韓国焼酎「JINRO」「チャミスル」の魅力を本場で体験! 眞露訪韓団レポート

2023年10月、「JINRO」「チャミスル」を製造している眞露株式会社様の韓国・利川(イチョン)工場へ視察に行ってきました。エンタメ、食の分野で若者を中心に絶大な人気を誇る韓国カルチャーにおいて、実は韓国焼酎も売上げを大きく伸ばしています。その韓国焼酎の魅力を深堀りするべく現地の製造拠点を直撃します。
今回視察チームに参加したのは、カクヤス社の営業スタッフなど総勢10人。また、工場視察に前後して実施した韓国外食視察のレポートも合わせてお届けします。商品の背景や現地の食文化に対する知見を深め、ぜひみなさんの提案力アップにつなげていただきたいと思います。

1. 工場見学編

1-1. あらためて眞露ブランドのおさらい

眞露社の看板商品といえば焼酎「JINRO」。韓国での創業は1924年にまで遡り、日本に輸入されるようになったのは1979年からと歴史のあるブランドです。当然日本での認知度も高く、ボトルキープできる料飲店や焼肉・韓国料理店など「JINRO」のロゴが入ったボトルをずらりと並べているお店が全国各地にあります。

2000年代に入るとアルコール度数を13~16度に下げた新ブランド「チャミスル」が登場。ドラマやK-POPといった韓流ブームとともに、日本の若者世代に韓国焼酎を広めました。近年はマスカットやグレープフルーツなどの果実フレーバーを増やしたことで2020年度に対前年比450%超えと驚異的な大ヒットを記録。その勢いはコロナ禍後の今も変わりません。

1-2. いざ!焼酎工場へ

今回見学に訪れたのはソウル市内から東南へ車で約1時間半ほどのところにある利川(イチョン)工場。ここでは韓国国内向けの焼酎を製造しているそうです。敷地面積は圧巻の約9万坪(東京ドーム6個分!)。月間平均1億4千万本(1日最大600万本)の焼酎商品を製造しています。単一製品の生産量としては世界一を誇るとか。

最終工程のパッキングラインはわずか1ラインあたり1分間に1,000本も製造してしまう高速スピード。さすが世界販売ナンバー1の焼酎メーカーの凄みを感じることができました(工場設備の撮影は禁止されているため、お見せできないのが残念!)。製造工程だけでなく、出荷の様子も桁違いのスケール。大型トラックがずらっと並んで、ベルトコンベアのように荷積みされては出発していくのがいつまでも続いていました。

韓国の焼酎づくりは、国の政策により公営企業である大韓酒精販売から原液となる酒精を仕入れて行うことが定められています。貯蔵タンクにて水や微量の天然甘味料をブレンドしてアルコール度数と味わいを調整。6〜12時間ほど熟成させて各原料を馴染ませた後に、独自に開発した竹炭ろ過器を通してピュアな味わいの焼酎が完成します。

竹炭ろ過器は、異臭や不純物除去といった従来機能に加えて、カリウムなどのミネラル成分により酒質の向上や二日酔い除去の効果があることが確認されたそうです。「チャミスル」製造については、この竹炭ろ過を4回も繰り返して酒質を磨き上げているとか。これがお酒が苦手な女性も抵抗なく飲みやすい透明感を実現している秘訣です。

1-3. 絶好調「チャミスル」の販売戦略

韓国の親会社ハイトジンロ株式会社イ・スファン課長から、解説していただきました。韓国内の焼酎市場において「JINRO」「チャミスル」は70%に迫る勢いであり「国民酒」といっても良いほどの巨人ブランドです。その人気ぶりは日本・韓国だけに留まらず、米国や中国などの大国に加えて、ベトナムやフィリピンなどを含む80ヵ国に拠点を設けており、蒸留酒販売量世界1位を22年連続で記録するほどのモンスター焼酎メーカーなのです。

さて新ブランドの「チャミスル」では輸出国別に人気のフルーツを調査し、国ごとの消費者ニーズに合わせた細やかな商品開発を展開しているそうです。

日本はフレーバーのバリエーションが5種類と豊富。加えて2023年新たに投入された日本市場向け商品が、炭酸入りの「チャミスルトクトク」シリーズです。焼酎やウイスキーを炭酸で割って飲むという日本独特の飲酒文化に対応して開発された商品で、アルコール度数もチャミスルより低い5%。ついにチャミスルもサワー市場に参入!しかしながらフレーバーはマスカット、すもも、ざくろの3種類で、日本で一大市場を形成している「レモン」には見向きもしない戦略に同社の独自性を感じます。

マーケティングやプロモーションも秀逸。K-POP、韓流ドラマ、映画といった若者世代に人気のエンタメコンテンツにチャミスルを登場させて短期間で認知度を拡大。他方、SNSではビン内で渦巻きを描かせて下からライトアップさせる「チャミスルトルネード」や、開封後のフタを活用した「チャミスルゲーム」など消費者もショート動画で投稿を楽しめる提案がバズるなど、日本の酒類業界にはない発想力が若者の支持を支えています。これまで韓国カルチャーに関心の高い客層へのアプローチを軸としてきたが、今後はより幅広い消費者層へ拡大すべく新しいチャレンジを準備中とのこと。単なる焼酎アイテムのひとつではなく「JINRO」「チャミスル」というブランドとして飲酒シーンをさらに盛り上げてくれそうです。

2. 韓国外食トレンド編

2-1. 韓国伝統料理

うまいもん通り

最初に訪れたのは、ソウル中心部にある大市場「広蔵市場(クァンジャンシジャン)」内にある「うまいもん通り」。地元の方たちに混じってローカルな韓国屋台料理を体験。山盛りになっているキムチやナムル、グツグツと湯気を立てている韓国風おでんやスンドゥブの大鍋などを間近に食べる屋台グルメは臨場感たっぷり。欧米人観光客もたくさん見かけました。

平日の昼間から老若男女問わず賑わっていて、誰もが焼酎かビールと一緒に食事。あちこちで「乾杯(コンペ)」の掛け声とともに焼酎を飲み干す様子が繰り広げられ、焼酎文化が深く根付いているのを実感しました。

済州(チェジュ)アバン

一日目の夜は韓国グルメの代表的料理、サムギョプサルの繁盛店へ。こちらのお店では済州島産の黒豚を使ったオギョプサル(サムギョプサルより肉厚!)が人気で、厚さ5cmくらいと圧巻のぶ厚いバラ肉を豪快に焼いていきます。コンロは炭火、鉄板ではなく網焼きなど、異なる焼き方のサムギョプサルでした。スタッフが手際良く焼いてくれるあいだ、TERRAビールとチャミスルを飲みながら待ちます。焼いたお肉とコンロのまわりに置かれた薬味と一緒に食べる。豚肉にほとんど味付けされていないのが意外な印象でした。

ナラット

二日目の工場見学の後のランチで訪れたのは、利川の郊外にある郷土料理レストラン。まるで神社仏閣のような荘厳な建物。中は天井の高い開放的な内装です。

料理はカンジャンケジャンや川魚料理が中心。テーブルに置ききれないほど料理が並べられるのも同店の売り。気前良く並べられて食べ残してもOKなのが韓国の風習なのだそうですが、近年はSDGsの観点から見直されるようになってきているとか。

土俗村参鶏湯店(トソクチョンサムゲタン)

韓国滞在最終日のランチは、サムゲタンの有名店。本館と別館合わせて400席の超大箱店ですが、それでも週末は行列ができるほどの人気ぶり。前日のナラットと同様、「韓屋」と呼ばれる韓国の伝統家屋の雰囲気が独特で、非日常気分を高めてくれます。サムゲタンのお値段は日本円で2,000円ほど。半身の鶏肉はとろける柔らかさで、スープも濃厚。薬膳料理らしい爽やかな香りが、二日(三日!?)酔いのカラダにジワ〜っと染み渡りました。

2-2. 繁華街トレンド

満船(マンソン)HOP

初日の夜に訪れた韓国式ビアホールの店です。韓国では生ビールは専門店で良く飲まれているそうです。提供されていたのはハイトジンロ社の主力ビール「TERRA」で、合わせる料理はさつま揚げのような練り物を長い串に刺した韓国風おでん。

壁はレンガ造り風、天井に色とりどりのプラスティックボードを吊して照明をカラフルに彩る工夫が。カジュアルとスタイリッシュのバランスが印象的な内装でした。

マッコリ専門店「ホンテ朝鮮時代」

伝統的な「韓屋」風な内外装で、いかにも韓国伝統酒のお店らしい。客層は国内外の観光客と思いきや、意外に地元の若い男女が大半。どうやら男女の「出会いの場」として知られる店のようで、男性が別グループの女性に声をかける様子がちらほら。極めつけは注文用タブレット端末で、お目当ての異性がいる客席に料理やお酒を「おごる」ことができる機能が(!)。日本にも婚活酒場はありますが、ユニークな仕組みですね。ちなみにタブレット注文できた店は同店くらい。配膳ロボットを見かけることもなく、外食DXについての発見は少なかったです。

ハイトジンロ社製のビールブランド「TERRA」専用の栓抜きが使われていました。 ビールの抜栓時に良い音がなるよう設計されています。日本でも「TERRA」販促品として提供しています。ご興味ある飲食店様は「なんでも酒やカクヤス」へお問い合わせください!

bbq チキン&ビア

コロナ禍に日本上陸した「bbq フライドチキン」のビアバル業態。「ビールとチキン」が韓国では鉄板とのことで同業態はあちこちにありました。内装はバルというよりファストフード店に近く、サクっと飲んで食べる店という印象でした。

カフェ

訪韓団も、ただ飲んだくれているだけではありません(笑)。若者の街として有名なホンデ(弘大)エリアのカフェも視察してきました。大通りは近代的なファッションビルが立ち並びますが、路地に入ると伝統を感じさせる街並みと若者の感性が融合したカフェが立ち並びます。扉の格子模様や梁など昔ながらの「韓屋」の趣を生かしながら北欧風な色使いや家具と組み合わせたセンスの良いお店がたくさんありました。

3. まとめ

現地の広大な工場を目の当たりにして、グローバルカンパニーとしての眞露社のスケールの大きさを体感できたのは大きな収穫でした。またソウル市内の飲食店視察では、どの店に行っても「眞露」「チャミスル」「TERRA」「Kelly」のボトルが置いてありました。いかに同社が韓国の人々に潤いと活気を与えている企業なのかを実感。こうした社会・文化的な背景を知ることができたのは、貴重な学びとなりました。同社の強みであるグローバルなマーケティング力や発信力で、新しい飲酒のムーブメントを起こしてくれそうな予感がします。ぜひ、多くの飲食店様にも眞露社の商品をチェックしてほしいと思います。

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こちらの記事では、若い世代を中心に流行っている「チャミスル」について、特徴やラインナップ、実際に飲んでみた感想を解説しています。専用グラスの紹介もしていますのでぜひご覧ください。

この記事を書いた人

さとう木誉(きよし)

外食ライター
都内在住。繁盛店取材だけでなく経営マネジメントに関する取材活動を中心とする。
「月刊食堂」「外食レストラン新聞」「外食図鑑」といった専門媒体の他、食品商社や外食コンサルタント等の宣伝企画にも携わる。
好きな酒は熱燗。好きなツマミはガリ〆さば。

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