多店舗展開を失敗してしまう原因と成功に導くための対策を紹介

1店舗目や2店舗目の売上が好調となると、オーナーが考えることは「多店舗展開ができないか?」ということです。
複数の店舗を持つことで売上の上限が上がることや、経営効率を上げることができるなどメリットも多々あるのですが、「失敗してしまったら……」という不安を抱えている方も少なくないでしょう。

この記事では、多店舗展開が失敗する理由や成功に導くための対策をご紹介します。
事前にどのようなことで失敗する可能性があるのか、それに対してどのような対策を練るべきかを把握し、多店舗展開を成功させましょう。

多店舗展開が失敗する原因

多店舗展開をするならば、会社の経営が長期間安定していること、従業員やお客様が満足してお店を愛してくれていることを実現させなければいけません。
まずは多店舗展開が失敗する理由についてご紹介します。

1.業態戦略やブランド戦略が不十分

多店舗展開を行う際、陥ってしまいがちなのが「違うブランドで出店しよう!」というオーナーの考え方です。
ラーメン屋を営んでいる人が成功したからといって2店舗目をカフェで展開しようと思っても、ノウハウもなければ人材も一から教育するということになります。
仕入れ先が変わることで、多店舗展開を行うメリットである、仕入れ先からの値引きなども受けられない可能性が高いため、資金が十分にある場合以外は成功したノウハウを活かすことができる同一の業態やブランドを出店することが好ましいでしょう。

2.人材育成が追い付かない

実際に店舗を運営する従業員に、お店のコンセプト経営戦略が伝わっていないことによって、教育が行き届かず経営が失敗してしまうこともあります。
とくに1店舗目にオーナーが店舗スタッフを牽引していて、オペレーションやマニュアルが確立されていないままだとすると、教育に失敗してしまう可能性は高いといえます。
オーナーが1店舗目と同じように2店舗目、3店舗目の経営にすべて携わることは難しいため、人材育成が追い付いていない状態で多店舗展開を行うことは危険です。
主にその店舗を運営する店長や責任者の教育が行き届いていないことが原因となり、多店舗展開に失敗してしまう例も少なくありません。

3.立地が悪い

店舗を展開するうえで立地は重要です。これは、多店舗展開であろうと1店舗目の出店であろうと同じことですが、その地域に合った業態なのか、集客は見込めるのかといったことを数値的、客観的に判断する必要があります。
とくに多店舗展開となると、「この地域に出店してみたかった」という地域で空き物件が見つかったり、店舗を譲渡するという話が舞い込んできたりすることも珍しい話ではありません。
しかし1店舗目が成功しているという事実があることで、立地条件を軽く見てしまい、あまり調査をせずに出店してしまうことなどが失敗の原因となります。

4.経費の増加に対応できない

店舗を経営するには、複数の店舗分だけ人件費や家賃、材料費、水道光熱費などの経費がかかることになります。とくに出店コストをかけすぎてしまったことによって、その後の経営がうまくいかずに店舗を閉店せざるを得なかったというケースも。
店舗を出店するためには多額の費用が必要となりますが、その費用は適正である必要があります。出店費用を多く見積もりすぎても、少なく見積もりすぎても失敗の原因となり得るのです。
また、1店舗目で経営がうまくいっていることを理由に、2店舗目をそれよりも大きな店舗にしてしまうなども、売上と経費のバランスが崩れてしまう原因となります。

多店舗展開を成功に導くための対策

ここまで多店舗展開が失敗してしまう理由をご紹介してきましたが、「多店舗展開をすると失敗する」ということではありません。
冒頭でお伝えしたように、失敗してしまう原因を知り対策を練ることで、多店舗展開を成功させることができるのです。

ここからは、多店舗展開を成功させるための対策をご紹介します。

1.同一の業態、ブランドから展開をはじめる

業態とは商品の売り方を指し、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの種類です。多店舗展開をする場合は、この業態を統一する必要があります。
たとえば、テイクアウト専門店として大成功した1店舗目があったとします。2店舗目を今度はキッチンカーで営業しようと考えると、そこには新たなノウハウや別の角度からの人材育成、仕入れ先とのやりとりなどが発生します。

しかし、同じテイクアウト専門店を展開するのであれば、ノウハウ、人材、仕入れ先といったものを新たに開拓する必要がなく、成功した1店舗目と同じように経営していくことが可能となるのです。
多店舗展開として多くの店舗を展開したいと考えている方は、とくに最初の5店舗ほどは同じ業態、ブランドの店舗を展開していくことで、成功ノウハウを活かした経営が叶います。

2.スタッフ用、経営者用マニュアルを作成しておく

経営者であるオーナーは、経営方針や店舗のコンセプトを当たり前のように理解しているのですが、スタッフや店長候補者への教育が一貫性のないものになってしまうケースがあります。
たとえば、飲食店であれば注文の取り方、注文を取ったあとのオペレーション、料理の運び方など細かいマニュアルも大事ですが、経営方針やコンセプトを理解しているスタッフを多く育成することが非常に重要です。
多店舗展開となると、オーナーがすべてのお客様に接することはもちろん難しいでしょう。そのため自分と同じように売上と顧客満足を両立して考えられる存在が必要となるのです。
店舗のオペレーションだけではなく、経営方針もマニュアル化して教育することで、成功のノウハウを新しい店舗に活かすことができます。

3.ドミナント戦略による出店を検討する

ドミナント戦略とは、同じ業態、同じブランドの店舗を同じエリアに複数出店することです。コンビニやカフェなどで、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか?
ドミナント戦略のメリットは、特定の地域に複数の店舗を展開することで、そのエリア全体が自社の商圏になるということです。
他社が参入しにくくなる状況をつくることで、地域内での認知度が高まり、ブランド力を高めることができます。
求人や物流のコストを抑えることもできるため、多店舗展開を考えている方は、まずドミナント戦略によって同一エリアに数店舗展開していく方法を取るとよいでしょう。

4.出店コストを抑える

店舗を増やすということは、どうしてもその分の経費がかかってしまいます。
初期コストをかけすぎてしまうと、その後コストを回収できずに経営が厳しくなってしまう可能性があるため、出来る限りコストを抑えることや、適正な費用を把握して十分な資金が集まっていない場合は出店を見送ることも必要です。
飲食店の出店にかかる費用は、大体700~1,000万円とされています。費用の内訳や総額でどの程度必要になるか、事前に把握しておきましょう。

飲食店の費用について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
居酒屋の経営にはどの程度の費用がかかる?資金調達の方法についても紹介

多店舗展開を検討するタイミング

多店舗展開を考えている経営者の方は、今経営している店舗の状態によって次に店舗を拡大するかどうかを決断する必要があります。
最後にご紹介するのは、多店舗展開を検討するタイミングについてです。

既存店の運営が安定している

多店舗展開を検討する際、第一に重要となるのは既存店の運営が順調であるということです。ピークタイムに満席になっている、ピーク以外にもお客様の列ができることがあるなど、もう1店舗を展開することで利益を確保できるという確証を得ることが重要です。
既存店が安定して利益を計上できていることも確認し、不安定な新店舗をカバーできる経営体制になっているかが多店舗展開を検討する鍵になります。

自己資金が潤沢にある

店舗を展開する際には多額の費用が必要となるため、融資を受ける必要も出てきますが、融資を受けるためには自己資金が潤沢にある必要があります。
既存店の運営が安定していることも融資を受けるために大事なポイントとなりますが、自己資金が用意できないと金融機関や日本政策金融公庫からの融資は難しいです。
融資を受けることができるのであれば、金融機関から見ても事業が成功すると判断された証しとなります。多店舗展開を検討している方は、自分のお店がどう見えているか、金融機関の方に相談してみるというのも一つの手です。

融資や資金調達について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
飲食店が融資を受けるときの注意点やポイントとは【開業前】
飲食店経営者のための「資金調達の選び方」「おすすめの資金調達方法」
飲食店が融資を受けるために必要な「事業計画書」の書き方とポイント

任せられる従業員が存在する

前述したように、オーナー1人では多店舗すべてを自分の目で見ることは難しいでしょう。1週間のうちに何度かお店を訪れることができたとしても、1店舗目のときのように隅々まで目を行き届かせることができません。
そのため、安心してお店を任せることができる人材を育成する必要があります。店長として、経営者としてのパートナーとなる人物が存在することが、多店舗展開を検討するタイミングとなるでしょう。

まとめ

多店舗展開を失敗させないためには、失敗例を把握して事前に対策を講じておくことが必要です。また、自分のお店が多店舗展開に適しているタイミングなのかをしっかり判断する必要があります。
多店舗展開にはメリットも多く存在します。店舗が安定して存続するためには、多店舗展開によって利益を増やし、コストを下げること、店舗が出店エリアの顧客から認知されることなどが必要となります。

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多店舗展開を考えているオーナー様は、ぜひカクヤスまでお気軽にお問い合わせください。

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