飲食店アルバイトスタッフの教育の4つの手法!戦力になる人材育成のコツとメリット

人材は企業にとって非常に重要な経営資源の一つですが、優秀な人材を育てるのは簡単なことではなく、飲食店アルバイトスタッフの教育に頭を悩ませている店長や教育担当者の方も少なくないようです。
人材不足が叫ばれるようになって久しい日本ですが、中でも飲食店はその傾向が顕著であり、帝国データバンクが2022年2月に発表したデータによれば、飲食店は7割以上(76.6%)の企業で「非正社員が不足している」と回答しています。

アルバイトスタッフの教育は手間と時間がかかる作業です。しかし、教育や育成に力を入れている店舗は、定着率が高く、職場で活躍するスタッフ同士の関係も良好な傾向にあります。
この記事では、飲食店アルバイトがすぐに辞めてしまう理由や、育成・教育の手法について詳しく解説していきます。「アルバイト教育に課題を感じている」「スタッフがすぐに辞めてしまう」などのお悩みをお持ちでしたら、ぜひ記事をご一読ください。

出典:「企業の約5割で人手不足、2020年2月と同水準まで上昇~非正社員は「飲食店」など個人消費関連の業種で高い傾向に~」株式会社帝国データバンク

飲食店アルバイトがすぐに辞めてしまう理由って?

厚生労働省が発表したデータでは、宿泊業・飲食サービス業の離職率は26.9%と、すべての業種のうちで最も高い数値に。入職率も高いものの、なかなか新人スタッフが定着しないという現状が浮き彫りになっています。
せっかく店舗の一員に加わったアルバイトが辞めてしまうのは、なぜなのでしょうか?考えられる理由はいくつかあります。

  • 勤務条件に不満がある(仕事内容、時給など)
  • 雰囲気が合わない
  • 希望の休みが取れない、シフトに入れない
  • 人間関係に悩んでいる
  • 仕事を教えてもらえない など

抱えている悩みや不満はスタッフによって異なると思いますが、このような悩みがいつまでも解消されないと、精神的にも体力的にも追い込まれ、離職につながってしまうのです。

出典:「2 産業別の入職と離職 」厚生労働省

飲食店アルバイトの教育・育成の4つの手法とコツ

飲食店のアルバイトやスタッフがすぐに辞めない、働きやすい環境を整えるためには、いくつかのポイントがあります。

  1. 飲食店側が迎え入れる体制を整えておく
  2. 誰にでもわかりやすいマニュアルの作成
  3. 一人ひとりに合った教育
  4. 評価制度の導入

ここからは、上記の4つに分けて教育・育成方法を解説していきます。

1:飲食店側が迎え入れる体制を整えておく

新人アルバイトを「できるスタッフ」に育てるためには、飲食店側が迎え入れる体制を整えておく必要があります。中でも特に重要なのが、働き始める初日です。

今までアルバイトをしたことがない人も、経験豊富な人も、誰でも初めての職場は緊張するもの。「一緒に働けて嬉しい、あなたを歓迎します!」という気持ちが伝わるよう、しっかり体制を整えておきましょう。具体的には、次のような用意です。

  • 店舗全体で新しいアルバイトが入ることを共有しておく
  • アルバイトの教育担当を決めておく
  • ネームプレートやユニフォーム、ロッカー、タイムカードを用意しておく など

仕事を教えるスタッフが決まっていないと「仕事のやり方はあの人に聞いてみて」など、新人アルバイトがたらい回しにされる状況が起こってしまいがちです。新人アルバイトが安心して仕事ができる環境を整えておきましょう。

OJT研修を取り入れる方法も

現場で実際の業務を通して教育する「OJT(On the job training)研修」を取り入れるのもおすすめです。
OJTは、新人アルバイトにいち早く仕事を覚えてもらうことにつながるだけでなく、安心感を与えることができ、OJTを担当する先輩スタッフのスキルアップも見込めるなど多くのメリットがあります。
OJTは店舗で実施できるため、コストをかけることなくアルバイト教育が可能です。

2:誰にでもわかりやすいマニュアルの作成

アルバイトに仕事を覚えてもらうため、マニュアルを作成しましょう。小さな店舗の場合マニュアルを用意していないケースもありますが、作成しておけば今後のアルバイト教育にも活かすことができます。

新人バイトの不安軽減、先輩スタッフの負担軽減

新人アルバイトにとって「何をすればいいかわからない」状況は、不安やストレスを感じるものです。マニュアルを用意しておくことで、新人アルバイトの不安や負担を軽減できます。

また、明確なマニュアルがあることで、サービス品質を一定に保つことにもつながります。スタッフによってサービス内容に差が出ないよう、必ずマニュアルを作成しましょう。
マニュアルがあれば、教育を担当する先輩スタッフや店長、マネージャー、チーフの負担も軽減できます。ホール用マニュアル、キッチン用マニュアルなど、それぞれのオペレーションごとにマニュアルを作成するといいでしょう。

写真も活用しわかりやすいマニュアルに

マニュアルを作成する際は「誰にでもわかりやすいマニュアル」にすることが大切です。
文字だけでは伝わりにくい部分、わかりにくい部分には写真も活用するとわかりやすく、覚えてもらいやすくなります。ミスが起こりやすい業務、複雑な業務の場合も、写真があればスムーズに理解を深められるでしょう。

3:一人ひとりに合った教育

アルバイト教育で難しいのが「正解」はないという点です。スタッフはそれぞれが異なる個性を持っているため、一人ひとりに合った教育を行うことが大切です。

計画・実行・評価・改善を繰り返す

基本的なアルバイト教育は「計画 → 実行 → 評価 → 改善」の流れで行います。

  1. 計画 … どんな仕事をするか、何を覚えてもらうかを決めておく
  2. 実行 … 手本を見せ、実際にやってもらう
  3. 評価 … できた部分を評価する
  4. 改善 … 改善すべき部分を伝える

この流れを繰り返すことで、できることを増やしていきます。できていない部分ばかりを伝えるのでは自信をなくしてしまうため、できた部分をしっかり評価しながら教育していきましょう。
一人ひとりの習得スピードや仕事へのモチベーションを考えながら、任せる業務範囲を広げていくと、アルバイトのやる気を維持しながら育成できます。

トレーナー制の導入と時給への反映

アルバイト教育では、教育担当者となる先輩スタッフのフォローも重要です。これまでの業務に加えて、新人アルバイトの教育も行わなければならなくなると、先輩スタッフにかかる負担が大きくなります。
アルバイト教育を行う人を「トレーナー」として、さらに時給にも反映させましょう。たとえば「トレーナーは時給○円アップ」など、明確に決めておくと、責任感を持って仕事に取り組むことができ、モチベーションアップにつながります。

4:評価制度の導入

アルバイト教育では、評価制度も重要です。新人に限ったことではありませんが「頑張って仕事を覚えたのに、なかなか評価されない」という状況になると、仕事へのモチベーションが下がってしまいます。

評価制度があれば、自分の頑張りが「時給」「ポジション」として目に見えてわかるようになるため、やる気アップやモチベーション維持につながります。

なお、評価は「公平であること」が重要です。ある程度仕事を覚え、職場に慣れてくると、スタッフ同士の人間関係も見えてきます。特定の人だけが優遇されている状況になると、店舗全体の雰囲気が悪くなってしまう可能性もあるため、評価基準をしっかり定めておくといいでしょう。

飲食店でアルバイト教育に力を注ぐメリット

手間や時間がかかるアルバイト教育ですが、多くのメリットがあります。

優秀な人材の育成・定着につながる

人が働く上では「やりがい」が非常に重要です。働きやすい環境を作り、成長スピードに合った課題を与えれば、やりがいを感じながら目標を持って仕事ができるようになります。

新しい仕事を覚える、できることを増やす、昇格や昇給するなどスキルアップしながら働ける環境にすることで、優秀な人材を育成できます。また、離職率を下げ、定着につなげることができるでしょう。

生産性が高まる

アルバイト教育に力を注ぐことは、店舗の生産性が高まる効果も期待できます。基礎からしっかり覚えてもらうことで、スタッフは段階ごとにスキルアップできるためです。

教える側に立って初めてわかることもあります。アルバイト教育は、新人スタッフだけでなく、先輩スタッフがスキルアップできることも大きなメリットでしょう。
既存スタッフのスキルが上がれば、業務効率や生産性が高まり、新たな求人を出さなくても仕事を回せるようになるかもしれません。

お店の信頼度や売上、ブランド力アップにつながる

アルバイトの中には、学生などそもそも仕事をしたことがない人や、社会人経験が浅い人もいます。社会人として当たり前とされているマナーがわからない、敬語を正しく使えないスタッフも中には存在するでしょう。お客様に失礼な対応をしてしまわないためにも、教育は重要です。

また、アルバイトを含め店舗スタッフの「接客」は、店舗の信頼度や売上、ブランド力アップにも影響を与えます。

お客様は「美味しい料理やお酒などを楽しみたい」と思って飲食店に足を運びますが、それだけではありません。お店に対する信頼感、安心感、接客態度もお店を選ぶ基準の一つです。
お客様に「また来たい」と思ってもらえるお店づくりのためにも、アルバイト教育を行い、サービスの内容や質にばらつきを出さないようにしましょう。

まとめ

アルバイトの離職率の高さは、飲食店にとって大きな課題の一つです。求人を出し採用活動に時間をかけても、せっかく新しく迎え入れたスタッフがすぐに辞めてしまっては、かけた手間や時間が無駄になってしまいます。
人材教育は、アルバイトの定着率が上がる、店舗の生産性や業務効率が高まる、お客様に信頼感を与えるなど、多くのメリットがあります。OJT研修やマニュアルを取り入れるなど、店舗に合わせたアルバイト教育を行い、よりよいお店づくりにつなげましょう。
しっかりと教育した優秀な人材は、店舗の価値をさらに高めてくれる、大切な資産となるはずです。

なんでも酒や「カクヤス」には、飲食店様を総合的にサポートする企業ネットワークがあります。アルバイト教育はもちろん、手間やコストの削減など、あらゆる面から力強くサポート。ご繁盛や課題解決を支援いたします。
「ちょっと話を聞いてみたい」「どんなサポートを受けられるの?」など、気軽なご相談でも結構ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

カクヤス編集部

飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
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カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなどお酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフなど様々なメンバーがいます。

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