飲食店を開業したい!自宅ではじめるメリットや条件、コンセプトシートが重要な理由

飲食店の開業を検討する際、自宅の空いているスペースを利用したいとお考えになる方も多いことでしょう。

コロナ禍で売り上げがなかなか上がらない今、テナントを借りての出店はコスト面でのリスクが非常に高くなるため、自宅で飲食店をできるスペースがあれば、利用したいと思う方もいるようです。
もしくは、定年後にセカンドライフとして自宅でカフェを開業したい、夫が仕事の間だけ自宅の一角で定食を出すお店を営業したいなどの理由で、自宅での開業を目指すのもひとつの選択肢だといえます。

自宅での飲食店開業は、お料理好きの方にとってちょっとした憧れです。しかし、さまざまな資格や届出が必要であるため、どうすればよいかわからず躊躇されている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、自宅で飲食店を開業するメリット、開業条件と必要な資格や届出、コンセプトシートが重要な理由についてご紹介していきます。

自宅で飲食店を開業するメリット

近年、自宅を改装してカフェなどの飲食店をオープンする方が増えており、実際に開業に向けて勉強している方も多いようです。なぜ今自宅での飲食店開業を目指す方が多いのか、その理由は以下のようなメリットにあります。

  • 低リスク、低コストで開業できる
  • 将来店舗をもつための練習になる
  • 週末だけ営業するなど柔軟に営業できる
  • 通勤する必要がない

もっとも大きなメリットは、初期費用が抑えられる点です。とくに持ち家を利用する場合は、家賃がないことから、月々コンスタントに売りあげなければいけないというプレッシャーがありません。
また、万が一廃業してもテナントのように現状修復費もかからないうえに、店舗部分をテナントとして貸し出すことで、事業用ローンの返済に充てることもできます。

ただし、メリットも多い反面、騒音や害虫などでのご近所トラブルが発生しやすかったり、立地によっては集客に苦労したりとデメリットもある点も気をつけましょう。

自宅で飲食店を開業するための条件と必要な資格や届出

自宅でもテナントを借りての飲食店でも、基本的に開業するために必要な資格や手続きは同じです。ただしここで注意したいのが、自宅では飲食店を開業しにくい地域があることです。
また、法律上自宅内に飲食店をつくっての開業はできないので、自宅と店舗を明確に分けるなど食品衛生法にもとづいた施設条件をクリアするために、リフォームを行う必要がある点に注意しましょう。

ここでは、自宅で飲食店を開業するための条件と、必要な資格や届出についてご紹介します。

自宅での飲食店開業の条件

まず、自宅で飲食店を開業するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 立地条件
    兼用住宅で、店舗部分の床面積が50平方メートル以下、総床面積の2分の1未満
  • 施設基準
    食品衛生法の施設基準である「共通基準」と「特定基準」をそれぞれクリア

自宅飲食店は、上記の条件をクリアすれば、都市計画法によって定められている工業専用地域以外で開業可能です。自宅がどの用途地域に該当するか、事前にお住まいの自治体へ問い合わせましょう。

食品衛生法第五十四条では、都道府県は厚生労働省令で定める基準を参考に、それぞれの地域に必要な基準を定めなければいけません。各自治体によって独自の基準があるので、保健所に事前に相談することをおすすめします。

東京都の施設基準を掲載いたしますので、参考にしてみてください。

出典:「食品関係営業許可申請の手引」東京都福祉保健局・保健所

自宅での飲食店開業で必須の資格

自宅での飲食店開業条件を確認し、必要に応じてリフォームなどの計画を立てると同時に、開業に必須の資格を取得しておく必要があります。

以下は、自宅での飲食店開業で必要な資格です。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、自宅飲食店だけでなく、どんな業態であっても飲食店の開業には必須の資格です。各自治体で6時間程度の講習(費用は1万円程度)を1日受ければ誰でも取得できます。
よく飲食店の壁に証明書がかけてあるので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

飲食店開業時に必須の食品衛生責任者の取得方法などについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。

飲食店の営業許可に必要な食品衛生責任者になるには?資格の取り方を解説

防火管理者

飲食店の開業には、防火管理者資格が必要です。
防火管理者資格には、収容人数が30人以上の場合に必要な「甲種防火管理者資格」と、収容人数30人未満で延床面積が300平方メートル未満の場合に必要な「乙種防火管理者資格」があります。

自宅で開業するケースで必要なのは、「乙種防火管理者資格」である場合がほとんどです。自宅飲食店では、なかなか30人を超えるケースはありませんが、必要であれば「甲種防火管理者資格」を取得するようにしましょう。

飲食店開業時の防火管理者設置については、こちらの記事で詳しくご紹介していますのでぜひ参考になさってください。

飲食店開業時に防火管理者は必要?資格取得方法も併せて解説!

自宅での飲食店開業で最低限必要な届出

自宅での飲食店開業には、基本的に以下の2つの届出が必要です。

  • 飲食店営業許可
  • 個人事業開業届出

飲食店は、保健所からの営業許可が下りなければ営業できません。食品衛生法にもとづいた基準をもとに各自治体の保健所が実地検査を行いますので、店舗の内装が整ったら早めに保健所へ相談に行くことをおすすめします。

また、開業後1か月以内に税務署へ開業届を出す必要があるので注意しましょう。

飲食店開業にあたって必要な届出については、こちらの記事でさらに詳しくご紹介していますのでぜひ参考になさってください。

飲食店開業に必要な資格・手続き・届出とは〔飲食店開業マニュアル〕

飲食店開業の営業許可の申請方法は?申請の流れや更新の有無を解説

酒類の提供について

実は、原則として飲食店の開業時に、酒類の提供に関してしなければいけない届出や必要な資格、免許などはありません。ただし、一部のケースでは届出が必要となるので、注意しましょう。

飲食店で酒類の提供を行う際に必要な免許や許可などについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。

飲食店開業後の酒類提供には許可や免許が必要?申請方法など知っておくべきこと

自宅での飲食店開業時にコンセプトシートが重要な理由

自宅で飲食店を開業する場合、資格や届出などやらなければいけないことも多く、大変です。
しかし、準備段階で資格や届出などとともに明確なコンセプト(テーマや方向性)をつくっておくと、開業をスムーズに行える可能性があります。

ここでは、自宅での飲食店開業時にコンセプトシートが重要な理由についてご紹介します。

コンセプトの絞り込みができる

自宅飲食店に限らず、飲食店を開業する際は、開業準備段階でのコンセプトづくりが非常に大切です。なぜなら、コンセプトを決めずに開業計画を進めてしまうと、いざ開業したときに自分が思っていたお店とはかけ離れたものになってしまう可能性があるからです。

また、「これを食べるならこのお店」「雰囲気が好きで定期的に通いたくなる」など、わざわざ来店してくれるファンを増やせるかどうかは、お店の存続にかかわってくるでしょう。
特に自宅飲食店は、チェーン店などのように通りすがりのお客様がなかなか入店しにくいというデメリットもあるため、自店独自の魅力を引き出し、「ウリ」をつくる必要があります。

そこで役立つのがコンセプトシートです。

コンセプトシートは、お店の基本的な構想やどのように経営を行っていくのか、想定されるターゲット層など、お店を開店するにあたって必要なさまざまな要素を明確にするためのものです。
自分の希望とターゲット層を可能な限り近づけるためにも役立ちますし、それによって自ずとお店のコンセプトを絞り込むことができるでしょう。

コンセプトシートの書き方や使い方については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

飲食店開業を成功させる!コンセプトシートの書き方・使い方

金融機関からの融資が受けやすくなる

飲食店を開業する際、自宅を改装したり設備を揃えたりするための費用が高額になり、自己資金だけでは足りなくなってしまうこともあるでしょう。

金融機関からの創業融資を受ける場合、事業計画書を提出する必要があります。事業計画書をよりよいものにするためにも、コンセプトシートは必須なのです。また、審査でのイメージアップにも、コンセプトシートがとても役立ちます。

飲食店開業にあたって融資を検討している場合は、こちらの記事も参考になさってください。

飲食店が融資を受けるときの注意点やポイントとは【開業後】

なんでも酒やカクヤスでは、資金調達支援のプロである株式会社SoLabo様をはじめ、飲食店の開業や経営にまつわるさまざまなパートナー様と、自宅で飲食店を開業される皆様との橋渡しも行っております。

飲食店お役立ちナビ」の無料会員登録をしていただくと、会員限定特典でコンセプトシートのフォーマットをダウンロードできますので、ぜひご利用ください。

飲食店お役立ちナビ「お役立ちツール」

飲食店お役立ちナビ「お役立ちツール」

会員登録をしていただくと「コンセプトシート」や「損益計算書(PL)フォーマット」「HACCP(ハサップ)チェックシート」「ABC分析フォーマット」などなど、飲食店様の開業や経営に役立つツールが無料でダウンロードできます!

まとめ

自宅で飲食店を開業するメリット、開業条件と必要な資格や届出、コンセプトシートが重要な理由についてご紹介しました。

自宅飲食店は、住宅と店舗が一体型になっているため、初期費用の削減や柔軟な営業スタイルが可能です。しかし、自宅で飲食店を開業するためには、さまざまな準備が必要なので、必要な資格や届出などについても熟知しておく必要があります。
また、資格の取得や届出を行う前にコンセプトシートを利用して、お店のコンセプトをしっかりと決め、行列のできる繁盛店を目指しましょう。

国内業務用酒販売上No.1のなんでも酒やカクヤスでは、資金調達支援や食材の仕入れ、口コミサイトでの集客など、多岐にわたって自宅で飲食店を開業する方をサポートいたします。これから自宅での飲食店開業を検討している方は、まずはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人

カクヤス編集部

飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
カクヤスグループは2021年11月に創業100周年を迎えました。酒販業一筋、お酒を通してお客様のご要望に「なんでも」応えたい!長きにわたり信頼されてきた実績と共に、これからも変わらぬ気持ちでお客様に向き合ってまいります。

カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなどお酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフなど様々なメンバーがいます。

飲食店様へ旬なトレンド情報、経営の役に立つ情報、私たちにしかお届けできないお酒にまつわる情報などなど、いままでの経験を基に積極的に発信していきます!

当ページに掲載されている内容は、掲載時点での情報です。
ご注文ボタンや商品リンクをクリックすると、飲食店様専用の注文サイト「カクヤスナビオンライン」へ移動します。
「カクヤスナビオンライン」は当社配達エリア内の飲食店様がご利用いただけます。会員登録(登録無料)が必要です。


20歳未満の飲酒は法律で禁止されています

  • 飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
  • 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
  • お酒は楽しく、ほどほどに。飲んだ後はリサイクル。
  • 20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売いたしません。
  • 20歳未満の飲酒防止のため年齢確認をさせて頂いております。予めご了承ください。