プレミアムドリンクメニューが秘める6つのチカラと10の条件

外食店での飲用者は家飲みの頻度と同時に飲用量も増やしており、家庭での消費に移行してきていることは、ニュースや新聞で報じられている通りです。特に頻繁に外食を利用していた飲用者は、家庭での飲用頻度も量も増えています。また日本フードサービス協会ホームページ資料から、外食の市場規模は緩やかに回復傾向だったが、コロナショックを契機に減退が予測されます。

一方で、成長が続いていた中食市場は持ち帰りニーズの高まりから成長が加速していくと考えられます。よって外食の需要(客数)減は必至です。外部環境を踏まえて今後は「なんとなく選ばれたお店」から「選ばれるお店」に進化したいところです。

その環境下、今は継続的に「お店の付加価値」「外食でしか提供できない価値」を磨き続け、ますます「お店ならではの価値」を向上させることが必須です。高付加価値プレミアムドリンクをメニューに入れることで「選ばれるお店」と進化し、さらなる売上拡大を実現したいですね。

では具体的にどうすれば高付加価値プレミアムドリンクが作れるのかということを、家飲みとの差別化をするべく、このページではその考え方を説明させていただきます。


プレミアムドリンクメニューがあるとどんなメリットがあるのか

プレミアムドリンクメニューには「集客力」はもちろんのこと、お店の運営上(経済性、効率性その他)にもメリットがあります。しかしプレミアムドリンクメニューは一朝一夕にはつくれません。ではどうしたらよいのでしょうか。

以下の3点に基づきご説明させていただきます。プレミアムドリンクメニューの開発の一助となれば幸いです。

  • プレミアムドリンクメニュー6つのチカラ
  • プレミアムドリンクメニュー10の条件
  • 看板メニューをつくる段取り・育て方

プレミアムドリンクメニュー6つのチカラ

プレミアムドリンクメニューとはなんでしょうか?ここでは「優れた物で評判を得ていて、自慢のネタとなるドリンク」としておきましょう。

チカラその1.集客力

評判となったドリンクであれば誰でも飲みたいと思うのではないでしょうか?近隣ならすぐに行こうと考えますし、遠隔地ならその近所に行ったら必ず飲もうと考えるでしょう。かなり強い魅力を持つメニューであれば、わざわざそのために行こうと考えていただけます。

チカラその2.経済性

プレミアムドリンクメニューの人気が出れば、多くのお客様がそのメニューを注文してくれます。総オーダー数の割合も高くなるということもあるでしょう。仕入れが集約化できるので、材料の大量仕入れで仕入れ価格が安くなる、ロスが少なくなるなどのメリットがあります。

チカラその3.効率性

同じメニューのオーダーが増えれば、作成の手間も調理の手間も細分化することなく、効率が良くなります。時間の節約にもなりそうです。

チカラその4.回転率

作成オペレーションが効率化すれば、お客様へお出しする速度も速くなることが多いようです。その結果お客様が早く飲むことができ、テーブルの回転率が高まるというメリットが生まれます。

チカラその5.象徴化

プレミアムドリンクメニューがあるとお客様の印象が強まり「あの店=あのメニュー」と覚えていただきやすく、お店の存在感を強くしていくことができます。別の表現で言えば「ブランド化を図る」ことができるとも言えます。

チカラその6.差別化

強いプレミアムドリンクメニューがあれば、他の店との違いを容易に創出できます。代替のきかないメニューは高い競争力を持つため、不況にも強くなります。


プレミアムドリンクメニュー10の条件

プレミアムドリンクメニューかどうかは、お客様や外部の方々が決めることで、店自身が自ら胸を張る「自慢のドリンク」とはまた違うものの場合もあります。

ではどんなメニューがプレミアムドリンクメニューとなるのでしょうか。

下記のチェック項目を使って、該当しそうなドリンクを思い浮かべながら確認してみませんか。

チェックその1.わかりやすい

ウンチクは必要ですが、説明なしではまったく理解できないというものは、プレミアムドリンクメニューにはなりにくいと考えられます。プレミアムドリンクメニューはクチコミで広がっていくものです。わかりやすい、説明しやすいものでなければ正確に伝わっていきません。

チェックその2.競合店にはない・店独自の工夫(=付加価値)がある

飲食店のメニューともなると、ちまたに浸透しているようなメニューでは大きな差別性が構築しづらく、店相応の工夫(=付加価値)が必要だと考えられます。ある程度の「ごちそう感」もあったほうがよいでしょう。

チェックその3.大衆価格、手の届く価格である

チェック2のように、付加価値がありながらも大衆的な価格、もしくは手の届く範囲の価格でなくては浸透しません。

チェックその4.やめられない、飽きない/お客様の満足が高い

一度飲んだらもういらないという味ではファンはつくれません。「たまに飲みたくなる」「できればまた飲みたい」という強い欲求を生む力が必要です。そのためには基本の技術+個性が欠かせません。

チェックその5.奇をてらってはならない

個性は重要ですが、あまりに強い差別性を求めるばかりに摩訶不思議な飲み物や、キワモノになっている例も少なくありません。面白いことは重要な要素ですが、不思議になってしまうと疑問視されてしまいます。

チェックその6.こだわりがなくてはならない

プレミアムドリンクメニューにするには相応のこだわりも必要です。ドリンクの基軸になるものです。注ぎ続けて何十年とか、納得いかなくては営業しないとか、他に類を見ない差別性が確立されていることがこだわりにつながっていきます。安易な気持ちではプレミアムドリンクメニューになりえないということです。

チェックその7.ストーリーがある

なぜプレミアムドリンクメニューになったのかという背景があると、お客様の納得を得られたり、印象づけることができます。

チェックその8.見た目の印象も重要

やはりビジュアルは重要です。味覚一本勝負も可能ですが、人が外から受け取る情報量は視覚が最も多く、83%と言われています。見た目にそそられる仕掛けも検討すべきでしょう。

チェックその9.ある程度量がつくれる

例えば1日限定3杯だけ・・・では広く伝わらないですし、「プレミアムドリンク」に当てはまらないでしょう。やはりある程度の量が用意でき、多くの人の要望に応えることが必要です。とはいえこだわりを重視して一定数量以外つくれないとか、売切れてしまうといったことはあるでしょう。

チェックその10.長期間継続して提供できる

昨年のドリンクは●●●で、一昨年は▲▲▲だった・・・では、プレミアムドリンクとはいえないですね。この店のプレミアムドリンクといえば「開店以来こだわりの〇〇〇である」というのが正しいあり方です。


看板メニューをつくる段取り・育て方

プレミアムドリンクメニューのレシピが完成したところで、プレミアムドリンクメニューとして確立するわけではありません。日々お客様の声を大切にしながら、お店独自の技術を最大限に生かして成長させていきましょう。

大切に育て上げていけば、プレミアムドリンクメニューが店を語り、オーナーのことを語るようになります。プレミアムドリンクメニューとはそういうものです。

まずは身の回りのドリンクメニューから考えてみるのもおすすめです。例えばサーバーのビール回路の洗浄、ジョッキの洗浄、うまい!注ぎ方を徹底マスターして、最高の品質で提供する生ビールがプレミアムドリンクメニューになることもあるでしょう。

皆様のお店から、家飲みでは決して実現できない付加価値のあるメニュー、新しい時代のプレミアムドリンクメニューが誕生することを楽しみにしております。

この記事を書いた人

たかぼうさん

学生時代はスポーツに没頭しすぎて、お酒を飲むことは無かった頃が懐かしいと思う今日この頃。今はビールが大好きすぎて尿酸値が気になる日々。しかしそんな尿酸値に怯えることなく、今日もキンキンに冷えたジョッキで生ビールを楽しんでおります。
「乾杯〜!」とジョッキに口をつけたら、半分以上飲むことが私の流儀です!!

普段は営業なのに調達資格を持っております。

  • 一般社団法人日本能率協会 CPP-A級

  ※CPP: Certifled Procurement Professional


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