〔4大メーカー別〕生樽のサイズ、生ビールの杯数徹底解剖!
数あるお酒の中でも、幅広い年代で根強い人気を誇るのが、ビールです。
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査「みんなの好きなお酒ランキング」では年代別ランキングの30代で2位、40代・50代では1位が「ビール/発泡酒/第三のビール」となっており、ビール人気の高さが窺えます。
開業予定のお店や営業中の飲食店でのビール仕入れにあたり、気になるのがメーカーごとの生樽や炭酸ガスボンベの違いではないでしょうか?生樽や炭酸ガスボンベは、置き場所や賞味期限なども考慮する必要があるため、事前に入念に打ち合わせしておく必要があります。
この記事では、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーといった4大ビールメーカー別に、生樽のサイズ、生樽の容量ごとの生ビール杯数についてご紹介します。
ビールの値上げや他店舗との差別化を図るための対策についても合わせて解説しますので、ぜひ記事をチェックしてみてください。
出典:「みんなの好きなお酒ランキング」LINEリサーチ
4大メーカー別!生樽サイズ・生ビール杯数比較一覧
日本で4大ビールメーカーとして知られているのが「アサヒ」「キリン」「サッポロ」「サントリー」の4社です。生樽(樽詰)のラインナップやビールサーバー用ガスボンベのサイズは、各メーカーによって異なります。
- 生樽の容量&サイズ
- ビールサーバー用ガスボンベのサイズ
- 生樽のサイズ別の生ビール杯数
生樽や炭酸ガスボンベを含め、ビールサーバーは設置スペースを確保する必要があるため、事前に上記の点を考慮しておき、工事完了後に不備が出ることのないようにしましょう。
ここからは、各項目についてそれぞれ詳しくご紹介しています。
生樽の容量&サイズ比較表
4大ビールメーカーであるアサヒ・キリン・サッポロ・サントリーの代表的な銘柄の生樽のリットル・サイズ・重さを一覧でご紹介します。
メーカーや銘柄によっても変わりますが、主に5リットル・7リットル・15リットル・20リットル(19リットル)が基本の生樽のラインナップです。
この他にも発売地域限定で30リットルの生樽を提供しているメーカーもあります。
メーカー&銘柄 | リットル | サイズ/重さ |
---|---|---|
アサヒ スーパドライ |
10リットル |
|
19リットル |
|
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キリン 一番搾り/ラガー |
7リットル |
|
15リットル |
|
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20リットル |
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サッポロ 黒ラベル/エビスビール |
10リットル |
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20リットル |
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サントリー ザ・モルツ/ザ・プレミアム・モルツ |
10リットル |
|
15リットル |
|
|
サントリー ザ・モルツ |
20リットル |
|
19リットル・20リットルの生樽で4社の違いを比較してみましょう。(アサヒは20リットルの生樽も取り扱っていますが、発売地域限定のため、ここでは19リットルのもので比較しています)
アサヒ |
キリン |
サッポロ |
サントリー |
---|---|---|---|
直径:232mm |
直径:335mm |
直径:312mm |
直径:335mm |
いずれも重さは24〜26kgとほとんど違いはありませんが、高さと直径に違いがみられます。
特徴的なのがアサヒです。他3社は直径310mm以上ありますが、アサヒの場合は232mmで、ややスリムな形です。その分、他社の生樽に比べて高さが100mm以上高くなります。
アサヒは5リットル・10リットル・19リットルで直径がほとんど変わらない(約228〜232mm)ことも特徴です。
ビールサーバー用ガスボンベサイズについて
ビールの入った生樽に圧力をかけるためのビールサーバー用ガスボンベは緑色に塗られていることから、「みどボン(緑ボンベ)」と呼ばれることもあります。
ガスボンベは主に5kg・10kgのものがありますが、10kgのガスボンベは重いため、5kgを使用される業務店がほとんどです。(画像はサッポロビールの5kgのガスボンベ)
- 高さ:約590mm
- 幅(最大直径):約176mm
- 空重量:8.3kg
- 中身入重量:13.3kg
なお、樽生ビール販売可能量はガスを注入する際の圧力によっても変化します。5Kgの業務用ガスボンベ1本あたりの樽生ビールの販売可能量は以下です。
注出ガス出力(MPa/メガパスカル) |
樽生ビール販売可能量 |
---|---|
0.1MPa |
約900リットル |
0.2MPa |
約600リットル |
0.3MPa |
約450リットル |
生樽の容量別、生ビールの杯数比較表
ここでは、4大メーカーが提供している生樽の5リットル・7リットル・15リットル・19リットル・20リットルの容量別に、生ビールの杯数を見てみましょう。
以下の表では、中ジョッキは400ml、グラスビールは300mlと仮定して計算しています。(泡は考慮せず)
リットル | 中ジョッキ(400ml)の場合 | グラスビール(300ml)の場合 |
---|---|---|
7リットル | 約17.5杯 | 約23杯 |
10リットル | 約25杯 | 約33杯 |
15リットル | 約37.5杯 | 約50杯 |
19リットル | 約47.5杯 | 約63杯 |
20リットル | 約50杯 | 約66杯 |
居酒屋では生中・生小・生大などいくつかのサイズでビールを提供していることも多いですが、これらの容量は明確に決められているわけではありません。
そのため店舗によって何mlであるかは異なり、生中(中ジョッキ)の場合は約350〜400mlほどが一般的です。ビールグラスとしてよく使われている、背が高くほっそりとしたピルスナーグラスの場合、285〜400mlの容量のものが多くあります。
店舗で使用する中ジョッキやビールグラスの容量によっても生ビール杯数は変わるため、店舗で使用予定のものの容量をチェックしておきましょう。
ビールの値上げを受け、価格改定についてお悩みの飲食店様は多いです。対策については以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
→ ビールの値上げはグラスベースで考える!飲食店がやるべき対策のご提案
ビール値上げ&他店舗との差別化を図る対策
2022年10月1日から、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーの大手4社でビールを含めた酒類が値上げされました。原料となる大麦やトウモロコシ、資材であるアルミニウム、製造にかかるエネルギーや物流価格など、お酒に関連する多くのコストが上昇していることが理由です。
ビールの価格高騰に対し、グラスを小さくして量を少なくしたり、値段を上げることも対策の一つですが、お客様が受けるイメージを考えると、やはり懸念があります。そこでここからは、値上げ以外で検討すべき対策をご紹介します。
対策1:クラフトビールや海外ビールの導入
希少性の高いクラフトビールや、おしゃれな瓶の海外ビールを導入するのも一つの方法です。
全国各地の小規模な醸造所で造られるクラフトビールは地ビールとも呼ばれ、希少性があることから価格に対しても納得感があります。高い利益を得つつ、お客様に満足を感じていただきやすいビールです。
近年では、3リットルの小容量のペットボトルを差し込むだけで簡単に樽生品質のクラフトビールを提供できる小型ビールサーバー「Tap Marché(タップ・マルシェ)」といった製品も登場しているため、これまでクラフトビールを提供していなかった飲食店も導入しやすくなっています。
また、海外ビールの導入もおすすめです。
日本の飲食店は国内ビールを提供する店舗が多いため、海外ビールを置いているだけでも他店舗との差別化になります。海外ビールのおしゃれな瓶やグラスはSNS映えもするため、集客にも活かせるでしょう。
タップ・マルシェや海外ビールについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
→ 【連載企画】全国各地で続々導入!クラフトビール提供サービス「タップマルシェ」って何?〈第4回〉
→ 日本のビールにはない海外ビールの魅力とは?おすすめのラインナップ6種をご紹介
対策2:新商品の導入
2022年10月4日より飲食店向けに販売が開始された炭酸水で好きな濃さに割って飲む新感覚ビール「ビアボール」、今話題の「微アルコール飲料」の導入など、新しい商品の導入も有効です。
他の新たな商品でアピールすることでお客様の目を惹くことができ、他店舗にないような新商品があればお客様の満足度向上につながります。流行感度の高い若年層が注目してくれれば、SNSや口コミなどで話題が広がっていくかもしれません。
ビアボールや微アルコール飲料については以下の記事で詳しく解説しています。
→ 炭酸水で割って飲む新感覚ビール「ビアボール」が誕生!実際に飲んでみた感想も紹介
→ 微アルコールが流行っている理由とは?新たな顧客層獲得に向け
対策3:生樽のサイズの見直し
「同じ銘柄の生ビールなのに、お店によって味が違う……」こんな経験をしたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
美味しい生ビールを提供するためには、生樽の鮮度が重要です。開封前は外気に触れないよう密閉されていますが、開封した瞬間から劣化が始まります。
メーカーが推奨している生樽の交換期間は「開封して3日」なので、2〜3日で生樽1本を回転させるのが一つの目安です。
業務用酒販店で販売されている生樽の価格は通常「1リットルあたりいくら」の価格計算で販売されます。大容量の方がお得というわけではないため、お店に合ったサイズにすることが大切です。
回転のしやすさを考え、生樽のサイズダウンも検討すると、お客様に「ここのお店は美味しい!」と思ってもらえるビールの提供につながるでしょう。また、近年はアルバイトの作業負担軽減のため、小さいサイズの生樽を採用するお店も増えてきています。
ビールサーバーの基本やビール生樽の賞味期限など、美味しいビールを提供するための方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
→ オーダー率No.1の生ビールを扱うなら必読!ビールサーバーの基本〔飲食店開業マニュアル〕
→ ビール生樽の賞味期限は?新鮮な味を提供できる最新ビールサーバーもご紹介!
→ 美味しい生ビールの注ぎ方!飲食店がビールの品質向上をするべき理由とは
まとめ
ビールの4大メーカー別の生樽のサイズや生ビールの杯数、ビールの値上げ対策についてご紹介しました。
ビール離れが進んでいるという報道もある一方で、ビールは根強いファンも多く、幅広い年代から愛されている飲み物です。
ぜひ記事を参考に、自店舗に適した容量の生樽や炭酸ガスボンベを用意して、お客様が思わず「美味しい!」と唸ってしまうような一杯の提供につなげてみてください。
ピンクの看板が目印の業務用酒販店「なんでも酒やカクヤス」では、飲食店経営・開業の総合的なサポートも行っています。生樽の種類やガスボンベ、ビールサーバーのサイズなども含め、飲食店経営で何かお悩みやお困りのことがありましたらどんなことでもお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
カクヤス編集部
飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
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