日本酒〝辛口〟座談会【第9回:越乃寒梅 白ラベル・別撰・灑】カクヤス営業スタッフが飲み比べました!

日々、飲食店にアルコール・アイテムを提案しているカクヤス営業スタッフが、取り扱う日本酒を忖度なしで語り合うシリーズ企画。時代の変化により日本各地の日本酒が気軽に楽しめるようになり、女性や若い世代などにも日本酒ファンの裾野が広がってきました。一方で「色々ありすぎて何を飲んだらいいかわからない」という消費者や「色々ありすぎて何を置いたらいいかわからない」と悩む飲食店も多いようです。

そこで飲食店に直接お酒を提案・配達している酒販店カクヤスの営業スタッフが結集し、お勧めポイントや料理との相性を考えました。皆様の銘柄選定、メニューづくりのお役に立てれば幸いです。

今回選んだ3品はこちら

越乃寒梅 白ラベル 越乃寒梅 別撰 越乃寒梅 灑(さい)
メーカー 石本酒造 石本酒造 石本酒造
生産地 新潟県新潟市江南区 新潟県新潟市江南区 新潟県新潟市江南区
原料米 五百万石(新潟県産)他 五百万石(新潟県産)・山田錦(兵庫県三木市染町産)他 五百万石(新潟県産)・山田錦(兵庫県三木市染町産)他
分類 普通酒 吟醸 純米吟醸
精米歩合 58% 55% 55%
アルコール度数 15% 16% 15%
日本酒度 +7 +6 +2

今回の利き酒メンバーのご紹介

上北さん

品川〜浜松町エリア担当。お目当ての日本酒であれば抱き合わせ販売でも買うのをためらわないほど日本酒好き。週末は主に家族でドライブやショッピングモールで過ごすマイホームパパ。

営業部の数値管理などを担当。ワインエキスパートやSAKE DIPLOMAの資格を持つお酒好き。趣味は御朱印集めで、休日は日本各地の神社仏閣を巡りながら、地元のお酒も楽しんで過ごす。集めた御朱印帳は80冊を超える。

滝澤さん

武田さん

新橋エリアを担当して7年のベテラン。日本酒は外で飲むと帰れなくなってしまうので我慢しているそう。週末は地元のラグビーチームに所属する小学5年生と年長のお子様の練習に付き添う。

原宿・表参道エリア担当。料理に合わせてお酒を選ぶタイプ。自宅にバーカウンターがあり、ウイスキーを中心に400種類ものコレクションを有する酒マニア。週末は地方の蒸留所や日本酒の酒蔵巡りに勤しむ。

加藤さん

花房さん

都内リージョナルチェーン部門のマネージャーを務める。和酒専門酒販店に勤めていた経歴も持ち、角打ち業態の立ち上げを経験。日本酒が飲みたくなったら品揃えのユニークな専門酒場で希少銘柄を楽しむ。週末は午前中に掃除・洗濯など家事をこなして、午後はお子さんと公園で遊ぶ家庭的な一面も。

淡麗辛口のレジェンド「越乃寒梅」を改めて

加藤:

今回は新潟の地酒を代表する「越乃寒梅」を飲み比べます。「辛口」「水のように澄んだ味」を「おいしい日本酒の基準」にした1本といっても過言ではありません。

1970〜1980年代の地酒ブームを巻き起こした銘柄としても有名ですね。このたびカクヤスが関東の業務用酒販で初の正規取扱店となったので、改めて越乃寒梅の実力を広めていきたいですね。

滝澤:

武田:

近年の日本酒トレンドから入ってきた若い世代には馴染みが薄いかも。とはいえ最近は、ファッションやカルチャーで昭和レトロ・平成レトロが注目されているから、「淡麗辛口」文化を改めてアピールしても面白いかもしれない。

往年のシニア世代には今も越乃寒梅ブランドは健在ですよ。都内の日本料理店グループに獺祭の代わりに“お試し”として越乃寒梅をおすすめしたところ、越乃寒梅の支持が高くて本採用が決まった事例もあるほど。婚約した時の親同士の顔合わせの席などでは、越乃寒梅が共有の話題となり、それをきっかけに親御さん同士の話が弾むんだそうです。

花房:

上北:

今回取り上げる1本「灑(さい)」は2015年に誕生した新商品。新商品を投入したのは、なんと45年ぶりとか。その後も継続的に新商品を出していますが、時流に流されることなく淡麗辛口の道を追求している。流行は繰り返すところがあるから、越乃寒梅が再びトレンドになる日も近いのかも。

1本目:越乃寒梅 白ラベル

上北:

1本目は越乃寒梅の定番酒「白ラベル」です。香りはよく注意しないと気づかないくらい控えめだし、味も米の甘みやうま味も主張しない。「水のような」という形容詞がピッタリだね。

後味も香りや甘みを残さずドライな印象。「キレがいい酒」のお手本のような味だね。熱燗にすると香りがかすかに開いて、ずっと飲み続けてしまいそう。しっかり温めても味わいも風味もくずれない。造りの良さが伝わってくるな。

加藤:

滝澤:

どんな料理とも合わせられる万能の食中酒ですね。あえて言えば個性を主張するお酒ではないから、食べ物は味のはっきりしたものが欲しくなります。刺身でもいいけど、炭火で焼いた焼き魚やシシャモなどの干物系かな。アテでいえば枝豆や焼きぎんなんなど塩が利いたものと合わせると最高な気がする。

2本目:越乃寒梅 別撰

続いて「別撰」は特定名称でいうと吟醸酒。五百万石と山田錦のブレンドで、山田錦の酸味が利いている印象だね。熱燗でもおいしい吟醸酒なんてそうそうないけど、これは人肌くらいのぬる燗でもおいしいね。

花房:

武田:

吟醸香は意識しないと気づかないくらい控えめ。つい飲み過ぎてしまいそうな危険がある。笑

最初はすっきりしているけど、後味に少し苦みを感じる。鮎やサンマ、ホタルイカなど内臓の苦みも一緒に味わう魚介と合わせたいな。フキノトウやウドといった苦みを楽しむ早春の山菜とも合いそうだ。

加藤:

3本目:灑(さい)

武田:

「灑」は3本の中でもっとも米のうま味を感じられるし、酸も立っている。と言っても近年のトレンドのようなフルーツ感たっぷりな香りや酸味とは一線を画している。濁りのないスッキリ感やキレの良さは新商品でもまったくブレてない。

合わせる料理では、コクのある食べ物を連想した。たとえば天ぷら、シイタケや白子のような旨味の濃いものと合わせたいな。クリームチーズなどとも相性良さそう。

滝澤:

上北:

これは冷やして飲むのがおすすめかな。とはいえベタベタした甘さがないから、常温になってもおいしく飲めるね。

銘柄の選定や、メニュー作成についてなんでも相談できる!

いかがでしたでしょうか。味やブランドが持つキャラクターによって客層や利用シーンが異なる日本酒は、価格だけで判断しづらいところ。カクヤスではエリアごとに専任の営業スタッフがいて、業態や客層を熟知したうえで最適な日本酒をご提案しています。また日本酒の品揃えも拡大中ですので、アルコールメニューにお悩みの飲食店は一度カクヤスに相談してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

さとう木誉(きよし)

外食ライター
都内在住。繁盛店取材だけでなく経営マネジメントに関する取材活動を中心とする。「月刊食堂」「外食レストラン新聞」「外食図鑑」といった専門媒体の他、食品商社や外食コンサルタント等の宣伝企画にも携わる。
好きな酒は熱燗。好きなツマミはガリ〆さば。


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