【ワイン入門】ブドウ品種は全部で10,000種類以上ある!代表的な10種のブドウ品種を解説
ワインはブドウだけを原料として作られるので、ワインの香りや味わいはブドウ品種の影響を大きく受けます。ブドウ品種の特徴を理解することは、好みのワインを見つけるためのヒントになります。
しかし、ブドウ品種は世界に10,000以上もの種類があると言われています。ワイン用として使用される品種だけでも100種類近くあるため、すべてのブドウ品種を理解するには時間がかかってしまうでしょう。
そこで今回は、赤ワイン用と白ワイン用に分けて、合計10種類のブドウ品種をそれぞれ解説します。最後までご覧になれば、代表的なブドウ品種の基礎概要を理解できるはずです。
ブドウ品種って世界にどれくらいあるの?
ブドウ品種は合計すると、世界に10,000種類以上あると言われています。土地によって栽培しているブドウ品種が異なり、どの品種も土地の個性が大きく反映されています。
しかし、10,000種類すべてがワイン用というわけではなく、そのうち赤ワイン用と白ワイン用として使われているのは約50種類です。
食用のブドウ品種は果皮が薄く、実の部分がジューシーなので、そのまま食べても美味しいという特性を持ちます。一方、ワイン用のブドウ品種は、色素とアロマを含む果皮が厚く、小粒で種が大きいのが特徴です。
また、ワイン用のブドウ品種は糖度が高めなので、アルコール度数を引き上げるのに適しています。ワインに使用されているブドウは、ほとんどがワイン用のブドウ品種です。
ワイン用として使用される50種類のブドウ品種
ワイン用として使用されるブドウ品種は、世界で50種類前後だとされています。これら50種類のブドウ品種は、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、日本など、さまざまな地域で栽培されています。
※(黒)は「黒ブドウ品種」、(白)は「白ブドウ品種」
【国際品種】
- ピノ・ノワール(黒)
- メルロー(黒)
- カベルネ・ソーヴィニヨン(黒)
- シラー(黒)
- ガメイ(黒)
- マルベック(黒)
- グルナッシュ(黒)
- カベルネ・フラン(黒)
- シャルドネ(白)
- ソーヴィニヨン・ブラン(白)
- リースリング(白)
- ゲヴュルツトラミネール(白)
- ピノ・グリ(白)
- ヴィオニエ(白)
- シュナン・ブラン(白)
- セミヨン(白)
【イタリアを代表するブドウ品種】
- ジンファンデル(黒)
- モンテプルチアーノ(黒)
- ネッビオーロ(黒)
- サンジョヴェーゼ(黒)
- コルテーゼ(白)
- ガルガーネガ(白)
- グレーラ(白)
【スペインを代表するブドウ品種】
- テンプラニーリョ(黒)
- マカベオ(白)
- ベルデホ(白)
- パロミノ(白)
- アルバリーニョ(白)
【日本のブドウ品種】
- マスカット・ベーリーA(黒)
- 山幸(黒)
- 甲州(白)
【オーストリアを代表する品種】
グリューナーヴェルトリーナー(白)
【アルゼンチンを代表する品種】
トロンテス(白)
【チリを代表する品種】
カルメネール(黒)
【ジョージアを代表する品種】
ルカツィテリ(黒)
国ごとに多種多様なブドウ品種を栽培しています。次項では、ワイン用として使用される代表的なブドウ品種を、果皮の色合いから「黒ブドウ品種」と「白ブドウ品種」に分けて詳しく解説します。
【黒ブドウ】代表的なブドウ品種5選
赤ワイン用として使用される代表的な黒ブドウ品種を5つ紹介します。ワイン用のブドウ品種すべてを覚えるのは大変なので、まずは以下5つの品種を覚えてみてください。
それぞれの品種を1つずつ解説します。
ピノ・ノワール
ピノ・ノワールは、果皮の薄い世界的に有名な黒ブドウ品種です。ワインに使用すると色調は明るくなりやすく、タンニンが控えめの赤ワインとなります。
ピノ・ノワールはさまざまな地域で栽培されている品種ですが、繊細で栽培が困難な上に生産地の気候や土壌が大きくワインに影響する品種なので、ブドウ品種のなかでも「どこで栽培されたのか」が非常に重要です。
ピノ・ノワールの主な栽培地は、フランスのブルゴーニュ地方、アメリカのオレゴン州、ニュージランドのセントラル・オタゴなどです。
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メルロ
メルロは、幅広い料理に使用できるブドウ品種として多くの人に愛されています。世界中で栽培されている国際品種のひとつであり、ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンと並ぶ品種です。
メルロはフランスのボルドー地方が原産で、温和から温暖な気候で栽培されることから、ワインにすると赤系果実や野菜のような清涼感のある香り・風味があらわれます。
メルロを使って作られるワインは比較的安価なものも多くあるので、フランスでは日常的に飲まれている品種です。主にフランス、イタリア、アメリカ、日本などで栽培されています。
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カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンは、黒ブドウの王様のような品種です。世界中の銘醸地で栽培されており、知名度はピノ・ノワールやメルロに引けを取りません。
カベルネ・ソーヴィニヨンを使用したワインは、骨格のあるミディアムからフルボディの辛口になります。多くの人がイメージしているような、飲みごたえのある赤ワインになりやすいのが特徴です。
カベルネ・ソーヴィニヨンの果実は熟すのが比較的遅いため、フランスのボルドー地方やアメリカのカリフォルニア州など、暖かい地域で栽培されることが多い傾向にあります。
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ガメイ
次に紹介するガメイは、ピノ・ノワールとグエ・ブランの自然交配によって生まれた黒ブドウ品種です。ピノ・ノワールの特徴を引き継いでおり、赤系果実の風味と高い酸味、中程度から少なめのタンニンを有しています。
また、果実味がしっかりとしたガメイは、毎年11月第3木曜日に解禁されるボージョレ ヌーヴォーで使用されるブドウ品種として有名です。
ガメイの代表的な産地は、ブルゴーニュ地方ボージョレ地区やロワール地方にあるアンジュ・ソミュール地区、トゥーレーヌ地区などが挙げられます。
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シラー
シラーは、濃い紫を帯びたガーネット色の赤ワイン用ブドウ品種です。フランスのコート・デュ・ローヌ地方原産のブドウ品種ですが、現在では世界中で栽培されています。
シラーを使ったワインは、タンニンが豊かでコクが生まれ、フルーティでバランスの良い味わいになります。力強さも兼ね備えているため、パンチの効いた肉料理と相性が抜群です。
フランスのローヌ地方やプロヴァンス地方、ラングドック・ルーション地方、またはオーストラリアやチリ、イタリアなどで栽培されています。栽培地域によって、味わいや風味の違いが感じられます。
【白ブドウ】代表的なブドウ品種5選
黒ブドウ品種に続いて、代表的な白ブドウ品種を解説します。
各品種の特徴を順番に見ていきましょう。
シャルドネ
シャルドネは、世界で最も知られている白ブドウ品種です。幅広い土壌や気候で栽培できる万能な品種なので、世界中のさまざまな地域で栽培されています。
シャルドネから作られるワインは、オーク樽由来のヴァニラや丁子、トースト、特別な醸造過程からもたらされるバターのような風味に仕上がるものもあれば、シャルドネ自体のクセが少ないので樽を使わないものなど、多彩なスタイルのワインが実現可能です。
シャルドネの栽培地と言えば、フランスのブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方が挙げられます。チリのリマリやカサブランカ・ヴァレー、アメリカのカリフォルニア州なども有名です。
【シャルドネ】特徴から食事との組み合わせや生産地について紹介~ワインのブドウ品種シリーズ Vol.2~
こちらの記事では「シャルドネ」の代表的な生産地と産地ごとのおすすめワイン、マリアージュのポイントを解説しています。
ソーヴィニヨン・ブラン
柑橘やハーブを思わせる爽やかな香りと、スッキリとした酸味が特徴のソーヴィニヨン・ブラン。白ブドウを代表する品種の1つとして、世界中で栽培されています。
ソーヴィニヨン・ブランを使用したワインは、柑橘やハーブ系の香り、酸味と爽やかな果実感がくっきりとあらわれます。シャルドネとは違い、個性的な風味と味わいを感じられるのが特徴。
世界中で栽培されている品種ですが、2大生産国はフランスとニュージーランドです。特にフランスのボルドー地方とロワール地方、ニュージーランドのマールボロ地区での栽培が盛んです。
【ソーヴィニヨン・ブラン】特徴から食事との組み合わせや生産地について紹介~ワインのブドウ品種シリーズ Vol.4~
こちらの記事では「ソーヴィニヨン・ブラン」の代表的な生産地ごとの味わいの特徴やおすすめワイン、マリアージュ方法について解説しています。
リースリング
リースリングは、白ブドウのスターと言われるほど有名な品種ですが、栽培できる環境が限られていることからニッチな存在でもあります。リースリングは耐寒性のある品種なので、主にドイツやフランスなどの冷涼な場所で栽培されます。
ワインに使用した場合、ブドウが成熟しても高いレベルの酸度が自然と残るため、多種多様なスタイルを実現することが可能です。高いレベルの酸味が甘味とのバランスを取ってくれるので、クオリティの高い甘口ワインもつくられます。
リースリングの主要産地は、ドイツ、フランス、オーストラリアの3つです。リースリングの故郷でもあるドイツでは、世界中のリースリングの約半分を栽培しています。
【リースリング】特徴から食事との組み合わせや生産地について紹介~ワインのブドウ品種シリーズ Vol.6~
こちらの記事では「リースリング」について、基本的なことから実際にお店で役に立つ料理とのマリアージュまでわかりやすくご紹介しています。
甲州
甲州は、日本のワイン用品種で最も多く栽培されているブドウです。日本全体で栽培されているワイン用ブドウのうち、約16%が甲州であるとされています。
また、その96%相当の3,293トンが山梨で栽培されており、さまざまなスタイルの甲州ワインが登場しています。甲州の特徴は、果皮が厚く薄い藤紫色で、果皮に多くのポリフェノールが含まれていることです。
甲州で作ったワインは、和柑橘や和梨のような香り、スッキリとした上品な味わいがあらわれるものが多くあります。最近流行っているオレンジワインにも、一部の銘柄で甲州が使用されています。
【甲州】特徴から食事との組み合わせや生産地について紹介~ワインのブドウ品種シリーズ Vol.8~
甲州種からは多様なスタイルのワインが造られています。こちらの記事では、スタイルごとの特徴やおすすめのマリアージュについて解説しています。
ゲヴュルツトラミネール
最後に紹介するゲヴュルツトラミネールは、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランに比べてやや知名度は劣りますが、ほかの品種には見られない個性的な香りを放ちます。
ゲヴュルツトラミネールの「ゲヴュルツ」はドイツ語で「スパイス」という意味であり、その名前の通り、ワインに使用したときにはスパイシーな香りが強く出ます。また、スパイシーな香り以外にも、ライチやバラ、タンジェリンなど、奥行きのある香りを感じられるのが特徴です。
なお、ゲヴュルツトラミネールを多く栽培しているのは、フランスのアルザス地方、ドイツのファルツやバーデンのほか、アメリカやイタリア、スペインなどでも栽培されています。
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まとめ
本記事では、ブドウ品種の基礎知識、代表的な10種のブドウ品種を紹介しました。
ブドウ品種は世界に10,000種類以上あるとされていますが、すべてがワイン用の品種というわけではありません。そのうちワイン用として使われているのは約100種類です。
約100種類の品種をすべて覚えるのは大変なので、まずは本記事で紹介した10種類のブドウ品種をチェックしてみてください。
業務用酒販店のなんでも酒やカクヤスでは、ワインの仕入れ相談を承っております。ブドウ品種の指定等も可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
この記事を書いた人
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