地方の魅力を料飲店でPR、「ミッション系」酒場 -料飲店トレンドと繁盛店事例 vol.2-

地方の魅力を料飲店でPR、「ミッション系」酒場

vol.2は「地方の魅力を料飲店でPR、「ミッション系」酒場」。オーナーが熱い思いを持って、“地方活性化というミッションを掲げ、その地方で生産される素材を生かした料理や、その地方の郷土料理などを提供し、その魅力をアピールする居酒屋、「ミッション系酒場」が東京に増えています。その事例を紹介します。

東北酒場トレジオンポート (東京・赤坂)

“東北地方を盛り上げる”をミッションに店舗展開するTregionによる居酒屋。同社は、東北をテーマにした酒場を3店舗展開し、いずれも赤坂エリアに立地する。オーナーは、東日本大震災を受けて岩手県遠野市にボランティアに赴いた経験から、復興支援のために東北をテーマとした料飲店を開業。
肉や魚、野菜・果物など東北各地の生産物を生かした料理を提供し、料飲店経営というビジネスを通じて、東北の復興支援につなげたいという想いを持つ。「東北酒場トレジオンポート」は、2018年6月にオープンした最新店舗。既存店として「東北バル トレジオン」、「東北バル トレジオンプチ」の2店舗がある。

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既存店が手狭になり開業した「東北酒場 トレジオンポート」は、46坪の広さに最大100席が配置可能な大箱。“東北の港町”をイメージし、使用する木材なども東北のものを取り入れている。メニューは、東北の産物にフューチャー。料理は、「東北直送野菜のバーニャカウダー」(1,180円)、「会津の馬刺し」(1,380円)、「いわて短角牛のステーキ」(100g 1,980円、200g 3,780円)、「肉巻ききりたんぽ」(560円)など、東北の名産品を生かした約45品が揃う。ドリンクも、東北の地酒や地ワインを用意。

DATA

住所

東京都港区赤坂3-12-18 第8荒井ビル2F

運営

Tregion 株式会社

坪数・席数

46坪・90席+スタンディング10名

客単価

4,500円

開業日

2018年6月4日


東京オーブン 赤坂店 (東京・赤坂)

東日本大震災で、被災した岩手県釜石市にキッチンカーを送って復興支援を行なったことをきっかけに、「地方食材と東京という都市をつなげたい」という想いでオープンした「東京オーブン」。神田で2店舗を営業するが、2017年7月には赤坂にも進出した。

赤坂店はホテル内に立地し、ディナーだけでなくモーニングからランチなど1日を通して集客する。定期的に畑を訪れ、生産者と関係を築きながら仕入れる食材を、岩手県の特産品である南部鉄器を使って調理した料理が自慢だ。

ディナーメニューには、「農家野菜の自家製ピクルス」(430円)や、「シンプルグリーンサラダ」(680円)「東京野菜のクスクスサラダ」(980円)など直送野菜を使ったものや、「宮崎まるみ豚」の「パテ・ド・カンパーニュ」(680円)や、と「岩手清流若鳥」の「レバームース」(580円)など各地のブランド肉のメニューも。品質の高い食材が使えるのは、生産者との信頼関係がある同店ならではの強みだ。

DATA

住所

東京都港区赤坂3-18-1  ホテルリズベリオ1F

運営

株式会社テンプルボーイ

坪数・席数

32席

開業日

2017年7月1日


ホタテん家 (東京・中野)

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アメリカの日本食レストランや、楽天での勤務を経た31歳の若き経営者が中野にオープンした、北海道枝幸産ホタテを専門にした居酒屋。オーナーは、楽天の北海道支社勤務時代に北海道枝幸産ホタテを知り、その魅力や生産者の想いに触れ、同店を開業。このほかアジア圏への輸出事業や、ECサイトの運営などで、北海道枝幸産ホタテの普及に努めている。

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ホタテの旨味をそのまま味わえる「ホタテ刺し」(680円)をはじめ、「ホタテ磯辺焼き」(680円)、「半熟ホタテフライ(3ケ)」(800円)などホタテを使ったメニューが目白押し。アルコールは日本酒をウリとして、万人受けする味わいものを中心にセレクト。他、焼酎やビール、ハイボール、ワインなどをそろえる。

DATA

住所

東京都中野区新井2-7-12  エントピア中野1F

運営

Orlando Japan

坪数・席数

10坪・16席

客単価

5,000円

開業日

2018年4月1日


しまね料理とさばしゃぶの店 主水 日本橋三越前店 (東京・日本橋)

島根県を中心に料飲店を展開するRC・クリエイティブグループが、日本橋の島根アンテナショップ「にほんばし島根館」の隣にオープン。もとは2005年6月に「島根料理 主水」としてオープンし、2018年2月にリニューアルし、現在のかたちとなった。「島根県の魅力を伝える」をミッションに、島根ならではの素材を使った料理や地酒を、東京から発信している。

看板商品は、島根沖の海流で育った、生で食べられるほど良質なさばを使った「さばしゃぶ」(1人前1,580円)。ほか、「のどぐろ刺身」「のどぐろ炙り」(各時価)、隠岐産の「白イカ細造り」(980円)、「島根和牛の牛すじ煮込み」(780円)、宍道湖産の「大和しじみの酒蒸し」(900円)など、島根県産素材を使った品がそろう。
日本酒は島根の蔵元のものを、レギュラーメニューとして7種類(各90cc 500円、小徳利880円、枡たっぷり1,000円、大徳利1,600円)そろえる。このほか島根ゆかりのドリンクとしては、島根の地ビール「ベアへるん 瓶ビール」(850円)、島根焼酎4種(各グラス500円、ボトル3,500円)、島根の奥出雲葡萄園の「奥出雲ワイン」(赤・白、各グラス580円、ボトル3,200円)などを用意。

至近距離には系列の「しまね魚酒場 主水 日本橋室町店」も展開。「しまね料理とさばしゃぶの店 主水 日本橋三越前店」は客単価5,500円に対し、こちらは客単価4,000円の大衆居酒屋として、棲み分けを図りつつ、三越前・日本橋エリアで存在感を強めている。

DATA

住所

東京都中央区日本橋室町1-5-3
福島ビル1F にほんばし島根館

運営

RC・クリエイティブグループ

坪数・席数

18坪・31席

客単価

4,500~5,500円

開業日

2018年2月16日


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