コロナ禍の飲食店が生き残るためにオーナーがやるべき6つのメソッド
飲食店にとって厳しい状況
今までは「創業した飲食店の80%が5年以内に潰れる」と言われてきましたが、このコロナ禍によって、飲食店が5年続くことはより厳しくなるのは間違いないでしょう。
帝国データバンクによると、2020年の飲食店の倒産件数は過去最多の780件でした(※1)。また一般社団法人日本フードサービス協会の2020年外食市場の年間動向によると、売上高は昨年比84.9%となり、1994年の調査開始以来、最大の下げ幅となっています(※2)。
(※1)帝国データバンク「飲食店の倒産動向調査(2020年)」
(※2)日本フードサービス協会「 外食産業市場動向調査 令和2年(2020年)年間結果報告」
飲食店が生き残るために必要なことは「経営者の自覚を持つこと」
飲食店オーナーに「あなたの仕事は何ですか?」と聞くと「料理人です」と返ってくることが非常に多いです。美味しい料理を提供してお客様に喜んでもらいたい、という精神は素晴らしいのですが、経営者という意識がなく、料理人気分のままでは大切なお店を手放すことになりかねません。
「以前の7割の売上でも成り立つお店を目指すべき」とさえ言われるようになった昨今、飲食店が生き残るためにやるべきことを6つご紹介いたします。
飲食店がやるべき6つのメソッド
1.時代の流れに合わせてお店も変化(進化)する
かつては、大型宴会需要が取れる50席や100席以上の大バコ居酒屋が全盛という時代が長く続きました。
宴会離れや法人需要の減少という時代の変化と、コロナ禍以降、大人数での会食自粛という追い打ちでとどめを刺されました。平時の売上がトントンでも、忘新年会と歓送迎会など宴会需要の力技で経営が成り立つ、という時代は終わりました。
今後は宴会がなくても毎月コンスタントに売上を作れるお店しか残っていけません。
2.周辺マーケットの再認識&修正
コロナ禍による外食自粛傾向や緊急事態宣言で、飲食店マーケットは大きく変化しました。都心部では長らく一等立地だった繫華街やオフィス街から客足が遠のく一方、郊外立地がこれまで以上に繁盛しているところもあります。
この変化が一時的なものか、恒常的になるかは現時点ではまだ分かりません。高家賃を客数(席数×回転率)でカバーしてきた繫華街立地は、家賃が大幅に下がらない限り、飲食店が手を出すべき物件ではなくなりました。
インバウンド客が戻ってきたら繁華街は盛り返すかも知れませんが、数年間は戻らない可能性があります。またリモートワークが普及して、オフィス街人口が激減したオフィス街立地で、以前の盛況を望むのは難しいでしょう。特に大人数での宴会需要はないものと思うべきです。
客層が明らかに変わった(減った)、席数を持て余すようになった場合は、移転も視野に入れた方が良いかもしれません。
3.自店のコンセプトやポジショニングの再認識&修正
同じように、自店のコンセプトやポジショニングも定期的に見直す必要があります。業態を丸ごと変える必要はなくても、看板メニューやメニュー構成・提供方法・原価率など、細かく調整していくべきです。
とあるイタリア料理店は、移転を機に記念日利用のレストランにコンセプトを変更されました。公式サイトを作り替え、各媒体の打ち出し方もすべて改めました。コース内容を変更して高価格帯のコース中心になりました。
記念日やプロポーズは、お客様にとって特別な日なので不要不急の外食には当たりません。結果、コロナ禍の2020年、客数は減っても客単価が上がり過去最高売上を更新したそうです。
常連客が中高年層に偏っていたお店では、常連客が外食を敬遠して業態を問わず客数が激減しています。一刻も早く客層の若返りが必要です。
4.お店のスタンスに合う新たな一見客(リピーター候補)を受け入れ続ける
これはまた別の機会に詳しく述べる予定ですが、飲食店が思っているよりずっと、お店の存在はお客様に知られていません。リピーターになってもらうべく、新規客に来てもらうことが大事です。もちろん来てくれたら誰でもウェルカムな訳ではありません。あくまでお店のポリシーやコンセプトに合う方だけを受け入れ続けるべきです。
地域によって有効な広告宣伝手段は変わります。アナログなチラシ投函が正解の場合もあります。
無料で使えるSNSを筆頭に、公式サイト、ウェブ媒体などをはじめ、お店の存在を知ってもらう手段は多々あるので、何が自店に合っているのか色々と試してみましょう。
過去10年ほどの間に、豚骨ラーメン⇒味噌ラーメン⇒醤油ラーメンと、居抜きで2回オーナーが入れ替わったラーメン店で、数年振りに来店したお客様が、店舗が変わっていることに食べても気付かず「あれ?味変わった?」なんて例も珍しくありません。
視界に入っていて、もきちんと認識されているわけではない例です。
5.食材ロス削減、効率化を徹底する
大手焼き鳥店の鳥貴族は、「ハート串(たれ、塩)」「骨付まつばのスパイス焼」など人気メニューを含む15種類のメニューの提供を休止しました。これは全メニューの約2割にあたります。経営体力がある大手ですらこれだけ努力をしているのです。
どんぶり勘定になりがちな個人店こそ、メニューを絞り込んで食材ロスの削減を行うべきです。とはいえ、お客様の満足度が下がらないよう「何を残して、何を無くすのか」の取捨選択はくれぐれも慎重に。
6.テイクアウトやデリバリーサービスは正解とは限らないが一通りやってみる
まずはテイクアウトやデリバリーサービスを自店でできないか、上手くいく方法はないか、絶対にやってみるべきです。その上で自店に「合うものはやる、無理なものはやらない」。
思考停止して何もやらないのが一番良くないです。
客単価3,000円、夜営業で日商5万円あった焼鳥店が、同じ売上を600円の弁当だけで作ろうと思うと、84個売る必要があります。ノウハウもない中、専門店のクオリティーが高い弁当と同価格帯で勝負して、大量生産&大量販売は現実的ではないでしょう。いかに客単価を上げて、販売個数が少なくて済む方法を考えるべきです。
営業自粛期間中に、高単価のテイクアウト料理の販売で成功した事例があります。客単価1万円超のとあるフランス料理店では、スタッフが疲弊する割に利益が残らない弁当販売はやりませんでした。代わりに家庭では再現できないメイン料理など、ちょっと贅沢な惣菜セットを5,000円で販売。2カ月間で900食近くを売り切りました。
商圏や販売数量に上限がある以上、お客様に支持される範囲で、いかに高単価のメニューを開発するかが肝要です。結構な手数料を取られるデリバリーサービスは、手数料分を上乗せして販売することで、割高感が出るのは否めません。
単品料理だけでなく、総菜やオードブル盛り合わせなども、3,000円~5,000円程度で販売するべきだと思うのですが、やっているお店は意外と少ないです。
さいごに
飲食店が長く営業を続けていくのが難しい時代です。それでも中には売上UPに成功しているお店もありますので、今後は成功事例をご紹介していきたいと思います。
食材の「ロス削減、効率化」のお話をしましたが、ドリンクメニューの見直しも忘れがちです。飲食店のメニューの中でも高利益率で粗利が取りやすいドリンクメニューですが、忙しい飲食店オーナーはなかなか手が回らない事も多いでしょう。そんな時はエリアごとに専任の営業スタッフがついて飲食店をサポートしている「なんでも酒やカクヤス」にドリンクメニューの組み立てを相談してみてはいかがでしょうか。
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