出店戦略に必須なマーケティングフレームワークとは?出店エリアの決め方を詳しく解説

2店舗目を増やしたい方や多店舗展開を検討している経営者の方、新しく飲食店を開業したいと考えている方は、出店戦略を練りマーケティングをしっかり行う必要があります。
それには出店戦略の手順を把握することや、エリアを絞ることなど必要なことが多々ありますが、どこから手を付ければよいかわからないという方も多いですよね。
この記事では、出店戦略の手順とマーケティングフレームワーク、出店エリアの決め方をご紹介します。
店舗を増やしたいけれどどのように出店エリアを決定すべきか悩んでいるという方、新規開業で必要なマーケティングの方法を知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

出店戦略の手順

出店戦略は店舗を開業するにあたって最初に行うべきことで、多店舗展開、増店、新規開業と、状況は違えど実施すべき内容は一緒です。
まずは出店戦略の手順をご紹介します。

運営方針やコンセプトの決定

最初にどのようなお店にするのか、どのような方法で販売するのかを明確にし、業種や業態を確定させます。
大きな店舗なのか小さな店舗なのか、お客様を入れて営業するのかキッチンカーなのかといった基本を確定させていきます。
大枠が決まれば次にやるべきことはコンセプトを決定することです。お店のイメージ、テーマ、客層、大事にすべきことなど、コンセプト設定を開業前に細かくすることで一貫性のある店舗運営が叶います。
店舗に従業員を雇う際も、コンセプトをしっかり理解し共感してくれるスタッフであるかないかによって、お客様に対する接客方法にも差が出てくるのは想像できるのではないでしょうか。

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コンセプトシートの書き方について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
飲食店開業を成功させる!コンセプトシートの書き方・使い方

現状把握

エリアマーケティングを行う上で重要なのは、店舗、会社の現状を把握すること。「人・物・金」といった資源を再確認するとともに、現在店舗を運営している場合は、メインターゲットと実際の顧客層を分析してみましょう。
現在の商圏が適切かどうかを再度確認することも含め、新しく出店しようと考えている商圏が適切かを判断する材料になります。
現状把握は、顧客がどの程度いるのかという漠然とした数値ではなく、顧客一人ひとりの年代、ライフスタイルなど、さまざまな視点から分析していくことで、次にどのような戦略を仕掛けるべきかのヒントになっていきます。
この現状把握を行うことで、どの程度の売上が見込めるのかを判断することができるため、売上や利益の目標額を設定しやすくなります。

目標、戦略設定

現状を把握できたら、目標と戦略を決定していきましょう。毎月どの程度の売上が見込めるのか大まかな数値が把握できるよう、分析したうえで適切な目標数値を設定します。
目標数値の設定は、高すぎると達成が難しく、低すぎると目標の意味がなくなってしまうため、現状把握によって算出された適正数値を参考にしましょう。
目標をある程度定めたら、出店の戦略設定を細かくしていきます。
利益を生み出すことができるメインターゲットが決まれば、そのターゲットに合わせた立地に出店を行う計画が立てられます。

よく行われるのは「ドミナント戦略」といって、同じ地域に同じ店を集中させる経営戦略です。その地域を自分の店で支配するといった意味があり、成功すれば競合店と比べて優位に立つことができるため、戦略の1つとして覚えておくとよいでしょう。
ドミナント戦略で出店を集中したあとは、突然他の地域に出店するなどといった方法をとる企業が多く、ブランドを認知してもらってから幅広く展開していくという手法が一般的です。

出店戦略に使えるマーケティングフレームワークとは

出店戦略を立てるときに、マーケティングフレームワークを覚えておくと、経営者の志向を他者に伝えることが容易になります。
マーケティングフレームワークとは、すでに確立されているマーケティングを行うための思考の枠組みのことで、多くの種類が存在します。
ここからは、その中でも出店戦略に使えるマーケティングフレームワークを4つご紹介します。

3C分析

3C分析では以下のような視点で分析していきます。

  • Customer(市場・顧客)
  • Competitor(他社)
  • Company(自社)

3つの視点で情報を分析し、整理することで市場や競合の状況を踏まえ、自社がどのような価値があるのか、どのような魅力をもっているのかを考えるマーケティングのやり方です。
この3Cでは、第三者の目線で分析することが重要です。自社目線だけではなく、中立な立場から物事を判断することで、自社の立ち位置がわかり出店戦略を立てやすくなります。

4C分析

4C分析では以下のような視点で分析していきます。

  • Customer Value(顧客価値)
  • Cost(顧客の費用・負担)
  • Convenience(顧客の利便性)
  • Communication(顧客対話)

3Cよりも顧客視点で物事を分析するのが4Cです。顧客のニーズを深く分析し、どうしたら商品やサービスを顧客に対してアプローチできるか検討することができます。
自分の店舗に対する顧客視点の考えを分析することで、今後出店する店舗のエリアを選ぶ際に役立ちます。

4P分析

4P分析では以下のような視点で分析していきます。

  • Product(商品・サービス)
  • Price(価格)
  • Promotion(販促・広告)
  • Place(店舗・流通)

3Cや4Cで自社が顧客から求められている理由を把握し、4Pの視点で最良の組み合わせを考慮することで、他社と差別化を図ることができます。
対顧客だけではなく、お店や企業に対しての4Pを考えることで、どのポジションで商売をするか決めておくことも重要です。

SWOT分析

SWOT分析では以下のような視点で分析していきます。

  • Strength(自社の強みや長所などのプラス要因)
  • Weaknes(自社の弱みや短所などのマイナス要因)
  • Opportunity(チャンスになるような事柄などのプラス要因)
  • Threat(自社が不利になるような事柄などのマイナス要因)

内的環境のSWと、外的環境であるOTに事柄を分けて分析していきます。この4つを表に書き出すことで、自社がどのように成功していてどのような要因がマイナスとなっているのかを視覚化することができます。
自社の強みを最大限に活かす方法や、弱みと脅威がどのように重なると危機的な状況になるか、その状況を打破するためにはどうしたらよいかという対策を立てることも可能となるのです。

出店エリアはどう決める?

出店戦略や自社の分析をしっかり行って、いざ出店したいエリアを選ぶ際、どのような手順で決定していけばよいのでしょうか?
ここからは、出店エリアを決める手順をご紹介します。

商圏分析をする

商圏分析は、エリア内のさまざまなデータを集め分析して、出店戦略に役立てる方法です。商圏とはその場所に来店する可能性がある人々が住んでいる範囲で、以下のようなデータを収集します。

  • 人口
  • 年齢層
  • 性別
  • 年収
  • 地域の再開発計画
  • 市場環境 など

商圏を分析するには、商圏分析ソフトを使用したり、無料のツールを使用したりするのがおすすめです。
以下は、無料で使用できるツールの一部です。

これらのツールを使用して、自店のデータを地図上にマッピングしたうえで、エリアの状況を客観的に確認し、そのエリアに出店すべきかどうかを判断することができます。
商圏エリアに見込み客がどの程度住んでいるかを確認することも重要です。商売の可能性を事前に把握し、出店後の集客につなげられるかをチェックしておきましょう。

実際に出店予定地を見て回る

商圏分析を実施したら、実際に出店の予定地を歩いて調査を行いましょう。地図上でどの位置に出店予定エリアがあるかを確認しながら、曜日別、時間帯別でどのように人が流れているかを確認しましょう。
平日と土日祝日にそれぞれ同じ場所を調査し、朝の時間帯、昼の時間帯、夜の時間帯でそれぞれ街を実際に歩いてみましょう。
物件前の道路はとくに念入りに調査する必要があります。人々と同じように歩いてみたり、どこに向かって歩いているかを見たりしながら、実際にお店に立ち寄ってもらえるかを確認します。

競合店調査

実際に出店予定地を見る際、必ず競合店調査を行うようにしましょう。
業種は異なっても同じ飲食店であれば競合となる可能性は大いにあります。自分のお店のコンセプトと全く同じようなお店があるような場合は、とくにサービス内容やメニューの質などをしっかり見極める必要があります。
また、競合店を調査することで、その地域のお客さまがお店をどのように選んでいるかという判断基準を把握することもできます。
この時点では、エリアを再考することも視野に入れながら、競合店調査を実施していきましょう。

まとめ

出店をする際は、多店舗展開、増店、新規開業と、どの形態でも手順は同じです。2店舗目、3店舗目を出店する際はとくに自店の分析をしっかり行い、顧客のニーズに合っているかつ競合店に勝てるエリアを考える必要があります。
商圏内の人口や交通事情、競合店などの調査を行い、出店後の売上が見込めるのかを判断しましょう。
マーケティングフレームワークを活用しながら、自店の分析や顧客の分析を行うことで、経営者だけではなく従業員全員で強みや弱み、それに対する対策を共有することができます。

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この記事を書いた人

カクヤス編集部

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