ウイスキー好きに向けたレアな逸品!「ボトラーズ」とは?その魅力を専門家が解説
ウイスキー好きが注目している!「ボトラーズ」ってどんなお酒?
日に日に高まっていく、日本国内におけるウイスキーに対する関心。世界的にもジャパニーズウイスキーの評価が高まっていることから、「興味が湧いてきた!」「ウイスキーを本格的に楽しんでみたい!」と、これまであまり関心がなかった方々が新たにウイスキーに興味を持ち、口にする機会も増えてきているのではないでしょうか。
ジャパニーズ、アイリッシュ、スコッチ、カナディアン、バーボン(アメリカ)の「世界の5大ウイスキー」を代表するように、一言でウイスキーといってもそこには様々なタイプやスタイルが存在しますが、「ボトラーズ」と呼ばれるウイスキーをご存知でしょうか?
この記事では、まだまだ一般的には知名度が高くないものの、これからのウイスキームーブメントにおいて必ずや注目されるであろう「ボトラーズ」について、なんでも酒やカクヤスに所属するウイスキー資格保有者がインポーターの方にお話を伺ってきました。
ボトラーズについて教えてくれる専門家「株式会社ジャパンインポートシステム」荒井さん
今回、お話を伺ったのは洋酒を輸入している専門業者「株式会社ジャパンインポートシステム」の荒井尚樹さん。カクヤス営業チームの中で、最もウイスキーに造詣が深く「ウイスキープロフェッショナル」の資格も保有する加藤がテイスティングをしながらお話を伺ってきました。
ウイスキー好きなら知っておきたい「オフィシャルブランド」と「ボトラーズブランド」
写真:加藤 諒(株式会社カクヤス、ウィスキープロフェッショナル)
荒井さん:「ボトラーズ」とは、「ボトラーズブランド」と呼ばれる会社が販売するウイスキーです。まず、ウイスキーは販売業者によって「オフィシャル」と「ボトラーズ」の2つに区分できます。
「オフィシャル」というのは、ウイスキーを製造している蒸溜所が自らで熟成、瓶詰めまでを一貫して行い販売しているもの。例えば、有名なスコッチウイスキー「マッカラン」であれば、マッカラン蒸溜所にて蒸溜、熟成、樽詰めが行われています。ボトルデザインに関しても同じものが採用されているため、どの酒屋で「マッカラン」を見ても同じ物が並んでいるはずです。
一方の「ボトラーズ」は、ボトラーズブランドが蒸溜所から原酒や樽を購入して自ら熟成、瓶詰め(ボトリング)して“オリジナル商品”として販売するウイスキー。これら2つは似て非なるもの。同じ蒸溜所で造られたウイスキーであっても、ボトラーズブランドが異なる樽でフィニッシュを施したり、オフィシャルとは違う年数熟成させることで、オフィシャルとはまるで違う味わいの商品が生まれるんです。
ウイスキーの本場であるスコットランドの会社が主流ではありますが、世界各国にボトラーズブランドは存在しています。これまでほとんどがオフィシャルのみだった日本においても、2021年に「T&T TOYAMA」というジャパニーズウイスキー専門のボトラーズブランドが生まれました。ジャパニーズウイスキーの評価の高まりとともに、多様性の一つとして今後日本でもボトラーズのウイスキーが誕生してくるかもしれませんね。
ウイスキー好きの心を掴んで離さない!ボトラーズブランドの魅力とは
荒井さん:オフィシャルのウイスキーは、世界中に安定した品質の商品を大量に供給する必要があります。そのため、どのバッジであっても均一化した味を目指して商品化を行いますし、熟成年数もそこまで長くはとれません。手に入れやすく、安定した品質と味わいが楽しめるのがオフィシャル最大のメリットであり特徴といえます。
一方で、ボトラーズの魅力はその“自由度”にあります。30年以上など、オフィシャルでは実現できないよう長期の熟成年数のものが楽しめたり、オフィシャルでは使われていないような樽での熟成を施すなど、“実験的”で非常に尖った製品も多いんです。「ラベルに蒸溜所の名前を入れなければならない」など、いくつかの細かなルールはありながらも基本的には自由に製品化ができますので、各ボトラーズブランドの個性が反映されたウイスキーになります。
あの有名ウイスキーの「キーモルト」や閉鎖してしまった蒸溜所のモルトが楽しめる
荒井さん:ボトラーズ最大の魅力といえるのがオフィシャルで発売されているブレンデッドウイスキーの「キーモルト」を飲めるということ。例えば、「ジョニーウォーカー レッドラベル」であれば、キーモルトとしてタリスカー、カリラといった蒸溜所のウイスキーが使用されています。これらが上手くブレンドされて「ジョニーウォーカー レッドラベル」として発売されているわけですが、その中の各モルトをバラバラで味わえるんです。ウイスキー好きにしてみれば「この味わいがあるからこそのブレンデッドなんだ」「〇〇蒸溜所のウイスキーが味わいの中心だったんだ」と様々な発見ができるはずです。
また、今では世に出回っていないような閉鎖してしまった蒸溜所のモルトを、ボトラーズの業者が独自に保管して熟成、製品化したようなものもあります。こういった商品に関しては、もう飲むことができないモルトばかりです。純粋にレア度が高いウイスキーとしてファンにとっては非常にありがたいんですよね。
何が入っているかわからない!?「シークレットモルト」の魅力
荒井さん:ボトラーズブランドが販売する商品の中には「シークレットモルト」と呼ばれる種類のウイスキーも存在します。“アイラ島のどこかの蒸溜所”など限定的に情報が明かされている商品の他、すべての情報が公表されていない商品もあります。原酒は販売するものの、情報開示はNGという蒸溜所も多数あるんですよね。シークレットモルトに関しては、飲んだ人が「あの蒸溜所のウイスキーだな」などと予想をして想像を膨らませながら楽しめるのも魅力の1つです。
知っておきたい!おすすめのボトラーズブランド&商品を紹介
こちらの項目ではボトラーズブランドと魅力的な商品をご紹介しております。
私たちなんでも酒やカクヤスでも様々なボトラーズウイスキーの取り扱いがございますので、導入を検討されている方はぜひお問い合わせください。
G&M(ゴードン&マクファイル)
1895年に創業の老舗ボトラーズブランド「G&M(ゴードン&マクファイル)」は、主にシングルモルトスコッチをリリースしており、業界内においても一目置かれるパイオニアです。彼らの手によって世界的に有名になった蒸溜所があるほど、世界で最も人気の高いボトラーズブランドの一つでもあります。高いクオリティと技術から蒸留所の信頼を得ており、オフィシャルの許可を得たラベルを使用したシリーズも発売しています。
ミルトンダフ 10年 ディスカバリー シェリー
G&M(ゴードン&マクファイル)社が展開する5つのシリーズの中で最も新しく生まれた「ディスカバリー」シリーズから発売された1本。入門編として位置づけられたこのシリーズでは、ウイスキーの核となる味わいを軸に銘柄をセレクトしています。
「ミルトンダフ10年 ディスカバリー シェリー」は、シェリーカスク特有の甘やかながらドライなシェリー香に、フレッシュなシトラスの香り。スパイスと共に煮込んだフルーツの風味なども感じられるスペイサイド×シェリー樽の特徴的な味わいを表現しています。
容量:700ml
参考価格:9,430 円(税抜)
キングスバリー
1989年のボトリング開始から、数々の伝説的なウイスキーを世に放ってきたボトラーズブランド「キングスバリー」。シングルモルトの可能性を見出し、ウイスキーの個性を発揮するための樽選定や、流行のチルフィルターを使用しないといった姿勢など強いこだわりをもった商品が特徴的。熟成年数に焦点が当たりがちなウイスキー業界において、ビンテージのキャラクターに着目するという個性的なコンセプトは他のブランドと一線を画します。
ティーニニック 2009 13年 ゴールド
オフィシャルをほとんどリリースしてこなかったティーニニック蒸溜所のモルトを採用した1本。軽そうにみえる色合いとは裏腹に、度数以上に力強いボディと飲みごたえのハイランドモルトです。柑橘系フルーツのニュアンスが強いことに加え、砂糖やバニラといった甘やかな要素もしっかり感じられます。
容量:700ml
参考価格:14,200 円(税抜)
ダグラスレイン
海運業者が母体となり1948年にスコットランド・グラスゴーで設立されたボトラーズブランド「ダグラスレイン」。スコッチの輸出業を行っていた際にストックしていたモルトを原点として始まった同社のウイスキーは、その高い品質こそが最大の特徴。質の高い樽はシングルモルトへ、その基準に満たないものはすべてブレンデッドへと妥協のない品質のウイスキーをリリースし続けています。
ビッグ ピート
おじさんが描かれた非常に強い個性のラベルが目を引く「ビッグ ピート」は、アイラモルトのみを使用したブレンデッドウイスキー。アードベッグ、ボウモア、カリラに加え、40年ぶりに稼働が再開したポートエレンの4種の原酒の良いところを上手く混ぜ合わせ、引き出したレベルの高いブレンデッドウイスキーです。
容量:700ml
参考価格:6,700 円(税抜)
アバフェルディ 2012 10年 プロベナンス
アルコール度数46%まで加水を行った、ダグラスレイン社のラインナップの中でもリーズナブルな「プロべナンス」シリーズからの1本。大麦若葉や、ラズベリージャムといった甘い香りに、ベリーやジンジャースパイスのような味わいが口の中に広がり、樽由来のバニラのような甘いフィニッシュが長く続きます。
容量:700ml
参考価格:11,000 円(税抜)
ハンターレイン
「ハンターレイン」は、「ダグラスレイン」を運営してきた兄弟のうち、兄のスチュワート・レインが立ち上げた、2013年設立の新しいボトラーズブランドです。「ダグラスレイン」のメインシリーズ「オールド・モルト・カスク」や「オールド&レア・プラチナム」を引き継いでおり、アルコール度数高めの均一度数で仕上げた商品が多いのが特徴。ボトラーズながらアイラ島にて立ち上げた新しい蒸溜所も運営しています。
スカラバス
どこの蒸溜所のモルトが使われているか一切明かされていない「シークレットモルト」として発売されている1本。“スカラバス(岩の多い場所)”というアイラの秘境の地名にちなんだにネーミングが指すように、塩気・ピート共に強く感じる個性的な仕上がりは、アイラ系が好きな方が必ずや気に入るであろう味わいです。
容量:700ml
参考価格:5,800 円(税抜)
ボトラーズを導入することで、ウイスキー好きへの大きなアピールになる!
最後に「ボトラーズウイスキーは、オフィシャルとの比較を行うことで、よりその味わいを楽しめます」と教えてくださった荒井さん。オフィシャルとの比較で、長い熟成年数を施した商品と飲み比べるほか、“同じ度数・同じ年度”のものを比べて飲むことでモルトの個性を確かめるのもおすすめなのだそう。
今後、ますます需要が高まることが予想されるウイスキーですから、他の店舗との差別化を考える上でボトラーズブランドの商品を導入するのもおすすめ!導入の際は「オフィシャル&ボトラーズの飲み比べセット」「〇〇蒸溜所飲み比べセット」といったようにパッケージングして販売することで、より分かりやすくなりオーダー動機につながるのではないでしょうか。
私たちカクヤスでも、バイヤー厳選のボトラーズウイスキーを多数取り扱っております。毎月発行している「プレミアム洋酒リスト」に掲載しておりますので、ぜひ一度ラインナップをチェックしてみてください。
また、ボトラーズウイスキー導入についてのご相談や、商品の取り扱いに関するお問い合わせも常時承っておりますので、お気軽にお声がけください。
この記事を書いた人
カクヤス編集部
飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売 上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメ ディアです。
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カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなど お酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフな ど様々なメンバーがいます。
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