飲食店お掃除マニュアル!クレンリネスを徹底する重要性と繁盛店が重視しているポイント

お客様が飲食店を選ぶ際、掃除が行き届いていることは重要なポイントです。いくら美味しい料理やドリンクを提供し、従業員が素晴らしい接客をしたとしても、床やテーブルが汚かったり、壁に埃がついていたりすればリピートしていただけないでしょう。
飲食店では、常に清潔感が求められるもの。繁盛店の多くは、お客様の目につくところはもちろん、厨房の隅から隅まで掃除が行き届いているものです。

つまり、飲食店を繁盛させるには、常日頃から掃除を徹底する必要があるということですが、具体的にどこをどのように掃除すべきなのでしょうか。
そこでこの記事では、飲食店でクレンリネスを徹底する重要性と繁盛する飲食店が重視している掃除ポイントと清掃方法、飲食店で掃除を習慣化する方法について解説していきます。

飲食店でクレンリネスを徹底する重要性

クレンリネスとは、店舗が清潔で衛生的な状態を保つことを意味します。飲食業界で働いた経験のある方であれば、一度は耳にしたことがあるはずです。
よく似た言葉にクリンネスがありますが、クリンネスは掃除をして綺麗にすることを意味するため、掃除をしたうえでその状態を保つクレンリネスとは少し意味が違ってきます。

もちろん、店内に落ちているゴミを拾う、ソースがこぼれたテーブルを拭くなど日頃からクリンネスを徹底することも重要ですが、目に見えないところの清潔を保つことがもっとも大切なのです。
近年では、新型コロナ感染症の流行により、これまでよりもさらに徹底した衛生管理が求められます。万が一食中毒などが起こってしまった場合、お店にとって致命的なダメージとなり、廃業しなければならない事態にまで発展する可能性もあるでしょう。
普段からクレンリネスを徹底しておくことは、食中毒の防止になるだけでなく、長期間安定した経営を続けていくためにも非常に重要なことなのです。

繁盛する飲食店が重視している掃除ポイントと清掃方法

繁盛している飲食店では、1日の仕事のはじまりはトイレ掃除というところも少なくありません。なぜなら、そのようなお店の経営者は、清掃の行き届いた飲食店しか流行らないことを知っているからです。
オープンして間もない時期に店内が綺麗なのは当然です。しかし掃除を怠っていると、数年後には綺麗だった頃の面影もないほどに汚れが目立ち、客足も遠のいてつぶれてしまう可能性も。

では、具体的にどのような場所を重点的に掃除すればよいのでしょうか。ここでは、繁盛する飲食店が重視している掃除ポイントと清掃方法を、厨房と客席・フロアにわけてそれぞれご紹介します。

厨房

厨房は、油ハネをはじめ何かと汚れが溜まりやすいところです。食材を扱う厨房では、常日頃から掃除を徹底していないと、どんどん汚れが蓄積し、食中毒を引き起こす原因になることもあります。
お客様から厨房が見えないお店もありますが、見えないからといって掃除をおろそかにするのはもってのほかです。害虫や小動物、細菌による感染や繁殖防止につながるよう、掃除のポイントをおさえておきましょう。

グリストラップ

グリストラップは、油を含んだ排水が直接下水に流れ込むのを避けるための装置です。内部には食品のカスや油がたまる仕組みになっているため、放置してしまうと悪臭や害虫が発生する原因になります。
毎日の掃除タイムでは、内部のバスケットにたまったゴミを目の細かいザルや専用の掃除用具ですくい取り、それと同時に油吸着シートで油分を取り除くようにしましょう。また、ひと月1回など間隔を決め、定期的に専門業者に掃除を依頼することをおすすめします。

排水溝

排水溝は、厨房の嫌なニオイの元になる部分です。暖かい季節になってくると、ハエなどの害虫の発生源にもなるので、常にヌメリがない状態にしておく必要があります。
毎日の掃除タイムでは、排水溝のフタを開けて取り除けるゴミは除去し、デッキブラシなどを使って擦ります。ヌメリが気になる場合は、油汚れ用の洗剤を使用して最後に水で流すようにしましょう。

シンク

食材のカスや油汚れが付着しやすいシンクは、掃除を怠るとヌメリが発生する原因になります。ヌメリを放置すると、その汚れがお客様に提供する食器にまで移り、料理に雑菌が混ざる可能性もあるので注意が必要です。
二次感染防止のためにも、シンク掃除専用のスポンジを用意して毎日しっかりと汚れを落とし、常に清潔な状態を保つよう徹底しましょう。

厨房の床は、油汚れや水分で滑りやすいため、スタッフの怪我の原因にもなりかねません。また、害虫も集まりやすくなるので、日頃から徹底した掃除が必要になります。
厨房の床の掃除では、まずはホウキでゴミを掃き出してから油汚れ用洗剤と水を撒き、デッキブラシで擦ります。仕上げにモップでしっかりと水分を拭き取ったら終了です。できれば毎日2回以上は掃除するようにしましょう。

冷蔵庫・冷凍庫

飲食店になくてはならない冷蔵庫や冷凍庫。庫内が汚れていると冷却効率が悪くなり電気代がかさむばかりか、雑菌が繁殖する恐れもあるため、常に清潔を保つことが重要です。
とくに冷蔵庫は、1日に何度も開け閉めするので、冷気が逃げて水滴が発生しがちです。その水滴を放置すると、カビやニオイの原因になることもあります。食中毒予防のためにも、ドアのゴムパッキンやファン周辺まで毎日しっかりと拭き上げるようにしましょう。

換気扇

コンロやフライヤーなど、調理する場所の上にあることが多い換気扇は、ついつい掃除を後回しにしがちです。しかし、調理中に気化した油が換気扇内で固まってどんどん汚れが蓄積し、たまった油が料理に入ってしまったり、換気扇に火が燃え移ったりする恐れもあるため、こまめに掃除する必要があります。
また、換気扇が汚れていると換気効率も悪くなり、厨房の気温も上昇して電気代が余分にかかってしまうでしょう。
掃除をする際は、レンジフードは油汚れ洗剤を染み込ませた雑巾などで拭き上げ、ファンは取り外してアルカリ性の洗剤でよく擦って洗い、お湯で洗い流すと効率的です。

客席・フロア

客席やフロアは、お店全体の印象を左右する重要な場所です。お客様が必ず目にするところだからこそ、毎日の掃除を徹底し、常に清潔を保つ必要があります。
繁盛する飲食店にとって、「QSC」は必須です。Qはクオリティ、Sはサービス、Cはクレンリネスの頭文字をとったQSCは、飲食店経営における大原則であり絶対条件だといえるでしょう。

トイレ

飲食店のトイレの清潔さは、お客様からの評価に直結する重要な部分です。トイレが綺麗かどうかを気にされるお客様は非常に多くいらっしゃいますので、リピートしていただくためにも、日頃から常に清潔を保つようにしましょう。
トイレ掃除のコツは、綺麗なところから汚いところへ向かって行うことです。

まずはタンクや便座カバー、便座に洗剤を吹きかけてペーパータオルで綺麗に拭き取り、次に便座を上げて汚れがつきやすいフチや周りにも洗剤を吹きかけて綺麗に拭き取ります。便器の中は、便器専用の洗剤を垂らしてブラシで擦り、汚れが残らないようにしましょう。
最後は、壁や床に洗剤を吹きかけて拭き取ります。見逃しがちな隅の汚れやホコリも、お客様から見ると気になる部分です。しっかりと掃除しておきましょう。

飲食店の窓が指紋や油汚れ、雨あとなどで汚れていたら、お客様は「このお店の衛生管理は大丈夫?」と不安になってしまうものです。
営業前後の清掃時は、拭き跡を残さないように雑巾で水拭きし、その後は必ず乾拭きをしましょう。その際は、排気ガスなどで汚れがつきやすいお店の外から開始し、店内側は後で掃除します。

おすすめは、新聞紙を使う掃除方法です。丸めた新聞紙をしっかりと濡らし、雑巾と同じように上から順に吹いていくと、新聞紙のインクが汚れを綺麗に落としてくれるでしょう。最後に自然光でガラスに汚れが残っていないか確認するのも忘れないようにしましょう。

店内の床は、お客様の目につきやすいうえに非常に汚れやすい部分です。靴についた砂や土などが店内に持ち込まれるほか、食べ物や飲み物をこぼして汚れてしまうこともあります。
営業前後はもちろん、営業中でも気になる箇所があればお客様へ配慮しながら静かに掃除しましょう。

ポイントは、最初にホウキでゴミを掃き出しておくことです。その後は雑巾やモップで水拭きをし、仕上げに乾拭きして水分を拭き取ります。営業前後の掃除では、床専用の洗剤を使用してしっかりと汚れを落としていきましょう。
ただし、カーペットなどの素材の場合は、水拭きしてはいけません。できれば営業前後の2回は掃除機をかけるようにして、ゴミがたまらないようにしましょう。

テーブルや座席シート

テーブルや座席シートの汚れは、お客様に不快な思いをさせる可能性が高く、場合によっては食事をせずに出て行ってしまうことも考えられます。
お客様は座っているため、スタッフよりも汚れが見えやすいものです。そのため、開店前後だけでなく、お客様が入れ替わるタイミングでは必ず清潔な布巾でテーブルを拭き、座席シートに食べこぼしなどがないか確認しましょう。

エアコンの吹き出し口

エアコンの吹き出し口は、意外と見落としがちな部分ですが、お客様の目に留まりやすい部分でもあります。とくに夏場は、温度差で結露が生じてカビなどが発生しやすくなります。嫌なニオイの原因になるだけでなく、見た目の清潔感も損なわれるので、必ず掃除しておきましょう。
基本的には、水拭きをした後に乾拭きで丁寧に拭き上げます。ホコリがひどい場合は、奥に押し込まないよう掃除機で吸ってから水拭き、乾拭きしましょう。

また、1年に1回は専門業者に依頼して内部まで洗浄してもらうと、見た目や内部の汚れがなくなるだけでなく、電気代も抑えられるのでおすすめです。

飲食店で掃除を習慣化する方法

2020年6月から改正食品衛生法が適用され、2021年6月からはすべての食品等事業者に「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理が義務付けられました。
そもそもHACCPとは、食品管理の工程ごとに確認、記録を行う衛生手法です。製造工程で異物混入などの問題が発生した際、出荷される前に対処できるので、食品管理の効率が良くなります。
HACCPに沿った衛生管理が行われていない飲食店は、都道府県が定める条例によって罰則を受ける可能性もあるので、これからの飲食店のクレンリネスは、それに沿って行う必要があるのです。

では、スタッフ全員にクレンリネスを徹底し習慣化するためには、どうすればよいのでしょうか。

掃除する時間や日にちを決めておく

飲食店は掃除が重要だとはいえ、店内のすべての箇所を毎日掃除するのは難しいですし、その必要もありません。場所によって毎日掃除すべきところもあれば、週に1度で大丈夫なところもあるので、場所によって掃除する時間や日にちを決めておくとよいでしょう。
おすすめは、掃除する場所と時間、曜日などをまとめて記載したクレンリネスチェックシートの作成です。一つひとつの項目に掃除が終わった後にチェックを入れておけば、掃除忘れ防止にもなるでしょう。

マニュアルを作成する

スタッフ全員が同じクオリティで掃除をするためには、掃除の仕方マニュアルを作成しておくことが大切です。

以下は、清掃マニュアルを作る際のポイントです。

  • 写真や絵を用いて誰にでもわかるようにしておく
  • 注意すべき場所や見落としがちな場所を記載する
  • チェックリストを活用する
  • お店の清掃方針を明記しておく
  • 持ち運びやすい大きさで作る
  • スタッフの意見を参考に、定期的にマニュアルを見直す

クレンリネスの習慣化には、スタッフ一人ひとりが正しい掃除方法を把握し、誰でも同じように掃除できることが重要です。
マニュアルには店内を掃除する目的や流れ、ポイントやチェック項目などを記載しておくと、情報をスタッフ全員で共有できるため、効率よく掃除ができるでしょう。
トイレなどに清掃マニュアルを貼っておけば、お客様にも掃除に気を配っていることが伝わり、良い印象を与えるので、ぜひ実践してみてください。

まとめ

飲食店でクレンリネスを徹底する重要性、繁盛する飲食店が重視している掃除ポイントと清掃方法、飲食店で掃除を習慣化する方法について解説しました。
飲食店が目指すべき掃除のレベルは、一般的な家庭の1歩上です。毎日お店にいる経営者やスタッフは、汚いところを見慣れてしまい、気にならなくなっていることもあるため、その点を理解したうえで注意深く店内をチェックする必要があります。
お客様に気持ちよく過ごしていただくだけでなく、スタッフの労働環境を整えるという意味でも、店内のクレンリネスを徹底することは非常に大切です。
食の安全を保つためにも、1日の中で計画的に掃除を行い、汚れをためないようにしましょう。

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この記事を書いた人

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