飲食店を開業して失敗する理由と繁盛店にするために必要な知識とは

飲食店は、誰にとってもなくてはならない存在です。コロナ禍以前と人気の業態が変わってきたとはいえ、仕事などで自炊する時間のない方にとっては、現在でも変わらず重要なものだといえます。

その証拠に、飲食店はそこかしこに存在しており、新しいお店がオープンするのを目にする機会も多いことでしょう。しかし実際のところ、開業するお店が多い一方で、敷居が低い分わずか数ヵ月で廃業せざるを得ないお店が多いのも事実です。
「廃業したのは料理が美味しくないからだ」と思われる方もいるかもしれませんが、実は料理の味にかかわらず、なぜか潰れてしまうことも多くあります。

この記事では、飲食店を開業して失敗する理由、開業までにやるべき準備と繁盛店にするために必要な知識についてご紹介します。これから飲食店を開業する方だけでなく、料理には自信があるのに経営が芳しくないという方もぜひ最後まで読んでみてください。

飲食店を開業して失敗する理由

長く飲食店に勤めた末ようやく夢の開業にこぎつけた方や、脱サラしてこれまで所属した組織から離れ、決死の覚悟で独立を決めた方など、飲食店を開業する事情はさまざまです。

また、貯金が貯まったから飲食店でもやってみようという気軽な気持ちではじめる方もいますが、その反面潰れないという保証はありません。

では、なぜせっかくオープンした飲食店を廃業せざるを得なくなってしまうのか、ここではその理由をご紹介します。

店のコンセプトが定まっていなかった

飲食店を開業する際、お店独自のコンセプト設定が重要であることをご存知ですか?

飲食店におけるコンセプトとは、テーマや方向性のことで、こんな店舗にしたいという具体的な案を表すことです。コンセプトをしっかりと決めておけば、店名や内装、メニューなど事業計画を進めていく上での基礎にもなります。

逆にコンセプトが定まっていなかった場合、どんな店なのか、何がウリの店なのかがお客様に伝わらないため、せっかく開業しても失敗してしまうでしょう。

出店地域のニーズに適していなかった

飲食店の開業で失敗しないためには、出店する地域と自店のコンセプトが合っているかも重要なポイントです。出店を予定している街が店のコンセプトやターゲットに適していないと、いざ開業したとしてもターゲット層に響かず、開店休業状態になってしまいます。

お店の顧客となりうる対象は、大きく分けるとその地域に住む住人、その付近で働く人や学校に通っている人、休日に外出する人の3パターンです。自分のお店が狙う顧客の年代や属性などをしっかりとイメージし、事前に開業予定の街でリサーチしてみることをおすすめします。

物件を探す前に押さえておきたいポイントなどについては、こちらで詳しくご紹介しています。

物件探しの前に押さえておきたい5つのポイントと契約までの流れを解説〔飲食店開業マニュアル〕

お金の管理ができていなかった

飲食店を開業してもっとも失敗しやすいのは、「お金の管理ができない方」です。

当然のことながら、飲食店で扱うお金はレジの中にあるお金だけではありません。売上と経費をしっかりコントロールすることや、締日、支払日などを把握することなどキャッシュフローの管理をすることが大切なのです。

ありがちなのは、とにかく必死に売上をあげることにのみ集中してしまい、経営にかかるコストを度外視した結果、お客さまは来てくれるものの赤字に転落してしまうというケース。

飲食店は、顧客だけでなくスタッフや食材の取引先など、多くの方々との関わり合いの中で経営していきます。
長く経営していくには多くの費用がかかるため、資金を確保しながら運営しなければいけません。どこにどういったお金を使っているか、料理の原価や金融機関からの借入金、減価償却費などを把握しきれていないと、キャッシュフローのバランスが取れず、あっという間に赤字になってしまうでしょう。

周りの意見を聞かなかった

飲食店は開業準備の際、頭の整理が必要なときや迷うときが必ずあるはずです。そんなとき、家族や身近で飲食店を経営している方からの意見は、非常に貴重で有意義なものです。
また、気づきやひらめきなど以上に精神的な面でも周りの支えはとても大切なものですが、自分の意見を押し通してしまうと、気づいたら相談相手がいなくなっていたということになりかねません。

とくに料理にこだわりのある方は要注意です。

「料理が美味しければ必ずお客様が来てくれる」と信じ、周りの意見を無視してサービスやコスト面をおろそかにしてしまうと、ライバルの多い飲食業界では生き残っていけなくなってしまうでしょう。

スタッフを大切にしなかった

スタッフの採用や教育を重要視していない方は、飲食店を開業しても失敗してしまうかもしれません。

なぜなら、飲食店を経営していく上で、料理を提供したり調理を担当したりするスタッフは、お店の直接的な評価に関わるからです。スタッフのサービスレベルが低いと、お客様の満足度は上がらず、リピートしてもらえないため、みるみるうちに経営が苦しくなってしまいます。

また、経営者としてスタッフの待遇を良くしたり、気遣いをしたりしなければ、人材が定着せず人手不足になるという事態が起きることも考えられます。
すると結果的にお客様に満足なサービスを提供できず、閉店を余儀なくされてしまうでしょう。

開業までにやるべき準備と繁盛店にするために必要な知識とは

開業してしまってからでは軌道修正が難しくなってしまうケースも考えられるため、安定した利益を出しながら経営を続けていくには、当たり前のことを高いレベルで当たり前にこなすことが必要です。
開業する地域に合わせた料理や雰囲気でお客様の心を掴み、廃業に追い込まれないためにも、これからご紹介する準備と知識を習得しておきましょう。

開業までにやるべき4つの準備

以下は、飲食店を開業するまでにやるべき4つの準備です。

  • 出店する地域とその周辺に住む方々に適したコンセプトを考える
  • 初期費用をできるだけかけない
  • 開業前から宣伝に力を入れる
  • 初期投資した費用を回収するという意識をもつ

まず、上述したように飲食店を開業する際は出店エリアと顧客のニーズに合ったお店にすることが重要です。周辺のリサーチを行ったあと、コンセプトを決定しましょう。

飲食店開業にあたってコンセプトを決めるには、コンセプトシートを利用するのがおすすめです。コンセプトシートの重要性や書くべき項目などについては、こちらで詳しくご紹介していますので参考になさってください。

飲食店を成功させる!コンセプトシートの書き方・使い方

そして次にやるべきなのは、初期費用をできるだけかけずに開業することです。初期費用を抑えることで、金融機関などからの融資額を減らすことができ、資金繰りを円滑に進められるようになります。

資金調達の方法については、こちらで詳しくご紹介しています。

飲食店経営者のための「資金調達の選び方」「おすすめの資金調達方法」

また、開業前に自分の飲食店の宣伝を怠らないことも重要です。とくに最近では、SNSなどを通じた宣伝が必要不可欠であり、開店前から自分のお店に興味をもってもらうことが重要となります。
他にも、自店のホームページ作成やグルメサイトなどでの宣伝、チラシの配布や周辺の会社へのご挨拶など、できる宣伝活動はすべてやっておきましょう。
最近では、飲食店を探す際にスマホで検索するのが一般的になっているため、Googleマップを活用するのもおすすめです。

Googleマップへの登録方法や活用方法については、こちらで詳しくご紹介しています。

Googleマップに自分の飲食店を登録・表示する方法を解説

Googleマップで自分の飲食店を上位表示させるポイント・Googleマイビジネス(現:Googleビジネスプロフィール)活用法を解説

そしてもっとも重要なのが、初期費用を回収しようと意識をもつことです。
飲食店の経営をスタートする際、はじめるために必要なことについて考えている方はいても、その後のことを考えている方はあまり多くありません。

店舗や設備など、開業するためにどこにどうコストをかけ、それをどのくらいの期間で回収する計画を立てていくかについて考えておきましょう。

繁盛店にするために必要な知識はたったひとつ

せっかく開業した飲食店を繁盛店にできるかどうかは、経営者の手腕にかかっています。
とくに料理の味にこだわりのある職人気質の経営者の方は、「自分は経営者だ」という視点が足りないことも少なくありません。

極端な話ですが、飲食店を繁盛店にするためには、料理よりも経営に力を入れるべきなのです。

儲かっている飲食店ほど、売上や経費、お客様の数などの数字に対する分析をしっかりと行っています。普段と比べて若干売上が落ちている、経費がかかりすぎている、来客数が減っているなど、小さな変化に気づくことですぐに改善し、経営を保つことができるのです。

これから飲食店を開業するという方は、料理の味ももちろん大切ですが、まずは経営について学んでおくべきでしょう。

まとめ

飲食店を開業して失敗する理由と、開業までにやるべき準備と繁盛店にするために必要な知識についてご紹介しました。

飲食店を開業して成功するためには、お客様の心を掴み、できるだけ費用をかけずに経営していく必要があります。そのためには、自分本位なこだわりを捨て、出店予定の地域に適したコンセプトで初期費用をできるだけかけずにオープンしなければいけません。
また、開業前の集客やスタッフの教育なども非常に重要となってくることを忘れないようにしましょう。

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この記事を書いた人

カクヤス編集部

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