飲食店のBGMはどう選ぶ?3つの利用方法・注意点・おすすめBGMを紹介!

人気の飲食店に共通しているのは、おいしい料理、そして卓越した空間演出です。照明や壁紙などのインテリアに加えて、効果的なのがBGM。しかし居心地のよい空間をお客様に提供するには、ただ手持ちの音楽を流せばいいというわけではありません。プライベートで楽しむときとは違い、注意しなければならない点もあります。

さて、どのような方法で導入すればいいのか。イメージ戦略に使える音楽のジャンルと一緒にご紹介しましょう。

飲食店のBGMが重要である2つの理由

BGMが店舗の雰囲気を左右する重要な要素であることは何となくわかっていても、具体的にどんな効果があるのか、考えたことはありますか?その理由をきちんと理解できれば、どう取り入れたらいいかが見えてきます。

音楽は人の心を動かす

音楽を聴いてリラックスしたり、ワクワクしたりした経験は誰にでもありますよね。店舗のBGMも基本は同じ。お客様の心を音楽によって動かすことができるのです。爽やかでゆったりとした曲が流れていたら、たまには贅沢な朝食をとってみようかと思い、重厚なクラシック音楽が流れていたら、ディナーにシャンパンを追加してみたくなるでしょう。店の印象もBGMによって変わります。例えば全国の日本酒が飲めるコンセプトの店で民謡を流せば、“和”のイメージをより強く印象付かせることができたり、ジャズを選べば、“和モダン”な雰囲気をつくりあげることができます。マーケティングという点でも、音楽は理想の店を実現させる重要なツールなのです。

雑音や騒音を遮断してくれる

一方、店舗がプライベート空間と大きく異なる点は、不特定多数の人が集まっているということ。「リラックスしたいのに隣のテーブルの話し声が気になった」「静か過ぎて仕事の重要な話が漏れてしまうと心配になった」という経験をしたことはありませんか?そんなときに役立つのがBGM。音楽を流すことで、不快と思う方の音を遮断することができるのです。これは、2つの音が同時に発生しているときに、同じ周波数同士が打ち消し合うことで、一方の音が聞こえなくなるという「マスキング効果」と呼ばれる現象です。近頃は新型コロナウイルス対策として窓を開けた換気が求められていますが、気になる車の騒音もBGMによって和らげることができます。

飲食店でのBGM利用は著作権に気をつけて!

これもプライベートとの違いですが、飲食店など営利目的のために音楽を使用する際には、著作権がからんできます。通常、店舗でBGMとして流す場合は著作権使用料が発生し、「1年」「1ヵ月」「1回」の使用単位と店舗面積によって算出される額を、一般社団法人日本音楽著作権協会「JASRAC」に支払わなければなりません。例えば、店舗面積500平米以下の一番狭い区分では、年額6,000円、1ヵ月1,200円、もしくは1回2円(すべて税別)となっています。違反をした場合は、最悪10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、法人の場合は3億円以下の罰金におよぶこともあるので注意しましょう。なお、著作者が亡くなって70年が経過し、著作権が消滅している楽曲もあります。また、後で詳しく触れますが、JASRACと契約している音源提供事業者(有線放送など)から提供を受けているときなど、手続きが不要なケースもあります。

飲食店のBGM利用方法3選

それでは具体的にBGMを導入する方法を見ていきます。選曲に加え、先ほど述べた著作権使用料の処理の仕方がポイントとなります。それぞれメリット、デメリットがあるので、比較検討してベストなものを選びましょう。

音楽放送サービス

光回線や衛星ケーブルなどを通して提供されるため、安定した配信が可能なサービスです。利用料は月額5,000円前後で、チューナーなどの設置工事が必要ですがスピーカーから高音質の曲が楽しめます。「U MUSIC」ではLTE通信機能を搭載しているため、光回線や衛星なども必要なく使用することができ、コンテンツも店舗の内装雰囲気や業種・時間帯に合った番組が1,000以上あります。AIも搭載しており、ユーザーの好みを学習してプレイリストが自動で進化するので、自分で選曲することも著作権処理も不要と、大変便利です。

店舗用BGMアプリ

専用アプリをダウンロードして使う、新しいタイプの音楽配信サービスの需要も伸びています。Wi-Fiと端末があれば工事も要らないので、より手軽に導入できます。サービス内容にもよりますが、正規業務用BGMアプリ「OTORAKU -音・楽-」なら月額2,980円(3年割プラン)から。著作権の処理が不要なうえ、プロが選曲したプレイリストのほか、950万曲以上の楽曲から自分でカスタマイズすることもできます。

CD・デジタルダウンロード

音楽にこだわりがある、サービスの利用料を浮かせたいなどの理由から、自分で購入したCDや配信データの楽曲をBGMにするケースもあります。ただ、JASRACなどの音楽著作権管理事業者に申請せずに販売されている音源もあり、知らないうちにトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるので、注意が必要です。自前で導入をするのなら、JASRACと「BGM利用許諾契約」を結んで、著作権関連をクリアにすることを忘れずに。

【イメージ別】飲食店におすすめのBGM

BGMは店のイメージをアップさせますが、選曲を間違えると逆効果になってしまいます。店のタイプやコンセプトに合わせた音楽のジャンルを紹介しましょう。営業時間や季節に応じてBGMを使い分けるのもおすすめです。

気軽なおしゃれさ・楽しさ:アップテンポのジャズ

ポジティブな気分にしてくれるのは、軽くてテンポの速い曲。これがポップスやロックからの選曲になると、お客様のバックグランドや好みによって受ける印象にバラツキが生まれますが、ジャズの場合はインストゥルメンタルの要素が強く、食事や会話を邪魔しません。おしゃれなイメージもありますので、カフェから創作居酒屋、大型レストランまで、幅広く使えます。ランチやアフタヌーンティーの時間ならボサノヴァもいいでしょう。

しっとりした大人のムード:スローテンポのジャズ

大人のムードたっぷりのスローテンポのジャズは、ハイクラスなバーや高級焼肉店などの夜の時間帯がぴったり。しかし、軽いタッチの曲なら時間帯にかかわらず、少しリッチなカフェや老舗の喫茶店でもニーズがあります。高級感を保ちつつもあまり堅苦しくない雰囲気をつくりたい、ドリンク1杯だけでもゆったりとした気分を味わってもらいたいと考えているなら、このジャンルを選べば間違いはありません。女性客にも人気があります。

格調高さ・本格的な雰囲気:クラシック音楽

クラシック音楽は、人をより優雅で、裕福な気分にさせる効果が期待できます。BGMとして使うのならヘビーな曲は避け、弦楽器がメインの曲やピアノ曲など、静かな編成でゆったりしたものを選曲するといいでしょう。高級フレンチレストランなどの客単価を高めに設定した、本格的なメニューが売りの店では、ぜひ取り入れていただきたいジャンルです。インテリアや食器などにもこだわって、ワンランク上の店を演出することができます。

にぎやかなバルの雰囲気:フレンチポップス・シャンソン・フラメンコなど

「ワイン片手に仲間が集う街角の立ち飲みの店」をコンセプトとするバルには、陽気でおしゃれ、かつ気楽に飲食を楽しめる雰囲気を醸し出す音楽がおすすめです。元々バルはヨーロッパが発祥なので、フランスやスペインなどの独特のカルチャーを感じさせる音楽がぴったり。提供する料理の国籍と同じ国の楽曲を選ぶのが定石です。店舗の広さにもよりますが、時間帯や曜日によっては生演奏を取り入れて、イベント性を出すのも一案です。

親しみやすさ・日常感:最新ヒットソング

ファストフード店や定食屋、ラーメン店、価格帯が低めの居酒屋など、より手軽な食事を提供している店は、敷居を低く感じてもらえるように、ヒットソングを流すのが定番です。J-POPやK-POP、洋楽などから、王道のものをチョイスします。常に最新のものをアップデートして流すのが理想ですが、少し面倒なもの。こういう店舗こそ、有線放送や店舗用BGMアプリのシステムをフルに活用して、手間と時間を省くといいでしょう。

レトロな居酒屋の雰囲気:昭和~平成のヒットソング

レトロを売りにしているバーや大衆居酒屋などは、昭和生まれの中年たちだけでなく、その時代を知らない若者層にも人気です。駄菓子などを使ったメニューを提供したり、かつてのアイドルのポスターなどを飾ったりして、当時の気分に浸れる演出が随所に施されていますが、そこで欠かせないのがBGM。店の時代コンセプトに合わせたヒット曲を流すことで、完全に異空間にいるかのような雰囲気を作り出すことができます。

飲食店でBGMを流す際の注意点

BGMの効果や導入の仕方を見てきましたが、もう1点、お客様に与える印象を左右する大切なポイントがあります。それが「音の聴こえ方」。居心地の良い空間にするにはどうしたらいいか、具体的な方法を紹介します。

スピーカーの位置を工夫する

まず、店舗には複数のスピーカーを設置しましょう。1つしかない場合、どうしてもスピーカーの近くでは音量が大きくなってしまい、逆に離れた位置では小さくなってしまいます。これではせっかくBGMを流しても、リラックス効果もマスキング効果も生むことはできません。できれば建築士や音響の専門家からアドバイスをもらって、店内のどの席に座っても適切な音量でBGMが聴こえるように、スピーカーを配置するのがベストです。

顧客目線で音量を調整する

快適に感じられるBGMの音量は、店内の環境やターゲット層によって異なります。バックヤードの食器の音やほかのお客様の話し声が大きく響くような造りであれば、おのずとBGMに期待する音量は高くなるでしょう。また、十代の女子高生、シニアの富裕層など、年齢や所属、男女の違いによっても感じ方は異なります。カウンターや個室など、エリアに合わせて音量を設定しつつ、実際に営業中の客席に座って調整するようにしましょう。

まとめ

BGMの導入について、基本的なポイントを見てきましたが、いかがでしたか? BGMは単なる“お飾り”ではなく、お客様の飲食店での体験をより良いものにする、メニューに匹敵する重要な要素 となります。極端な話、音楽を目当てにしたお客様も獲得できるかもしれません。

音楽といってもさまざまなジャンルがあります。店のマーケティング戦略にそって、ターゲットやイメージに合った楽曲を選び、適切な音量と設備を使って流せば、売上に大きく貢献することは間違いないでしょう。ただし、著作権の許諾や使用料などの処理に関しては、くれぐれも注意が必要です。BGMにそこまで時間がかけられないと感じる場合は、有線放送などの導入を検討してみることをおすすめします。こうしたBGMのサービスが気になる方は、なんでも酒やカクヤスの「飲食店様専用お問い合わせ」からお問い合わせください。飲食店様の手間が省け、売上につながるお役立ち情報を多数ご用意しています。

この記事を書いた人

カクヤス編集部

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