新規蒸留所も続々開設!個性豊かなラインナップが揃うジャパニーズウイスキー&蒸留所を紹介

世界的に盛り上がりをみせている、ジャパニーズウイスキー。新たな蒸留所も続々登場し、個性的なウイスキーが多数販売されるようになりました。この記事では、注目の蒸留所とそのウイスキーのラインナップをご紹介します。

※掲載商品はあくまで蒸留所の代表銘柄としてご紹介しています。お取扱のご希望に添えない商品もあるため、あらかじめご了承ください。

遊佐蒸溜所

山形県初のジャパニーズウイスキー蒸留所として設立された「遊佐蒸溜所」。山形県酒田飽海地区の日本酒メーカー9社の出資によってできた「株式会社金龍」が母体となっています。同蒸留所のコンセプトであるTiny(ちいさな)、Lovely(かわいい)、Authentic(本物の)、Supreme(最高の)という英語の頭文字を取った「TLAS(トラス)」が表すように、地元では絶大な人気を誇る郷土焼酎「爽」なども製造する同社が掲げる“品質本位”の精神はウイスキー造りにおいても随所でみられます。

ウイスキー造りに欠かせない、水質の良さを求め蒸留所が建設されたのが「遊佐町吉出地区」。1996年に「水の郷百選」にも選出されたこの地で造られるウイスキーは、四季折々の表情豊かな自然の恵みを凝縮した、魅力的なものになっています。

遊佐蒸溜所 公式サイト:https://yuza-disty.jp/

ガイアフロー静岡蒸溜所

静岡駅から20km以上北上した奥静岡エリア、通称“オクシズ”にてウイスキーを製造する「ガイアフロー静岡蒸溜所」。周辺では、小猿や鹿、猪などの野生動物も頻繁にみられるほど自然豊かなこのエリア。蒸留所で使用する仕込み水は硬度70という清らかな水質である「安倍中河内川」の伏流水。さらに、発酵槽には静岡市で取れた杉材を使用、ポットスチルでの蒸留は地元の薪の火を使うなど、徹底的に地元の素材にこだわったウイスキー造りを行っているのが特徴です。日本の杉をウイスキー造りに活かしたのは、同蒸留所が初の試みなのだそう。

さらに特徴的なのが、日本では珍しい3基の蒸留機。初留釜W、初留釜K、再留釜Sという3つを駆使しながらタイプの異なる原酒を造っており、それがダイレクトに反映されているシリーズが「シングルモルト静岡」です。薪直火の初留器「W」で造られた「ポットスティルW」、蒸気間接加熱の初留釜「K」で造られた「ポットスティルK」、そしてこれらをブレンドした「ユナイテッドS」と、それぞれに異なる個性持つ味わいが楽しめます。ユニークな製造法やチャレンジングな試みを行うなど、ウイスキーファンからも注目の同蒸溜所。静岡にゆかりのある方や、飲食店様は特にお客様に提案しやすそうですね。

ガイアフロー静岡蒸溜所 公式サイト:https://shizuoka-distillery.jp/

長濱蒸溜所

2016年に稼働スタートした、日本最小クラスの蒸留所「長濱蒸溜所」。母体となっているのは地ビールブームの頃からクラフトビールを製造する老舗である長濱浪漫ビール株式会社。ビールにも共通する“麦”という素材に関する知見からウイスキー造りを行っており、ワールドウイスキーアワードでも金賞を受賞するなど業界からの評価も高い蒸留所です。

スコットランドの蒸溜所にインスピレーションを受けたという、個性的なアランビック型のポットスチルで造られる原酒は穀物由来のふくよかな甘みがしっかりと感じられるスムースでリッチな味わい。

現在のラインナップは樽熟成前の透明な原酒シリーズ「ニューメイク」、長濱蒸溜所原酒のみを使用した「シングルモルト」、海外モルトをベースに長濱蒸溜所のモルトをブレンドした「アマハガン(AMAHAGAN)」の3つのシリーズが中心となっていますが、ミュージシャンやアニメ・ゲームとのコラボ商品も多数発売していますので、お客様の趣向に合わせた導入もおすすめです。

長濱浪漫ビール 長濱蒸溜所 公式サイト:https://www.romanbeer.com/whisky/

三郎丸蒸留所

若鶴酒造が母体となっている富山の蒸留所「三郎丸蒸留所」。ウイスキー製造開始は1952年と国内でも歴史ある蒸留所ですが、2000年代にはウイスキー造りを一度中止しているという過去があります。しかし後に、現在のマスターブレンダーである稲垣貴彦氏の手により、クラウドファンディング等で資金を集め設備を一新。2017年より再度蒸留を再開したのです。

同蒸留所が掲げるテーマは「伝統と革新」。1952年に初めて製造し、今なお地ウイスキーとして人気のある「サンシャインウイスキー」の系譜を受け継ぎ、スモーキーでピーティーなウイスキー造りを行っています。使用するモルトは、スコットランド産と富山産。ピートもスコットランド産であることからも、スモーキーな味わいに対するこだわりが伺えますよね。また、蒸留器も特徴的。富山の伝統技術である銅器製造を生かした世界初の鋳造製蒸留器「ZEMON」を使用しています。この蒸留器を使用することで、よりまろやかで高品質な蒸留酒の製造を実現しているのです。

三郎丸蒸留所 公式サイト:https://www.wakatsuru.co.jp/saburomaru/

富士御殿場蒸溜所

1973年に設立された、キリングループが保有するウイスキー蒸留所「富士御殿場蒸溜所」。1970年代には「ロバートブラウン」「エンブレム」といったウイスキーを発売するなど、国内のウイスキー文化を牽引してきました。

現在、ハウスウイスキーとして飲食店でも使用している店舗の多い「」の他、「富士」ブランドも非常に有名。同蒸留所のモルトウイスキーのみでブレンドされた「シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士」、グレーン・モルトともに同一蒸留所でつくった「シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」3種のグレーンウイスキーをブレンドした「シングルグレーンウイスキー 富士」を中心に展開しています。

「キリン ジャパニーズウイスキー 富士」の魅力とは?新作ラインナップも併せて解説【語れるウイスキー vol.2】

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「富士御殿場蒸溜所」でつくられている富士ブランドについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所 公式サイト:https://www.kirin.co.jp/experience/factory/gotemba/

厚岸蒸溜所

2016年に蒸留を開始した、まだ新しい蒸留所である「厚岸蒸溜所」。潮気を含んだ深い霧、清澄な空気、豊富な泥炭といった北海道厚岸の豊かな自然環境を活かしたウイスキー造りに定評があります。仕込み水に関しても、地中のピートを通過した物を使用。“アイラ島にも似ている”とされる、この環境下で熟成させることでジャパニーズウイスキーとは思えないほどのスモーキーさを実現できるのでしょう。また、その製造方法もスコットランドの伝統的な方法を用いているのも大きな特徴の一つです。

熟成樽は、バーボンやワイン、ラム樽といったものに加えミズナラを使用することもあるなど実に挑戦的。オールシーズンを通して様々な商品ラインナップを展開していることも、ウイスキーファンの心を躍らせます。

特に注目なのが「二十四節気」シリーズ。季節ごとのシーズナルリリースとして発売されるたびに売り切れが続出する人気シリーズは要チェックです!

厚岸蒸溜所 公式サイト:http://akkeshi-distillery.com/

嘉之助蒸溜所

2017年に稼働スタートした「嘉之助蒸溜所」は、鹿児島県西岸・日置市の吹上浜の広大な敷地内に点々と施設を構える規模の大きい蒸留所です。通常、2基で稼働することの多いウイスキーの小規模蒸留所には珍しく3基のポットスチルを使用することで、個性豊かな酒質のウイスキーを製造しています。

母体となる小正醸造は、明治時代より焼酎をつくってきた酒蔵。焼酎造りにおいて得てきた知識を元に、同じ蒸留酒であるウイスキーを造っていることからもそのクオリティの高さが伺えます。

嘉之助蒸溜所 公式サイト:https://kanosuke.com/

倉吉蒸溜所

2015年設立の「倉吉蒸溜所」は古くから酒造りを行ってきた松井酒造が母体となっている蒸留所です。非常に柔らかい水質として知られている、秀峰大山の深層天然水を仕込み水として使用。日本人だけでなく世界の人々に愛されるウイスキーを造ることを信念にしているのだそう。また日本海側一帯の中でも、寒暖差が大きいという土地の特徴を活かして早い熟成となることが特徴の1つ。比較的早いスパンで新作が登場し、世界的なコンペティションでも数多くの銘柄が金賞・銀賞を受賞しています。

蒸留酒名を冠にしたシリーズ「倉吉」は、厳選されたモルト原酒を使用した、すっきりとしたまろやかな味わいが特徴。シリーズ内でも、熟成年が異なるものや熟成樽違いのものも多数発売されているので用途別にセレクトしてみてください。

倉吉蒸溜所 公式サイト:https://matsuiwhisky.com/company/distillery/

秩父蒸溜所

2008年に稼働をスタートした株式会社ベンチャーウイスキーの「秩父蒸溜所」は、現在のジャパニーズウイスキーブームの火付け役となったといっても過言ではありません。秩父の豊かな環境の中、小規模な施設で手作業によるクラフトなウイスキー造りを行っているこの蒸留所の設立は、日本国内では35年ぶりの新規蒸留所ということもあり驚きを持って迎えられました。

こちらの代名詞とも言えるウイスキー「イチローズモルト」は、世界最高峰のウイスキー品評会において最高賞を受賞するなど、日本のみならず世界的に評価の高い1本。手間だけでなく、非常に高いコストがかかると言われているミズナラを北海道から買付け自社で樽を製造するという徹底ぶりからもクラフトなウイスキー造りへのこだわりを感じますよね。2019年には第二蒸留所を設立。これまで以上に安定した製品供給が行われるようになりました。

サクラオブルワリーアンドディスティラリー

2017年に設立された「サクラオブルワリーアンドディスティラリー」。元々は1918年に広島市で創業した老舗「中国醸造」として、100年以上酒造りを行ってきましたが、新たな挑戦として近年は洋酒造りを盛んに行っています。

同蒸留所では、広島のボタニカルを豊富に使用したクラフトジン「桜尾」も醸造していることからジンのイメージが非常に強いかも知れませんがウイスキーも絶品。定番である、「桜尾シングルモルト」に加え、四季を通じて涼しい環境の戸河内貯蔵庫で熟成させた「戸河内」、これらの原酒に最高のブレンドを施した「桜尾 シェリーカスク」など、環境の異なる貯蔵庫を複数持っていることから生まれるウイスキーの数々は、一飲の価値ありです。

サクラオブルワリーアンドディスティラリー 公式サイト:https://www.sakuraobd.co.jp/

御岳蒸留所

人気の芋焼酎銘柄「富乃宝山」などで有名な、1845年創業の「西酒造」が2019年にスタートさせた新たな蒸留所「御岳蒸留所」。鹿児島県・薩摩半島の中央にある標高400mほどという高台にあり、夏でも冷涼な貯蔵に適しているという環境、さらには天然の軟水が豊富に湧き上がることからウイスキー造りにおいて最適な場所なのだそう。

醸造に使用する酵母は同酒造が持っているものから選抜、麦もセレクトした二条大麦、熟成に用いる樽は厳選したシェリー古樽と素材選びに余念はありません。さらに特殊な蒸留器設定により、よりフルーティーで深い香味成分を抽出することを実現。これにより、すっきりしながらもフルーティーでクリアな味わいのウイスキーを生み出しているのだそう。

御岳蒸留所 公式サイト:https://www.nishi-shuzo.co.jp/ontake/

個性豊かなジャパニーズウイスキーだからこそ!ハイボール以外の飲み方でも提案できる

蒸留所ごとに、個性豊かなウイスキーを造っているからこそ楽しみ方の裾野も広がるジャパニーズウイスキー。これまで、ウイスキーをハイボールのみで提供していたお店も、クラフトなジャパニーズウイスキーをメニューに取り入れることでロックやストレートなど、異なる飲み方を提案できそうですよね。

また、同じハイボールでも“ワンランクレベルのアップしたプレミアムな1杯”として、ジャパニーズウイスキーのハイボールをメニューに導入することで、客単価をアップさせることが期待できます

今後、より一層注目度が高まるであろうジャパニーズウイスキー。蒸留所や各銘柄の特徴を知り、お店への導入を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

カクヤス編集部

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