インバウンド対策!飲食店でするべきことと集客に重要なWEBやSNSの強化について
新型コロナウイルス感染症によって大きな打撃を受けた飲食店業界ですが、2022年6月からインバウンドの受け入れが緩和されたことで、コロナ以前の様な観光客のご来店が期待できます。
インバウンドの再開によって適切な準備を行うことで、外国人観光客を集客し、売上の回復を目指したいと考えている飲食店様も多いのではないでしょうか?
この記事では、飲食店様がするべきインバウンド対策に加え、重要なWEBやSNSの強化についてご紹介します。
インバウンド対策を行いたいと考えている飲食店様は、ぜひご参考になさってください。
飲食店にとってインバウンド対策が重要な理由
コロナ禍で外国人観光客が減ってしまった現実がありますが、それ以前は訪日外国人観光客が日本人海外旅行客を大きく上回るほど、インバウンド需要は大きく伸びていました。
そして、2022年6月から再度インバウンド需要が復活し、大きな経済効果が期待できる状況となっています。
さらに2022年10月現在、大幅な円安状態となっていることから、外国人観光客にとってはお得に旅行できるチャンスとまで言われています。
日本政府観光局(JNTO)が発行している「訪日旅行データハンドブック」によると、訪日外国人が訪日旅行に期待する内容として以下のような結果が出ています。
【訪日前に期待していたこと】
- 日本食を食べること …… 69.7%
- 日本の酒(日本酒・焼酎等)を飲むこと …… 24.4%
- 旅館に宿泊 …… 18.9%
- 温泉入浴 …… 26.7%
【訪日中にしたこと】
- 日本食を食べること …… 96.6%
- 日本の酒(日本酒・焼酎等)を飲むこと …… 42.3%
- 旅館に宿泊 …… 26.9%
- 温泉入浴 …… 32.0%
このデータによると、多くの外国人観光客が日本食を食べることや日本のお酒を飲むことに興味を抱いていることがわかります。
そのため、飲食店業界にとって、インバウンドの復活はお店の利益をアップさせる大きなチャンスと言えるのです。
出典元:「JNTO 訪日旅行データハンドブック」日本政府観光局
飲食店がするべきインバウンド対策
再度インバウンド需要が高まることで、飲食店はさまざまな取り組みを行う必要があります。ここからは、飲食店がするべきインバウンド対策についてご紹介します。
外国人向けのメニュー表になっているか確認する
観光庁が実施した「訪日外国人旅行者の受入環境における国内の多言語対応に関するアンケート」によると、外国人観光客がもっとも困ったこととして「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」という項目が32.9%と高い割合です。
なかでも、飲食店で困った場面については「料理を選ぶ・注文する際」という項目が65.8%となっていて、メニューが見づらい、どのように注文したら良いかわからないと考えている外国人観光客が多いことが伺えます。
外国人向けのメニュー表として、英語表記をつける、写真やイラスト入りのメニュー表にするなど、飲食店で注文する際や料理を選ぶ際に外国人観光客が困らないよう工夫する必要があります。
日本語が苦手な方や、宗教的な理由から食べられない食材がある方、ベジタリアンの方も多いため、どのような食材が使用されているかなどの情報も記載しておくと、そういった部分をカバーできるでしょう。
出典元:「訪日外国人旅行者の受入環境における国内の多言語対応に関するアンケート」観光庁
ベジタリアン、ヴィーガンの方でも飲めるワイン「ヴィーガンワイン」について詳しく解説しています。
具体的な商品もご紹介していますのでぜひご覧ください。
→ 最近聞く「ヴィーガンワイン」はオーガニックワイン?お店のメニューで上手に活用する方法はこれ!
Wi-Fi環境を整える
外国人観光客は、次の目的地へ向かうために交通手段を確認したり、情報収集をしたりするために無料Wi-Fiが利用できる場所を好みます。
そして、諸外国では日本よりもWi-Fi環境が設備されている国もあるため、日本のWi-Fi環境に不満を感じている外国人観光客も多くいます。
また、訪日外国人観光客の多くはSNSを利用して「おいしい料理だった! 」「素晴らしい対応だった! 」などと投稿されているのを見て来店を決めることが多いのです。
無料Wi-Fiがあるとその場ですぐSNSで写真を投稿できるため、口コミによる集客にもつながります。
飲食店へのWi-Fi設置について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 飲食店にWi-Fi設置をおすすめする5つの理由と選ぶ際に確認すべきこと
現金以外の決済システムを導入する
慣れない土地では現金を使用するのが難しく、覚えにくいと感じる旅行者の方も多いでしょう。そのため、普段から使い慣れているクレジットカードでの決済ができることで安心してお店を利用してもらえます。
国によって所持しているクレジットカードの種類が違ったり、電子決済サービスが異なったりするため、出来る限り多くの種類に対応しているのが理想です。
現金以外でも決済ができることをお店の外の看板などに記載しておくと、外国人観光客も安心してご来店いただきやすくなります。
飲食店での取り入れる決済サービスについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 飲食店が抱える決済関連のお悩みは端末選びで解決!キャッシュレスを導入すべき理由やポイントを紹介
英語で案内できるようフレーズ集を作っておく
英語のメニュー表を作ると同時に必要なのが、英語で料理の注文方法などを伝えられるようにフレーズ集を作っておくと安心です。
その英語をしゃべるのではなく、指で指して会話をすることも可能なので、簡単なよく使う用語は一覧にしておくと良いでしょう。
また、英語が話せるスタッフを把握しておくことも重要です。インバウンド需要を狙っているなら、全スタッフの語学力を把握し、英語だけではなく、中国語、韓国語などにも対応できるのであれば外国人観光客が来店した際に適切なスタッフを配置できます。
英語で予約電話がかかってきた時の対応例を紹介しています。ご参考になさってください。
→ 飲食店にかかってくる予約電話で聞くべきこととは?忙しい時間の対処法も紹介
さまざまな嗜好に沿ったメニューやお酒の提供
外国人観光客の中には、ベジタリアンやヴィーガンといった食に対してさまざまな嗜好を持っている方も少なくありません。
この違いはあまりよく理解していないという方も多いのですが、一般的にはベジタリアンは肉類や魚介類を食べないことに加えて、ヴィーガンは卵、乳製品、はちみつなども食べません。
日本でも徐々にベジタリアンやヴィーガンが増えている傾向にありますが、海外では美容や健康のために取り入れている方が多いという特徴があります。
ベジタリアンやヴィーガンになる背景は人によってさまざまで、アレルギーがあり食べられない方もいれば、環境のために食べない方など、色々な考え方があります。
さらに、ヴィーガンは動物性食品を一切口にしないのに対して、ベジタリアンは以下のタイプに分けられます。
- ラクト・ベジタリアン …… 植物性食品と乳製品は食べる
- ラクト・オボ・ベジタリアン …… 植物性食品、乳製品、卵は食べる
- ペスコ・ベジタリアン …… 植物性食品、魚、卵、乳製品は食べる など
たとえば、バター(牛乳の脂肪)、ラード(豚の脂肪)、ヘット(牛の脂肪)などの直接料理として提供する際にわからないようなものでも、注意する必要があります。
お酒や飲み物にも、動物性の成分が使用されているケースもあるため、来店された方の嗜好を細かく聞き取ること、お店で提供している食べ物や飲み物に使用されている原料を確認することが重要です。
ヴィーガンでもお酒は飲める?ヴィーガンに人気のおすすめ商品リストを大公開!
ヴィーガン向けの酒類提供の仕方や、ヴィーガン認証マークについての解説や、カテゴリーごとのヴィーガン用おすすめお酒リストも紹介しています。
宗教によって食に違いがあることを理解する
日本人は「無宗教」といわれるほど、特定の宗教を信仰していない方が多いことから、宗教に対する理解が低い方も少なくありません。
しかし、インバウンド需要を狙うのであれば、宗教によって戒律で食べてはいけない食品が定められていることや、加工法や調理法が規定されていることを理解する必要があります。
たとえば、世界に約19.5億人いるとされるイスラム教を信仰する方(ムスリム)は、食べて良いものを「ハラールフード(ハラルフード)」と呼び、食事規定が厳しく定められています。
以下は、イスラム教徒が食べられないものの一例です。
- 豚肉
- イスラム法上適切に処理されていない肉
- 一部の魚介類や生魚(うなぎ、タコ、イカなど鱗のない魚や貝類)
- 酒類
豚肉はイスラム教徒が食べられない食品として有名ですが、ハムやベーコンなどの加工食品や、ブイヨン、ゼラチン、ラードの他、料理酒やみりんなどの調味料にも注意が必要です。
宗教と食のルールとは?代表的な5つの宗教と配慮するポイントを紹介
「ハラルフード」ってよく聞くけどどんなもの?ベジタリアンって卵は食べるの?そんな疑問はありませんか?
こちらの記事では、イスラム教、キリスト教、仏教、ヒンドゥー教、ユダヤ教で禁じられている食材、ベジタリアンについて解説しています。
インバウンド集客に重要なWEB対策
インバウンド集客を狙うなら、インターネットを利用した情報収集が行われていることを大前提として、対策を立てる必要があります。
ここからは、インバウンド集客に重要なWEB対策をご紹介します。
Googleマップの設定ができているか確認する
多くの国で利用されている「Google」ですが、検索エンジンだけでなく「Gmail」や「Googleドライブ」など多数のオンラインサービスを提供しています。
その中でも「Googleマップ」は言語のサポートが豊富で、世界中の地図を検索できるだけでなく口コミも自動翻訳されるため、Googleマップ上の情報や口コミがそのまま多言語で発信できるツールになるのです。
日本でも、口コミサイトよりもGoogleマップを利用して飲食店を検索する方が増えているので、イメージが湧きやすいのではないでしょうか。 Googleアカウントを持っていれば、Googleビジネスプロフィールに無料で登録できるため、必ず登録するようにしましょう。
営業時間や店舗の外観なども編集可能となっているため、常に最新の情報を掲載するよう心がけることが重要です。
施設情報をGoogleマップで管理するには、オーナー登録をする必要があります。詳しくはこちらの記事で解説しているため、オーナー登録の方法や多言語化の設定方法などをご確認ください。
→ Googleマップに自分の飲食店を登録・表示する方法を解説
→ Googleマップで自分の飲食店を上位表示させるポイント・Googleマイビジネス(現:Googleビジネスプロフィール)活用法を解説
SNSで幅広い層へアピールする
TwitterやInstagramは、日本人の間でも多くの利用者がいるSNSツールですが、世界中にユーザーがいるため、旅行の計画を立てる際に使用する方も多いです。
たとえば、Instagramであれば写真や動画を投稿することで、視覚的にお店の魅力をダイレクトに伝えることができたり、ハッシュタグを使用したキーワードからの流入も見込めたりします。
ビジネスアカウントを使用すれば、投稿やフォロワーの分析、広告の掲載などを行えるため、集客に役立つことは間違いありません。
お店のリアルタイムの情報を投稿するだけではなく、お得なキャンペーンやクーポンの告知などを行うことで、ユーザーの関心を得られるよう工夫してみましょう。
以下は、SNS集客で効果的なハッシュタグの例です。
インバウンド集客に効果的なハッシュタグ例
- 「#japan」「#tokyo」「#kyoto」などの場所を示すワード
- 「#japantrip」「#tokyotrip」「#tokyotravel」「#japantravel」「#visittokyo」「#Instatravel」などの旅行関連ワード
- 「#discovertokyo」「#explorejapan」「#unknownjapan」「#japanadventures」などのストーリー性のあるワード
- 「#japanlife」「#lifeinjapan」「#tokyolife」「#thisisjapan」「#injapan」などの日常を切り取ったようなワード
- 「#일본(日本)」「#일본여행(日本旅行)」「#도쿄여행(東京旅行)」「#도쿄맛집(東京グルメ)」「#일본선물(日本土産)」「#도쿄(東京)」「#도쿄이자카야(東京居酒屋)」「#도쿄카페(東京カフェ)」などの韓国語
- 「#東京美食(東京グルメ)」「#排隊美食(行列グルメ)」「#美食分享(グルメのシェア)」「#美食推薦(おすすめのグルメ)」「#食記(食レポ)」「#東京旅遊(東京旅行)」「#東京必吃(東京必食)」などの中国語
お店のウェブサイトをインバウンド対応可能にする
お店のウェブサイトがある場合は、言語を英語や中国語、韓国語など多言語対応できていると外国人観光客の目にとまりやすくなります。
また、ページにはお店の住所や連絡先、アクセス方法をわかりやすく明記することも重要です。お店で実施している海外旅行者向けの対策も明記しておくと、選んでいただきやすいでしょう。
外国人に人気のグルメサイトへの登録
海外のユーザーが多いグルメサイトへの登録によって、お店をアプローチすることができます。
アメリカに本社のある世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」は、世界48ヵ国、28言語に対応していることから、世界中からの集客を見込めるサイトです。
アメリカ人にとって標準的と言われている飲食店検索、口コミサイトの「Yelp」は、世界32ヵ国で提供されていて、情報に信頼性があると人気のサイト。
また、中国最大の生活情報口コミサイトの「大衆点評」は、訪日中国人の45%が利用しているともいわれているため、ターゲット層に合わせてグルメサイトを選び、登録しておくと良いでしょう。
まとめ
日本人を対象とした集客も重要ですが、場所や業態によってはインバウンド対策を本格的に取り入れないとライバル店との競争に勝てないというケースもあります。
インバウンド対策によって外国人観光客へのアピールで来店してくださったお客様が増えると、良いレビューやSNSでの拡散によって、さらなる集客につなげることもできます。
なんでも酒やカクヤスでは、インバウンド対策を検討している飲食店様に対して、外国語メニューの作成をはじめとした、さまざまなサポートをさせていただきます。
インバウンド対策を行いたいと考えている飲食店様は、ぜひなんでも酒やカクヤスまでお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
カクヤス編集部
飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
カクヤスグループは2021年11月に創業100周年を迎えました。酒販業一筋、お酒を通してお客様のご要望に「なんでも」応えたい!長きにわたり信頼されてきた実績と共に、これからも変わらぬ気持ちでお客様に向き合ってまいります。
カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなどお酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフなど様々なメンバーがいます。
飲食店様へ旬なトレンド情報、経営の役に立つ情報、私たちにしかお届けできないお酒にまつわる情報などなど、いままでの経験を基に積極的に発信していきます!
当ページに掲載されている内容は、掲載時点での情報です。
ご注文ボタンや商品リンクをクリックすると、飲食店様専用の注文サイト「カクヤスナビオンライン」へ移動します。
「カクヤスナビオンライン」は当社配達エリア内の飲食店様がご利用いただけます。会員登録(登録無料)が必要です。
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています
- 飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
- 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
- お酒は楽しく、ほどほどに。飲んだ後はリサイクル。
- 20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売いたしません。
- 20歳未満の飲酒防止のため年齢確認をさせて頂いております。予めご了承ください。