8種類のオレンジワインを飲み比べ!飲んだ感想やそれぞれの特徴をご紹介
オレンジワインを実際に飲んだことはありますか?オレンジワインは白ブドウやグリ・ブドウ(果皮がピンク色のブドウ)を破砕し、果皮と種子を漬け込んで発酵した、オレンジ色のワインの総称です。(参照:日本ソムリエ協会)
簡単に言うと「白ブドウを赤ワインの製法で造ったワイン」です。醸造方法自体はワイン造りが始まった紀元前より行われていました。近年オレンジワインのルーツである「ジョージアのクヴェブリを用いた醸造方法」がユネスコ世界文化遺産に登録されたり、ナチュラルワインの台頭によって人気が高まっています。
今回は、このオレンジワインを深く知ってもらうために、カクヤス営業スタッフが8種類のワインを飲み比べました。それぞれの特徴や感想を紹介しますので、オレンジワインに興味がある飲食店様はぜひ最後までご覧ください。
オレンジワインとは?
オレンジワインとは、白ブドウを使って赤ワインの製法で醸造されたワインのことです。白ブドウの皮や種を一緒に仕込むことで、オレンジ色の、味わいのしっかりとしたワインになりやすいです。地方によっては、「アンバーワイン(琥珀ワイン)」とも呼ばれています。
よくオレンジを使って醸造したフルーツワインと勘違いされますが、オレンジワインはれっきとしたワインのカテゴリーのひとつです。味わいは赤ワインのように飲みごたえがあり、加えて白ワインのような香りを感じられます。
なお、ロゼワインは黒ブドウを使って白ワインの製法で造るワインなので、オレンジワインとは対極にあるワインだと言えるでしょう。
オレンジワインに使用されるブドウ品種
オレンジワインは白ブドウであれば、どんな品種でも醸造できます。世界的なトレンドにより、様々な品種でオレンジワインが造られはじめています。
世界的に多いのは「ソーヴィニヨンブラン」「ゲヴェルツトラミネール」「ヴィオニエ」など、芳香性が強いアロマティック品種です。これらの品種には香り成分が多く含まれています。オレンジワインとして醸造すると、白ブドウ本来の香りが程よいタンニンのしっかりとした味わいと共に楽しめます。
伝統的な品種では、ジョージアの「ルカツィテリ」「ムツヴァネ」「キシ」が代表的です。クヴェヴリを使用した醸造方法が、ユネスコ世界文化遺産の登録によって一気に注目を浴びました。果皮と種子を一緒に長期発酵する事で、タンニンと酸味を兼ね備えた高品質のオレンジワインが出来上がります。
日本ワインでもオレンジワインが造られています。一番多いのは、日本の固有品種の「甲州」です。オレンジワインにする事で、香りや味わいに深みが出て甲州本来の特色を引きだし、楽しむ事ができます。他にも「デラウェア」など香りが強く、果実感のある品種のオレンジワインも人気です。
オレンジワインの醸造方法
オレンジワインは原料が白ブドウなだけで、醸造方法は赤ワインと同じです。収穫した白ブドウを粉砕したあと、果汁と果皮、種を一緒に発酵させます。
これは、果皮や種を取り除く白ワインの醸造方法とは異なり、「スキンコンタクト法」と呼ばれる製法です。白ブドウの果皮等にはアントシアニンが含まれていないため赤色にはなりませんが、果皮等に含まれる黄色系の色素が溶出されることで、オレンジ色のワインが生成されます。
オレンジワインの歴史
オレンジワインが初めて造られたのは、ワイン発祥の地であるジョージアだとされています。ジョージアでは8000年前からワイン造りが行われており、オレンジワインに至ってはクヴェヴリという土中に埋めた陶器の中で、白ブドウの果皮、種、果汁を一緒に発酵させて造っていました。
しかし、オレンジワインは国際市場に出る機会に恵まれておらず、次第に人々から忘れ去られてしまいます。そんなオレンジワインを復活させたのは、イタリアの生産者である「グラヴナー」氏です。
ジョージアワインのインスパイアを受けていたグラヴナー氏は、1998年にイタリアでオレンジワインを造りました。そこからオレンジワインは世界中で高く評価され、ジョージアのユネスコ文化世界遺産の登録と国を挙げてのプロモーション活動、ナチュラルワインの台頭が後押しをし、現代でも広く親しまれています。
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オレンジワインが流行している2つの理由
近年、オレンジワインが流行っているのには2つの理由があります。
理由1.自然派ワイン、ナチュラルワインとして造りやすい
1つ目の理由は、自然派ワイン、ナチュラルワインとして造りやすいためです。本来、白ブドウを使って醸造する白ワインは、酸化防止作用のあるタンニンを含まないため、赤ワインに比べて亜硫酸を多くする必要があります。
その一方、オレンジワインは赤ワインと同じくタンニンを含むため、より自然な製法でワインを醸造できます。ナチュラルワインを好む生産者がオレンジワインに目をつけたことで、世界的に認知されるようになったのです。
理由2.料理との相性が良いため
もう1つの理由は、オレンジワインと料理の相性が良いためです。白ワインや赤ワインと相性が良くない料理であっても、その中間のオレンジワインであればマッチすることがよくあります。
これまでにないペアリングを可能にするオレンジワインは、世界のトップソムリエたちに目をつけられ、またたく間に認知されていったのです。
8種類のオレンジワインを飲み比べ!銘柄ごとの感想
8種類のオレンジワインをカクヤス営業スタッフが飲み比べました。
商品名/生産者名
- 甲州 オランジュ グリ/シャトーマルス
- アートテッタ クルティメンタ/カザ レウヴァス
- オレンジゴールド/ジェラール ベルトラン
- パークワイン ホワイト 21/ヴィンテロパー
- アンバー/カレン
- ルカツィテリ/ストリ マラニ
- ルカツィテリ クヴェヴリ/クヴェヴリ・ワイン・セラー
- ムツヴァネ クヴェヴリ/クヴェヴリ・ワイン・セラー
各銘柄の特徴と感想は以下の通りです。
1.甲州 オランジュ グリ/シャトーマルス
本銘柄は、甲州種の果皮に存在する濃厚な香りや旨味、色素成分を引き出したオレンジワインです。お酒の色は透明度が高く、オレンジというより黄色に近い色合いをしています。
香りのボリュームは豊かで、洋梨や白桃といったフルーティな香り、ハチミツや白い花などの複雑な香りが特徴です。味わいは果実感が強く、一口含んだだけでも心地よい甘味と渋味が口いっぱいに広がります。
和食から中華、洋食まで、さまざまな料理と合わせられます。「果実味豊かなワインが好み」という方におすすめです。
シャトーマルス/甲州 オランジュ グリ
- 品種:甲州100%
- メーカー:本坊酒造株式会社
- 度数:12度~14度
【カクヤス営業スタッフが飲んだ感想】
和食に合いそうなスッキリさと、通常の白の甲州にはないタンニンや渋みが心地よかったです。
容量:750ml
参考価格:1,580 円(税抜)
2.アートテッタ クルティメンタ/カザ レウヴァス
2つ目に紹介する「アートテッタ クルティメンタ/カザ レウヴァス」は、フレッシュオレンジの香りに、ミントやシナモンのニュアンスが感じられるワインです。
天然酵母を使用しており、フレッシュな酸とミネラル、クリーンな果実味、なめらかなタンニンのバランスが優れています。瑞々しいオレンジや青りんごなど、果実味の強いフレッシュな香りを堪能できます。
アートテッタ クルティメンタ/カザ レウヴァス
- 品種:アンタオン・ヴァス 50%/アリント 45%/ヴィオニエ 5%
- メーカー:株式会社モトックス
- 度数:12度
- 栽培・醸造法:リュット・レゾネ(減農薬栽培)
【カクヤス営業スタッフが飲んだ感想】
ヴィオニエっぽい香りが分かりやすく、価格もカジュアルで、グラスでレストランにすすめたいです。
容量:750ml
参考価格:1,800 円(税抜)
3.オレンジゴールド/ジェラール ベルトラン
今回の営業スタッフの飲み比べで最も人気だったオレンジワインです。複数のブドウをブレンドした華やかなアロマ、そしてボリューム感のある味わいが魅力的。
フランス地中海沿岸で採れた複数のブドウをブレンドしたことで、フレッシュでありながらも厚みのある味わいを実現しました。名前の通り、オレンジゴールドに輝くボトルは、酒棚に飾っておくだけでも存在感を放ちます。
オレンジゴールド/ジェラール ベルトラン
- 品種:シャルドネ/ヴィオニエ/ミュスカ/グルナッシュ・ブラン/マルサンヌ/モーザック
- メーカー:エノテカ株式会社
- 度数:14度~15度
- 栽培・醸造法:エコセール認証(国際有機認定機関)
【カクヤス営業スタッフが飲んだ感想】
ネーミング、ボトルデザイン、価格、味のトータルバランスが良い。香りが華やかで、初めてのオレンジワインとしておすすめしやすい。中~高価格帯の寿司屋、和食屋にすすめたい。
容量:750ml
参考価格:2,800 円(税抜)
4.パークワイン ホワイト/ヴィンテロパー
ラベルのイラストが特徴的な「パークワイン ホワイト/ヴィンテロパー」。果実味と酸のバランスに優れたハイクオリティな自然派ワインです。
スッキリとした後味が心地よく、マスカットやグレープフルーツなどの果実味も感じられます。なお、本銘柄は冷やすとよりおいしく飲むことができます。
パークワイン ホワイト/ヴィンテロパー
- 品種:ゲヴェルツトラミネール100%
- メーカー:株式会社モトックス
- 度数:13.5度
- 栽培・醸造法:サステナブル農法
【カクヤス営業スタッフが飲んだ感想】
香りがとても華やか!女性が好きそうなボトルデザイン。フルーティな味わいで飲みやすい。
容量:750ml
参考価格:2,700 円(税抜)
5.アンバー/カレン
「アンバー/カレン」は、オーストラリアの生産者「カレン」が所有するビオディナミ認定畑のブドウのみを使用したオレンジワインです。オレンジの花や皮、レモンバーベナなどの複雑な香り、そして乾燥した洋梨やオレンジなどの凝縮された味わいを堪能できます。
やさしい苦味の心地よい後味と、穏やかな余韻が長く続きます。「複雑なアロマと濃い味わいが好み」という方におすすめです。
アンバー/カレン
- 品種:ソーヴィニヨン・ブラン52%/セミヨン48%
- メーカー:ファームストン株式会社
- 度数:12.8度
- 栽培・醸造法:バイオダイナミック認証
【カクヤス営業スタッフが飲んだ感想】
本格的な自然派ワインを探しているお店に提案したい。フルーティさと渋味のバランスが取れているオレンジワイン。
容量:750ml
参考価格:5,500 円(税抜)
6.ルカツィテリ/ストリ マラニ
「ルカツィテリ/ストリ マラニ」の特徴は、フルーツ主体のアタックを持ちつつ、舌にしっかりと渋味を感じられるところです。ボディは比較的軽く、アルコール度数も低めですが、ほかに類を見ないほど心地のよいタンニンと果実感を放ちます。
また、柔らかい酸味とマイルドでシトラス系の果実が印象的。後味はスパイシーかつドライにフィニッシュします。
ルカツィテリ/ストリ マラニ
- 品種:ルカツィテリ100%
- メーカー:株式会社ヴァンクロス
- 度数:12.3度
- 栽培・醸造法:有機栽培農法
【カクヤス営業スタッフが飲んだ感想】
スパイシーな香り。料理と合わせてみたくなりました!全体的なバランス、コスパが良い。
容量:750ml
参考価格:2,400 円(税抜)
7.ルカツィテリ クヴェヴリ/クヴェヴリ・ワイン・セラー
濃密な黄桃系の完熟果実、ドライアプリコットのアロマと風味を併せ持つ「ルカツィテリ クヴェヴリ/クヴェヴリ・ワイン・セラー」。
果実感あふれるフレッシュな味わいが魅力的で、リッチなボディとドライな口当たりを感じられます。「ワンランク上のジョージアの伝統的なオレンジワインを楽しみたい」という方に特におすすめです。
ルカツィテリ クヴェヴリ/クヴェヴリ・ワイン・セラー
- 品種:ルカツィテリ100%
- メーカー:株式会社モトックス
- 度数:13度
- 栽培・醸造法:ビオロジック
【カクヤス営業スタッフが飲んだ感想】
クヴェヴリを使ったワインの特徴がよく出ている。渋味や味わいがしっかりとしているので、飲み応えがある。飲めば飲むほどクセになる味わい。魚卵など塩味の効いた食材と合いそう。
容量:750ml
参考価格:2,960 円(税抜)
8.ムツヴァネ クヴェヴリ/クヴェヴリ・ワイン・セラー
最後に紹介する本銘柄は、2017年度ジョージアワイン最優秀トロフィーを受賞したオレンジワインです。
凝縮感、豊潤さ、繊細さを併せ持つ素晴らしいムツヴァネで、綺麗なスパイス感と温かみのある濃密な風味を堪能できます。ジョージア産のオレンジワインの中でもレベルが高く、世界中の人々から親しまれています。
ムツヴァネ クヴェヴリ/クヴェヴリ・ワイン・セラー
- 品種:ムツヴァネ 100%
- メーカー:株式会社モトックス
- 度数:13度
- 栽培・醸造法:ビオロジック
【カクヤス営業スタッフが飲んだ感想】
酸がしっかりしていて、料理にはもちろんデザートとか、いろいろな場面でも使えるであろう汎用性が魅力的だと思いました。
容量:750ml
参考価格:4,550 円(税抜)
まとめ
本記事では、オレンジワインの特徴や歴史、8種類を飲み比べてみた感想を紹介しました。
オレンジワインは白ブドウを使用していますが、赤ワインと同じ製法で造られる歴史あるワインです。より自然な製法で造られる、さまざまな料理とマッチする、という点から、近年オレンジワインの人気が高まっています。
今回紹介したオレンジワインを含めて、業務用酒販店のなんでも酒やカクヤスでは、様々なオレンジワインを扱っています。飲食店様のご要望やお料理に合わせた銘柄のご提案や、メニューの作成もいたします。ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
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