飲食店を開業するときは資金ゼロでも可能?資金不足のときにおすすめの融資先
新型コロナウイルス感染症の影響によって、大打撃を受けた飲食店業界ですが、徐々に回復してきていることから、新たに飲食店を開業したいと考える方も増えています。
しかし「飲食店を開業したいが自己資金がない……」「できるかぎり資金を抑えて開業したい……」という方もいらっしゃいます。
この記事では、自己資金はゼロでも飲食店を開業できるのか?という疑問に加えて資金不足のときの融資先について詳しくご紹介していきます。
自己資金がないけれど飲食店を開業したい方、できるかぎり資金を抑えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
自己資金ゼロでも飲食店を開業できる?
飲食店を開業したいと考えたときに、気になるのは自己資金がどの程度必要なのか?自己資金がないと開業を諦める必要があるのか?ということです。
まずは、自己資金ゼロでも飲食店を開業できるのか、詳しくご紹介します。
自己資金とは
一般的に自己資金といえるのは以下のような範囲です。
- 銀行に貯蓄してある現金
- 生命保険の解約金
- 退職金
- 親族から贈られた現金
- 相続された現金
- 不動産などを売却して得た現金 など
自己資金とは、出所が明確な現金のみとなるため、通帳未記載の貯金や借金などは自己資金とはなりません。
飲食店の開業にかかる費用
飲食店の開業には、開業資金の他にも運転資金を用意しておく必要があります。
開業資金は家賃によって変動しますが、たとえば20万円の家賃だった場合、保証金や礼金、仲介手数料、前家賃などを合わせて260万円ほどの資金が店舗取得のために必要となります。
また、店舗取得後には運転資金として人件費や毎月の家賃をある程度余裕をもって用意しておく必要があります。
営業が軌道にのるまでの期間が半年以上かかるという店舗もあるため、売上の予定を立てたうえで、その予定に届かない場合も営業を続けていける資金が必要です。
そのため、300万円ほどかかる各工事費や採用費用などの他に、運転資金として家賃の約10ヵ月分を用意しておく必要があります。
開業前に資金として260万円、工事費などが300万円、月20万円の家賃10ヵ月分で200万円と考えると、最低でも760万円ほどの資金が事前に必要ということになります。
飲食店の経営にかかる費用について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 居酒屋の経営にはどの程の度費用がかかる?資金調達の方法についても紹介
自己資金ゼロで開業することは可能?
自己資金がない場合の融資先として信用金庫、民間の銀行、日本政策金融公庫などが挙げられます。
ここまでお話してきたように、飲食店を開業するためには店舗取得の資金と店舗取得後の資金として、700~1,000万円ほどの資金が必要となります。
金融機関から融資を受ける際、一般的には融資を受けるうちの数%は自己資金があることを条件としている場合が多いため、自己資金なしでは融資を受けることが難しくなります。金融機関によって自己資金がどの程度あればよいかという要件を設けているかは異なるため、融資を受ける前に窓口で相談する必要があります。
例えば、日本政策金融公庫の場合、新創業融資制度を利用する条件として「開業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要」とされています。しかし、現在勤めている企業と同じ業種を開業する場合などは自己資金が不要となるケースもあります。
資金不足のときの融資先におすすめの日本政策金融公庫
自己資金がない場合、民間の銀行や信用金庫で融資を受けることは難しいケースが多いため、融資先としては日本政策金融公庫の制度を利用するのがおすすめです。
ここからは日本政策金融公庫の新創業融資制度について詳しくご紹介します。
日本政策金融公庫の新創業融資制度とは
政府系金融機関である日本政策金融公庫が提供する新創業融資制度とは、新たに事業をはじめようとする方や、開業して間もない方に対して、無担保、無保証人で融資してくれるという制度です。
特徴として金利が変動することや、他の融資制度と組み合わせて利用することなどが挙げられます。
日本政策金融公庫のサイト内にある国民生活事業(主要利率一覧表)によると、令和4年6月1日現在の基準利率は2.31~3.00%となっていますが、今後変動していく可能性もあります。
最新の金利はサイトを確認してみるようにしましょう。
また新創業融資制度は、日本政策金融公庫で展開されている他の融資制度と組み合わせて利用する制度です。単体では利用できないため「新規開業資金」「新規活動促進資金」などの融資制度を組み合わせて申し込む必要があります。
出典元:日本政策金融公庫
融資を受けるための要件
創業の要件として「これから新たに事業を始める方」「事業開始後税務申告を2期終えていない方」というものがありますが、これから開業する方にとっては問題とはならないでしょう。
融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)となっていますが、前述したように自己資金の要件があり「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」を確認できることが必要となります。
しかし、「現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める方」「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」に関しては、自己資金がなくても融資が可能となるケースもあります。
自己資金の要件を満たすものとする要件については、詳しく日本政策金融公庫のサイト内に明記されているため確認するようにしましょう。
出典元:「自己資金の要件を満たすものとする要件」日本政策金融公庫
新創業融資制度を利用するメリット
新創業融資制度を利用することで、以下のようなメリットがあります。
- 融資限度額が3,000万円と高額
- 融資の相談や経営に関するアドバイスを受けられる
- 無担保、無保証
- 融資までのスピードが速い
日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用すれば、無担保、無保証で最大3,000万円まで融資を受けられる可能性があります。
また、政府機関として新規開業に対して積極的な融資に取り組んでいることから、企業の成長を重視してくれるという特徴も。
さらに、申し込みをしてから融資が実行されるまでのスピードが速く、1ヵ月ほどで資金が手に入るケースもあるため、素早く開業することができるのもポイントです。
新創業融資制度を利用する際の注意点
新創業融資制度を利用するにあたって、さまざまな書類が必要となります。なかでも創業計画書は融資を受けられるかどうか重要な書類となっていて、しっかり作成する必要があります。
日本政策金融公庫と面談をする際に、創業計画書をもとに事業をどのように展開していくか、どの程度の収益が見込めるかなどをプレゼンテーションすることになります。
そのため書類を漏れなく作成することはもちろん、面談時に現実的な計画をプレゼンテーションできるよう事前に整理しておく必要があるのです。
業務用酒販店なんでも酒やカクヤスでは、これから飲食店をはじめたいと考えている経営者様に対して、資金調達企業をご紹介することができます。
資金調達企業を利用することで、創業計画書の作成、日本政策金融公庫とのやりとりの代行、融資の面談に同席してもらうなど、さまざまなサポートを受けることが可能です。
それらのサポートを受けることによって、融資がスムーズに進むことが多く、金利優遇が効くというケースもあるため、自分でなにもかもやろうとするのではなく、サポート企業に相談することをおすすめします。
資金調達企業の紹介を受けたいなど、こちらからお気軽にご相談ください。
また、融資を受ける際のポイントなど詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 飲食店が融資を受けるときの注意点やポイントとは【開業前】
新規開業資金(新企業育成貸付)との違い
新規開業資金は、新規事業を始める人や、事業開始後おおむね7年以内の人が利用できる融資制度で、融資限度額は7,200万円(うち運転資金は4,800万円)となりますが、原則担保、保証人を必要としています。
さらに、新規開業資金は単体で利用できるのに対して、新創業制度は他の融資制度と組み合わせて利用する必要があることがこの2つの制度の大きな違いです。
新創業融資制度は、新規開業資金の対象者よりも狭く、融資限度額も低くなってしまいますが、担保と保証人が不要であることや、自己資金が不要の要件があることが特徴として挙げられます。
しかし日本政策金融公庫の融資に申し込む際は、申込者が融資制度を指定できるわけではなく、申し込みをした方の状況や創業計画書を見て総合的に判断されます。
また、飲食店を開業する際は補助金や助成金が使用できる場合もあるため、自治体に問い合わせなどを行ってみるのもよいでしょう。
補助金や助成金について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 経営者必読!飲食店が利用できる「補助金」「助成金」とは
まとめ
自己資金がゼロの状態で開業するには、開業に必要なだけ融資を受ける必要があります。まずは、開業にどの程度の資金が必要となるのかを把握することからはじめましょう。
自己資金がない方は、コストを抑えて出店することも視野にいれなければいけません。居抜き物件や中古の設備を使用するなど、さまざまな工夫をすることで開業資金を抑えられます。
自己資金が少ない場合は、政府系金融機関である日本政策金融公庫の新創業制度を使用するのがおすすめです。しかし自分ですべての手続きを行うよりも、資金調達企業に依頼することで融資がスムーズにいくという例も多くあるため、相談してみたいという方はぜひお問合せください。
なんでも酒や「カクヤス」では、資金調達企業のご紹介だけではなく、経営者様のお悩みに対して、物件探しや看板の製作などさまざまなサービスをご紹介することが可能です。
カクヤスの企業ネットワークによって飲食店様を総合的にサポートさせていただくので、飲食店の開業をお考えの方は、ぜひお気軽にお問合せください。
この記事を書いた人
カクヤス編集部
飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
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