日本酒〝辛口〟座談会【第7回:純米酒 大納川・天の戸・月の井】カクヤス営業スタッフが飲み比べました!

日々、飲食店にアルコール・アイテムを提案しているカクヤス営業スタッフが、取り扱う日本酒を忖度なしで語り合うシリーズ企画。時代の変化により日本各地の日本酒が気軽に楽しめるようになり、女性や若い世代などにも日本酒ファンの裾野が広がってきました。一方で「色々ありすぎて何を飲んだらいいかわからない」という消費者や「色々ありすぎて何を置いたらいいかわからない」と悩む飲食店も多いようです。

そこで飲食店に直接お酒を提案・配達している酒販店カクヤスの営業スタッフが結集し、お勧めポイントや料理との相性を考えました。皆様の銘柄選定、メニューづくりのお役に立てれば幸いです。

今回選んだ3品はこちら

大納川 純米酒 天の戸 芳泉 月の井 純米酒
メーカー 大納川 浅舞酒造 月の井酒造店
生産地 秋田県横手市大森町 秋田県横手市浅舞 茨城県東茨城郡大洗町
原料米 一般米 めんこいな 出羽燦々
分類 純米酒 純米酒 純米酒
精米歩合 70% 65% 65%
アルコール度 15% 15-16% 16%
日本酒度 +5 +1 +3
酸度 2.0 1.6 1.5

今回の利き酒メンバーのご紹介

大川さん

主にリージョナルチェーンを担当。自宅にはビール、日本酒、ワイン、焼酎…と酒類一式を揃え、愛猫フィズは「お酒にちなんだ名前にしました」というほどのお酒好き。東京農業大学醸造学科出身で在学中には日本酒造りの経験有り。ソムリエの資格も持つ勉強家。この中では天の戸が好み。

広域営業部に転属したばかり。それまではザ・オフィス街である田町・品川・浜松町エリアを担当していた。仕事で飲む機会が多いので家では飲まない派。週末は二日酔いが抜けた夕方ごろから奥様と買い物に出かけるのがいつもの過ごし方。この中では天の戸が好み。

中村さん

進藤さん

横浜エリア担当。以前は飲食業に16年間勤めていた経歴の持ち主。秋田出身だからというわけではないけれど、某居酒屋で毎月開催される「新政まつり」に、欠かさず通うにわか新政ファン。週末は11歳、8歳のお子様を連れて遊びに出かけるマイホームパパ。この中では天の戸が好み。

下北沢エリア担当で〝カクヤスで一番元気な営業マン〟と社内の有名人。お酒は何でも来いなオールマイティで、外で飲んできても帰宅後に焼酎のお茶割りで締めるのが日課。趣味はゴルフにサーフィン、剣道は5段の腕前で少年剣道の大会では審判も務めるほど。この中では天の戸が好み。

久保さん

春山さん

東京でも京王線沿線の市部全域(沿線距離にして約35km!)を担当。ふだん仕事以外ではお酒は飲まないタイプだが「まだ家に帰りたくないなぁ」という日は缶ビール片手に駅前の公園で時間をつぶすことも。若く見えるが20歳と18歳の二人のお子様を持つベテランパパ。この中では天の戸が好み。

もはやスタンダード「純米酒」の力量を検証!

大川:

今回のテーマは純米酒です。10年くらい前まで純米酒って希少でしたが、今や「純米酒が当たり前」というくらいメジャーになりましたよね。

ただ純米酒だけだと商品がありすぎて座談会の特徴が出ない。ということで「安くてうまい、コスパ純米酒」を飲み比べてみようと思います。

中村:

進藤:

カクヤスらしい企画!(笑)。おいしくて有名だけど、高くていつも品薄というブランド品は「どうぞ専門の酒販店で」ってなってしまうけど、価格と味、安定供給のバランスが良い純米酒があるという当社の強みはアピールしたい。

外食業界も食材も酒類も値上げが広がっていてどこも苦しんでいるから、コスパの良い純米酒は提案しやすい。価格を抑えたいけどスーパーで買える大手メーカーはちょっと…というお店にはピッタリな商品ばかりだと思う。

久保:

春山:

日本酒推しの店は品揃えを日々変えていく店が多いけど、一升瓶で2,500円〜3,000円がボリュームゾーン。もう少し安い価格帯になるといっきに選択肢が狭まるから、提案力が強くなるよね。

1本目:大納川 純米酒

大川:

昔からありそうな”ザ・日本酒”の味。正月に親戚の家に挨拶行くと出される酒の味ってこういう味だよね。合わせる食べ物も煮物や魚の塩焼きなど「おばんざい」なもののイメージ。

熟成感を感じる酸味と香り。熱燗にすると鼻に抜ける香りが日本酒好きにはたまらない。グイっと飲んで「クー、うまい!」なんていう昔ながらの飲み方が似合う味だ。

久保:

進藤:

この銘柄の誕生は2018年で、急速に注目が高まってる。「酒蔵再生請負人」の異名を持つ田中文悟さんという方が経営難の酒蔵をテコ入れしたところ、品評会で金賞を取るまでになったらしい。

地酒の純米酒で1,800円という大衆価格も魅力だね。センベロ酒場だけど定番酒に地酒を置きたいというニーズの店とか、地酒がメインだけど熱燗用の手頃な日本酒が見つからない、なんてお店に提案したい。

中村:

2本目:天の戸 芳泉

春山:

この中ではいちばんフルーティーできれいな酸。口当たりも柔らかくてやさしい。飲み過ぎ注意なお酒だね。おだやかでクセがないから刺身もおでんもどんな料理にも合いそう。

純米酒の価格の平均値が2,500〜3,000円ということを考えると、この味で2,000円以下というのはコスパの高さがハンパない!一合700円で売っても500円以上利益がとれちゃう。

進藤:

大川:

もともと手づくり蔵で少量生産。麹づくりも含め手作業を守り続けている。それなのに1,800円という価格で出せるのは驚きだね。

熱燗にしても香りがおだやかで安定感がある。温めても十分おいしいんだけど、冷やで飲んだ方が断然おいしいので冷やでの提供をオススメしたい!

久保:

3本目:月の井 純米酒

中村:

冷やと熱燗で評価が真反対。冷やの時はひねたような香りが自分には苦手だったんだけど、熱燗にしたら香りが開いてうま味ものってきた。

ほんと、熱燗にすると別物だね!2,700円は地酒の価格としては標準的だけど、熱燗推しの実力派って感じがする。

春山:

大川:

最近迎え入れた石川達也さんという杜氏さんは、埼玉の神亀酒造で修業して広島の竹鶴酒造で杜氏をしていた大ベテラン。どちらも熱燗ファンには有名な蔵元で、その実力が存分に発揮されているね。

魚の塩焼きとか炉端焼きなど食事と一緒でもいいかもしれないけど、燻製や生ハムなんかをつまみにちびちび飲むのもいいよね。酒自体に良い意味でのクセがあるんだけど、それが風味に特徴ある食べ物の味わいをふくらませてくれる。

久保:

銘柄の選定や、メニュー作成についてなんでも相談できる!

いかがでしたでしょうか。味やブランドが持つキャラクターによって客層や利用シーンが異なる日本酒は、価格だけで判断しづらいところ。カクヤスではエリアごとに専任の営業スタッフがいて、業態や客層を熟知したうえで最適な日本酒をご提案しています。また日本酒の品揃えも拡大中ですので、アルコールメニューにお悩みの飲食店は一度カクヤスに相談してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

さとう木誉(きよし)

外食ライター
都内在住。繁盛店取材だけでなく経営マネジメントに関する取材活動を中心とする。「月刊食堂」「外食レストラン新聞」「外食図鑑」といった専門媒体の他、食品商社や外食コンサルタント等の宣伝企画にも携わる。
好きな酒は熱燗。好きなツマミはガリ〆さば。


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