【ソーヴィニヨン・ブラン】特徴から食事との組み合わせや生産地について紹介~ワインのブドウ品種シリーズ Vol.4~

こんにちは!松木リエです。

こちらの記事ではワインに使われる代表的な品種について、基本的なことから実際にお店で役に立つ料理とのマリアージュまでわかりやすくご紹介します。

「ワインのこと全然わからない」という方にこそぜひ読んでいただきたいです!

ワインはブドウだけを原料として生まれる醸造酒です。ワインの香りや味わいは原料のブドウの影響を大きく受けます。世界には何千ものブドウ品種がありますが、ワインとなり広く流通している品種は限られています。特に国際品種と呼ばれる世界中で栽培されている品種なら十数種、そして各国を代表する固有品種を合わせても三十数種程度です。

「ワインって難しい」と思っている方にこそ、品種の特徴を知ることが選びたいワインにたどり着く近道となります。ここでは魅力的な飲食店メニューに役立つ、「これさえ知っておけば大丈夫!」という品種の特徴、代表的な生産地とおすすめワイン、そして料理とのマリアージュを合わせてご紹介していきます。

過去の【ワインのブドウ品種シリーズ】の記事はコチラから

ソーヴィニヨン・ブランとは

ソーヴィニヨン・ブランは白を代表するブドウ品種のひとつで、世界中で栽培されています。柑橘やハーブを思わせる爽やかな香りとすっきりとした酸味で、ワイン初心者にも飲みやすい、わかりやすい品種と言えるでしょう。品種の個性がはっきりしていますが、生産地による若干の違いにこだわっても楽しい品種ですので、ここで解説していきます。

白の国際品種の代表格

ソーヴィニヨン・ブランは、シャルドネやリースリングとならび世界中で栽培されている国際品種です。2017年のO.I.V.の統計によると、白ブドウの栽培面積ではアイレン、シャルドネに次いで世界3位となっています。
発芽が遅くて熟すのが比較的早い品種なので、冷涼な気候や秋口の雨の心配がある地域での栽培に適しています。日陰で未熟なブドウになると非常に青臭い果実の風味につながってしまうので、葉や実がつく部分が日陰にならないように、注意深く栽培管理する必要もあります。

ハーブのようなアロマが魅力

ソーヴィニヨン・ブランはアロマティックな品種で、ハーブやアスパラガスを思わせる香り、柑橘やグーズベリー、そしてエルダーフラワーの強い香りがあります。
冷涼な気候ではさらに湿った石のような風味が加わります。より温和な地域では、熟したパッションフルーツの品種特徴香が強く感じます。

グレープフルーツ様の爽やかな酸味が特徴

高い酸味があることも特徴的で、グレープフルーツをかじったような爽やかな酸味を生かしたワインスタイルになります。アルコールも低すぎず、でも高すぎず、ミディアムボディの飲み口の良さが人気の秘訣です。

ソーヴィニヨン・ブランとシャルドネの違い

ソーヴィニヨン・ブランはシャルドネと並ぶ白ワイン用品種ですが、特徴が対照的で、良いライバル関係のような存在です。
ソーヴィニヨン・ブランはアロマティックな品種で、柑橘やハーブ系の香り、そして高くすっきりとした酸味と爽やかな果実味が特徴です。その爽やかな香り・風味の特徴を壊さないように、オーク樽を使う醸造は稀です。
一方、シャルドネはニュートラルな個性の品種で、香りは生産地や生産者次第の幅広さがありますが、一般的にはやわらかで芳醇なタイプのワインが多く、オーク樽を使う醸造を選ぶ生産者も多くいます。

ソーヴィニヨン・ブランの代表的な生産地と味わいの特徴

世界中で栽培されているソーヴィニヨン・ブランですが、2大生産国はフランスとニュージーランドです。もちろんこの個性豊かな品種は消費者からのみならず、ブドウ栽培家やワイン生産者からも人気があり栽培地の広がりも見せています。それでは、各地の特徴とおすすめワインを紹介していきます。

フランスのソーヴィニヨン・ブラン

フランスにおいてソーヴィニヨン・ブランが重要な地方はボルドーとロワールです。

ボルドーの高級な白ワインは、ほとんどがセミヨンとソーヴィニヨン・ブランのブレンドです。セミヨンはワインにモモやアプリコットのような充実した果実味とボディをもたらします。ボルドーの高級な白ワインはオーク樽を使った醸造で、瓶内熟成にも耐え得る芳醇なワインとなるので、セミヨンの比率がやや多いです。一方、早飲みタイプの場合は香り高い爽やかな風味や新鮮さの方が大切なのでソーヴィニヨン・ブランの特徴を生かしたワインづくりがされます。一般的にハーブやエルダーフラワーのアロマを持つフルーティーなワインができ、あまり熟成はしません。ボルドーの格付けに入るシャトーやグラーヴ地区の最高品質のものになると瓶内熟成によって蜂蜜やトーストの風味が表れるものもあります。

おすすめワイン ボルドー地方

エール ダルジャン 18/CH ムートン ロートシルト

エール ダルジャン 18/CH ムートン ロートシルト

  • 産地:フランス ボルドー地方

芳醇で複雑性のある、エレガントなスタイル。一口飲めば、誰しも虜になる逸品です。

容量:750ml

参考価格:11,800 円(税抜)

ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランは、単一で醸造され、冷涼な気候からみずみずしい果実味とシャープな酸やミネラルを感じる辛口ワインが生まれます。特にサンセールやプイィ・フュメは非常に人気のある産地で、かつ、素晴らしい品質のワインを見つけることができます。サンセールにはシレックスと呼ばれる火打石質の土壌があります。この土壌で育ったソーヴィニヨン・ブランは、ぬれた石やスモーキーなアロマをもつワインを生み出すと言われています。

おすすめワイン ロワール地方

サンセール シレックス ブラン/ミッシェル トマ

サンセール シレックス ブラン/ミッシェル トマ

  • 産地:フランス ロワール地方

サンセールで自然を尊重した栽培と醸造を行う家族経営の生産者の限定生産ワイン。アプリコットを想わせるフルーティなアロマが香り立ち、ミネラル感がしっかりしたワインです。

容量:750ml

参考価格:2,920 円(税抜)

ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン

主に冷涼な海洋性気候のニュージーランドは、ブドウ収穫量全体の70%強がソーヴィニヨン・ブランという、まさにソーヴィニヨン・ブラン大国です。国内生産ワインの約80%が海外に輸出されており、さらにその輸出量の87%がソーヴィニヨン・ブランだということが示すように、この力強いアロマとすっきりとしたニュージーランドの白ワインが、世界中で愛されていることが伺えます。
特に南島の一番北に位置するマールボロ地区が主要生産地です。この地区のソーヴィニヨン・ブランには、品種特徴であるパッションフルーツの香りや草の香りを生み出す物質がフランス・ロワール地方の同品種と比べて5〜10倍高くなることがわかっています。以前はどの生産者も香りの強さを前面に押し出したフルーティーで均一なタイプが多かったのですが、近年はいくつかの若い生産者がミネラル感ある滋味深いスタイルのソーヴィニヨン・ブランをマールボロ地区でつくっており、目が離せません。

おすすめワイン

ブランク キャンバス ソーヴィニヨン ブラン/ブランク キャンバス

ブランク キャンバス ソーヴィニヨン ブラン/ブランク キャンバス

  • 産地:ニュージーランド マールボロ地区

ブラックカラントやグァバ、パッションフルーツの香りと味わいがあり、エレガントなバランスとソルティなニュアンスをみせます。古典的なマールボロ地区のソーヴィニョンブランの表情をみせるこのワインは100%タンク発酵ですが、質感があり、河原の石や海風によるミネラルの複雑なニュアンスがあります。

容量:750ml

参考価格:2,600 円(税抜)

チリのソーヴィニヨン・ブラン

ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランに似たスタイルで、パッションフルーツのような南国らしい果実香が特徴です。さらに関税がかからないことや労働コストの安さなどのおかげで、ニュージーランドと同じ品質のものが、より安く手に入ります。
中でも、冷涼な太平洋の影響を受けるレイダ・ヴァレーではグレープフルーツのような爽やかな味わいのワインを生産しており、コストパフォーマンスがとても良くおすすめです。

おすすめワイン

レイダ レセルヴァ ソーヴィニヨン ブラン/レイダ

レイダ レセルヴァ ソーヴィニヨン ブラン/レイダ

  • 産地:チリ レイダ・ヴァレー

シトラスやハーブの香りに、フレッシュでキリッとした酸が楽しめます。

容量:750ml

参考価格:1,488 円(税抜)

オーストラリアのソーヴィニヨン・ブラン

オーストラリアでもソーヴィニヨン・ブランはシャルドネに次ぐ重要な白ブドウ品種で(6,097ha/2020年)、広く栽培されています。中価格帯のワイン向けに冷涼な地域で栽培されているだけでなく、低価格帯向けに暑い地域で大量生産もされています。
オーストラリアのソーヴィニヨン・ブランは、ニュージーランドのマールボロ地区産のものよりも草の香りが少ない傾向にあり、特にアデレード・ヒルズでは、オーストラリア最高のソーヴィニヨン・ブランを生産しているという評判が高まっています。それらのワインは、柑橘系からトロピカルフルーツまで、様々な果実の特徴があります。ステンレスタンク醸造するすっきりとした味わいのものから、オーク樽を醸造に使った、より複雑でリッチな味わいのものまで、様々なスタイルがあります。
また、西オーストラリア州のマーガレット・リヴァーでは、主にセミヨンとブレンドするボルドー・スタイルのものが造られています。

おすすめワイン

ソーヴィニヨン ブラン セミヨン/カレン

ソーヴィニヨン ブラン セミヨン/カレン

  • 産地:オーストラリア マーガレット・リヴァー

カットグラスとヘーゼルナッツ、樽由来の綺麗なバニラの風味。パパイヤや、白い花、レモンの香りが合わさった複雑な香りと、上品なオーク香が複雑さを与え、非常に長い余韻と共に楽しめます。

容量:750ml

参考価格:3,378 円(税抜)

アメリカのソーヴィニヨン・ブラン

アメリカではあまりたくさんは栽培されていませんが、ワシントン州のように標高の高いところでは7,700ha(2020年)、カリフォルニアでもより冷涼な場所を選んで6,421ha(2020年)の栽培面積があります。
一般的に早飲み用のフルーティなスタイルで造られていますが、生産者によってはオーク樽で発酵・熟成させた、樽の風味とボディのしっかりとしたスタイルもあります。
カリフォルニアではソーヴィニヨン・ブランのことを「フュメ・ブラン」と呼ぶこともあります。その始まりは1968年。あの、オーパスワンのオーナーとしても有名なロバート・モンダヴィが、オーク樽で熟成させたソーヴィニヨン・ブランを「フュメ・ブラン」という名前で売り出しました。一説によると、当時フランス語的な言葉をつけることがトレンドだったそうですが…トロピカルでグァバのような風味をもつ辛口のフュメ・ブランはたちまち人気となり、ロバート・モンダヴィはこの品種をアメリカに広く認知させた人として知られています。ただし現在、この名称は必ずしも樽で発酵・熟成させたことを意味するわけではありません。

おすすめワイン

ダイヤモンドコレクション ソーヴィニヨンブラン/フランシス コッポラ

ダイヤモンドコレクション ソーヴィニヨンブラン/フランシス コッポラ

  • 産地:アメリカ カリフォルニア州

メロン、ピーチ、爽やかなリンゴなどの香りに始まり、かすかなオーク樽の香りがよりリッチに感じさせます。

容量:750ml

参考価格:2,500 円(税抜)

ソーヴィニヨン・ブランのおすすめマリアージュは?

ソーヴィニヨン・ブランのワインは、ほとんどの場合辛口で、ライトからミディアム・ボディです。すっきりとした酸味は7〜10度ほどによく冷やした方が美味しく感じます。なので、合わせるお料理も比較的軽いものや、冷製のオードブルがおすすめです。そこに、ソーヴィニヨン・ブラン特有の柑橘やハーブの香りを合わせると共通点が増えてよりピッタリ感が増します。他の品種に比べて簡単にお料理に合わせることができるので、ペアリング初心者向きの品種と言えます。

柑橘類がアクセントの洋食に

ブドウ由来のグレープフルーツを絞ったような風味や酸味、レモンゼストのような苦味を添えたいような料理をぜひ合わせてみてください。例えば白身魚のカルパッチョ。エキストラ・バージン・オリーヴ・オイル由来の青リンゴのような爽やかさや苦味が食材を包むので、ワインと親和します。他にもワインビネガーでマリネしたものに、柑橘の果肉を少し散らしてサラダ仕立てにしたものもいかがでしょうか? フルーツや葉野菜、ハーブを使ったメニューと合わせる汎用性の広さがソーヴィニヨン・ブランの持ち味です。

和食にもぴったり寄り添う

ワインにある、少し青野菜を思わせる香りは、料理に合わせると全く気にならなくなります。例えば私たちは肉を焼いたものだけをずっと食べ続けたり、生魚だけをずっと食べ続けたりはあまりしないですよね。フランス料理にはガルニチュール、つまり野菜を中心とした付け合わせの料理が必ず添えてあります。
このワインにあるハーブや野菜的なニュアンスをぜひ活かしてみてください。おすすめは鮎に蓼酢、焼き魚にカボスやレモンを搾る時には、ワインが代わりにその清涼感を与えてくれます。
アスパラガスやキャベツ、ネギ、大葉などの野菜や薬味との相性は言うまでもありません。食材を活かした天ぷらに、ワインを合わせるときは天つゆではなく塩で召し上がるようおすすめしてみてください。
これらの焼いたり揚げたりするお料理の時は、オーク樽を使ったソーヴィニヨン・ブランか、自然酵母を使った地味深い旨味のあるソーヴィニヨン・ブランがより合うと思います。

自分のお店の料理にはどうやってワインを合わせたら良いのかわからない!そんな時にはぜひこちらの記事もご覧ください。

記事を読む:単価を上げる!リピーターを増やす!今日から使えるWin-Winのワインペアリング理論

まとめ

ソーヴィニヨン・ブランは白ワインの代表的品種で、世界中で栽培されている品種です。すっきりとした果実味と爽やかな酸味や香りが魅力的で、特にワインを飲み始めて間もない方には非常に好意的な強いアロマがあります。産地ごとに違いも顕著で、温暖か冷涼で個性が変化していくので、ぜひ色々飲んでみて、自分のお店に合うものを見つけていただければと思います。たくさんのメニューをもつお店の形態ならなおさら、魚介類や柑橘類を添えた料理全般に合わせやすく、和洋どちらもOKというのが魅力的ですよね。

今回ご紹介したワイン以外にも価格帯を抑えたものから高級ワインまで、ソーヴィニヨン・ブランのワインをたくさん取り扱っているので、ワインリストの作成や仕入れに関してのお悩みは、飲食店向け酒類のプロ「カクヤス」にぜひご相談ください。

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この記事を書いた人

松木 リエ

  • WSET Level 4 Diploma(2021年合格)
  • A.S.I. 世界ソムリエ協会認定 インターナショナル・ソムリエ・ディプロマ- ゴールド(2020年合格)
  • J.S.A.認定 ソムリエ・エクセレンス(2014年合格)/ SAKE DIPLOMA(2017年合格)
  • WSET Level 3 Certified(2016年合格)
  • IWC インターナショナル・ワイン・チャレンジ審査員
  • 2015-2016 WSET Level3 Decanter Asia Wine Scholarships
  • 2014年 第7回 全日本最優秀ソムリエコンクール 第4位
  • 2006年 第4回 JALUX Wine Award 準優勝
  • 2005年 第4回 Louise Pommery Sommelier Concours 第3位
  • 2005年 第6回 ロワールワイン若手ソムリエコンクール優勝
  • 2003年 第4回 Commis Sommelier Concours 最優秀賞

2000年より「オテル ド ミクニ」「タイユバン ロブション」などを経て、2006年渡仏。パリ、エクサンプロヴァンス、カシスの星付きレストランで計6年間ソムリエとして従事。2012年に帰国し、「マンダリン オリエンタル 東京」にてソムリエを3年間務め 2015年11月に独立。
その後アカデミー・デュ・ヴァン講師を経て、2019年より キャプラン ワインアカデミーにてWSET認定講師を務めている。
海外ワイン産地での研修により、南アフリカワイン協会(WOSA Japan)エデュケーション・パートナーとして日本各地でのセミナー活動や、「WANDS」などで記事執筆も行っている。

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