QSCは飲食店において重要な指標!基礎知識と顧客満足度を向上させる方法を紹介

飲食店の経営について勉強していると、必ずというほど出てくる「QSC」という言葉。QはQuality(クオリティ)、SはService(サービス)、CはCleanliness(クレンリネス)のことです。
これらのポイントでそのお店のレベルがわかるといわれており、どれも欠けることなく高いレベルで実現できたとき、はじめて優れた顧客価値が提供できるといわれています。

近年、コロナ禍で飲食業界は大きな打撃を受けています。新規のお客様を増やすことが難しい今だからこそ、一度ご来店いただいたお客様にリピートしていただくことが大切なのです。
そこで重要となるのが、実際にお店をご利用いただいたお客様からの貴重なご意見です。お店の現状を正しく把握するためにも、顧客満足度調査や覆面調査を実施し、そこから課題を洗い出しましょう。

この記事では、飲食店において重要な「QSC」の基礎知識と、顧客満足度を向上させる方法をご紹介します。

飲食店において重要な「QSC」とは

QSCは、マクドナルドの実質的創立者であるレイ・A・クロックが、店舗ビジネスを成功させるための方程式として提唱したことでも知られている、飲食店の経営において非常に重要な指標のひとつです。
顧客満足度を高めてリピート率が高いお店にするためには、QSCの向上が必須です。自店を繁盛させるためにも、まずはQSCの基礎知識を知っておきましょう。

Q=クオリティ

QはQuality、つまり料理やドリンクの品質です。ここでいう品質とは、味だけでなく見た目や盛り付け、温度、提供スピードなど料理に関するすべての要素を含んでいます。
いくらお店の雰囲気がよく価格も手頃であっても、肝心の料理が美味しくない、提供されるまでに時間がかかる、盛り付けが雑となるとお客様のリピート率はぐっと下がります。
また、価格設定にも注意しなければいけません。
お客様は、お店で得られた価値に対してお金を支払っています。「この値段でこのクオリティならもう来ることはないかな」と思われてしまわないよう、お客様が感じると思われる価値に合わせて価格を設定することが重要なのです。

S=サービス

SはService、従業員の接客品質のことです。
たまたま入った飲食店で良いサービスを受けると、自然とまたそのお店に行きたくなります。お客様に気持ちよく食事を楽しんでいただくには、スタッフの言葉遣いや態度、コミュニケーションの取り方などが重要なのです。
また、サービスとはお客様に接しているときだけよければいいというわけではありません。
いくらお客様に対する態度が良くても、キッチンとホールのスタッフ同士で話している声がお客様に聞こえている、怒鳴っている声が聞こえるなど食事をしているお客様が不快な思いをされるようであれば、良いサービスをしているとはいえないでしょう。
近年、インターネットの普及により、SNSなどに悪い口コミを書かれてしまう可能性もあります。せっかく美味しい料理を提供しても、スタッフの接客ひとつでお客様の満足度が大きく下がってしまうことは、常に意識しなければいけません。

C=クレンリネス

CはCleanliness、店舗の清掃の質のことです。
とくに、店内が衛生的であること、清潔感があり綺麗であること、スタッフの身だしなみが整っていることは重要視すべきでしょう。
飲食店の多くは、清掃の手順をマニュアル化して日常的に行っていますが、お客様の目線で見ると、それだけでは不十分な場合がほとんどです。
お店の外にあるメニューに興味を示し来店されても、店内が不衛生だと提供される料理やドリンクを口にすることに不安を感じてしまいます。
テーブルや椅子、エアコンの吹き出し口などの汚れ、スタッフのユニフォームに乱れなどはありませんか?毎日働いているといつの間にか見慣れてしまうため、飲食店側の視点だけでなく来店するお客様の視点に立ち、客観的に店内を観察することが重要なのです。

QSCのバリエーション

近年、QSCは飲食店の経営における基本として広く認知され、多くのお店で実践されています。それとともに、より高い価値を提供しリピーターを獲得するために、QSCにプラスすべき要素もいくつか登場しています。

以下は、QSCにプラスすべき3つの要素です。

H:Hospitality(ホスピタリティ)

ホスピタリティとは、簡単にいうと「おもてなしの心」です。サービスは通常の接客のことですが、ホスピタリティはお客様に喜ばれることを率先して行うことを指します。
たとえば、お子様連れのお客様に対して子ども用の椅子は必要か聞くのが接客で、ぐずっているお子様がいたらそっとおまけのおもちゃを渡す、などの行為がおもてなしとイメージするとわかりやすいでしょう。
とはいえ、おまけをするだけがホスピタリティではありません。お客様によって接客サービスを変える、お客様が何を求めているかを想像して先回りするなどの行動も、接客の先を行くおもてなしの心だといえます。

V:Value(バリュー)

バリューとは、お客様の満足につながる価値のことです。これは、QSCのどれも欠けることなく高いレベルで提供し、そこではじめてお客様の満足につながるという考え方です。
多くの飲食店が存在する現代において、お客様がわざわざそのお店を選ぶ理由や価値こそがバリューだといえます。
お客様は、価格が安いという理由だけで飲食店を選ぶわけではありません。料理の味やお店のコンセプト、雰囲気などをトータルで考えたうえで「来店する価値がある」と判断されるのです。

A:Atmosphere(アトモスフィア)

アトモスフィアとは、お店の雰囲気や空気感のことです。具体的には、コンセプトやこだわりを伝えるようなお店の内装やBGM、スタッフの雰囲気などがアトモスフィアにあたります。
お客様によっては、料理の質よりも雰囲気を重視される場合もあるため、近年ではQSC全体に匹敵するほど重要だといわれています。
アトモスフィアでは、お客様が食事を楽しめる環境を整え、リラックスして過ごしていただける空間を作ることが大切です。外装や内装、スタッフの制服などをお店のコンセプトに合わせることで、自店のブランディング力も向上するという効果も期待できます。

飲食店で顧客満足度を向上させる方法

飲食店の経営において、顧客満足度の向上はお客様に再来店していただくために重要です。
飲食店経営者様の中には、料理が美味しくお酒を安く提供していれば、お客様に満足していただけると信じている方もおられるかもしれません。たしかにそれは間違ってはいませんが、お店の現状をきちんと把握するためにも、これからご紹介する方法を取り入れることをおすすめします。

顧客満足度調査の実施

コロナ禍の今、以前にも増して重要となるのが「お客様の本音の声」です。それを効率よく集めるためには、顧客満足度調査を実施するとよいでしょう。
顧客満足度調査には、来店されたお客様にアンケートを実施するのがおすすめです。
たとえばインターネットや電話、ハガキなどを利用したり、来店された際に簡単なアンケートを行ったりなどの方法があります。

以下は、アンケートで聞いておきたい項目です。

  • お客様の性別や年齢
  • 利用シーン
  • 来店のきっかけ
  • メニューに対する感想
  • メニューを注文した理由
  • スタッフの対応の良し悪し
  • 店内の清潔感や居心地はどうか

QSCを改善するためのアンケートと考えると、どうしても多くの設問を入れたくなってしまいますが、お客様が面倒にならないよう、設問を絞ることをおすすめします。
アンケートを取り終わったら、集計して自店の課題を洗い出し、QSCの改善に努めましょう。

覆面調査の採用

覆面調査とは、覆面調査会社の調査員が一般のお客様に混ざって来店し、料理やドリンクの質、提供スピード、スタッフの接客、店内の清潔度などを調査することです。ミステリーショッパーと呼ばれることもあります。
調査員は、QSCに関する調査項目に沿って調査を行い、実際にお店を利用して良かった点や悪かった点などを、後日レポートにまとめて提出してくれます。
覆面調査では客観的に自店の評価がわかるので、問題点や改善点を明確にできるうえ、優れた点はさらに伸ばせるでしょう。
首都圏飲食店顧客満足度No. 1* の「なんでも酒やカクヤス」が、飲食店の開業・経営に役立つ情報をお届けする「飲食店なんでもスクエア」では、”本当に良いお店の実力を検証するシリーズ”を企画し、覆面調査で高得点を獲得している飲食店店長を取材しています。
* 首都圏飲食店2017年5月調査会社調べ

これまで第1回から第4回、番外編の全5回にわたって、愛されるお店の理由をご紹介していますので、ぜひご一読ください。

QSC改善には覆面調査がおすすめ

上述したように、QSCを改善する方法には顧客満足度調査や覆面調査などがあります。
アンケートを利用した顧客満足度調査でもお客様の声を知ることができますが、覆面調査は誰が調査員かわからない状態で接客を行うため、より通常通りの接客を客観的に調査することが可能です。
また、自店に合った調査項目を事前に決め、調査員はそれに沿って調査を行うので、知りたい情報のみを集められるでしょう。
ただし、調査会社にも専門性があり、アパレル関係が得意な会社やホテル・旅館関係が得意な会社など、それぞれに得意とするジャンルがあります。そのため、飲食店が覆面調査を依頼するときは、飲食店に強い調査会社を選ぶようにしましょう。

なお、カクヤスでは飲食店に来店されるお客様の声を、成果につながる課題の把握とリピーター作りに活用する覆面調査サービスや、飲食店のQSC改善をサポートする企業様のご紹介も行っております。
顧客満足度をアップしたい飲食店経営者様は、ぜひ下記お問合せフォームよりお気軽にお問合せください。

まとめ

飲食店において重要な「QSC」の基礎知識と、顧客満足度を向上させる方法をご紹介しました。
自店のことは自分が一番わかっていると思われている経営者様も多いかもしれませんが、コロナ禍の影響や競合店の出店など、飲食店を経営していると思うように売り上げが伸びないこともあるでしょう。
QSCの重要性をよくおわかりの方でも、毎日営業していると慣れてしまうため、問題点や改善点がわかりにくくなってしまいます。そのようなときは、覆面調査や顧客満足度調査を活用し、客観的に自店の評価を知ることも大切です。

地域に根差した営業スタイルで、飲食店の開業・経営をトータルサポートする「なんでも酒やカクヤス」では、お酒の仕入れだけでなく、その他飲食店様に関わるさまざまなご提案も行っております。
飲食店の覆面調査を得意とする企業など、企業様と経営者様をつなぐお手伝いもいたしますので、QSCを改善したい飲食店経営者様は、ぜひお気軽に下記お問合せフォームよりお問合せください。

この記事を書いた人

カクヤス編集部

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カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなどお酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフなど様々なメンバーがいます。

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