要な資金を事前に用意するなど、不安を解消するためには開業の手順をしっかり踏んで用意する必要があります。
なんでも酒や「カクヤス」では、飲食店様を総合的にサポートさせていただきます。コストの削減や集客など、あらゆる面からのサポートが可能なので、お酒の相談だけではなく物件探しや資金調達など、経営者の方のお悩みに寄り添って一緒に解決策を探します。飲食店の開業を検討している方は、ぜひ一度、カクヤスまでご相談ください。
この記事を書いた人

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