飲食店の水道光熱費の目安とは?削減するためのポイントを押さえよう

新型コロナ感染症の拡大により、多くの飲食店で売り上げが落ち込んでいる昨今。少しでも利益を上げたいと、日々帳簿とにらめっこしている経営者様も少なくありません。
自店の経営を維持、もしくは立て直すためには、いかに売上を伸ばすかも重要ですが、経費をしっかりと管理することは、利益を上げるうえでもっとも重要であるといえます。
しかし、いざ経費を見直したいと思っても比べる基準がわからないため、「他のお店はどのくらいの経費がかかっているの?」と疑問に感じることもあるでしょう。

そこでこの記事では、飲食店の経営にかかる経費の中でも、とくに気をつけたい「水道光熱費」について詳しく解説していきます。水道光熱費の目安や削減するためのポイントをご紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

飲食店の経営にかかる経費の内訳と水道光熱費の目安について

コロナ禍の今だからこそ、飲食店経営には売上アップよりも経費削減がより重要視されています。毎月さまざまな経費がかかっていますが、その中でも意外と軽視されがちなのが水道光熱費です。
飲食店を新たに開業する場合はもちろん、長年経営されている場合でも、努力次第で削減できる水道光熱費のような経費はできる限り抑える必要があります。

まずは飲食店でかかる経費について解説しながら、水道光熱費の平均や店舗の広さによる目安についてご紹介します。

飲食店でかかるのは固定費と変動費

飲食店でかかる経費は、固定費と変動費に大別できます。
固定費とは、飲食店を経営するうえで毎月必ずかかる支出のことです。具体的には以下のようなもののことをいいます。

飲食店でかかる主な固定費

  • 地代・家賃
  • 減価償却費
  • 支払利息
  • リース料
  • 光熱費の基本料
  • 正社員の人件費
  • 保険料
  • 通信費

固定費は、一度見直せば継続的に支出を減らせるため経営も安定しますが、その反対に固定費が大きいと毎月の支出も自動的に多くなるので、経営が不安定になります。
そのため、経費の削減を行う場合はまずは固定費から見直すのが正解です。

次は、飲食店の経営でかかる変動費についてです。
上述の通り、固定費の削減は重要なことですが、変動費の削減はサービスの質に直結することも多いため、慎重に行う必要があります。

飲食店でかかる主な変動費

  • 食材費
  • パート・アルバイトの人件費
  • 水道光熱費
  • 販促費
  • 消耗品費
  • 修繕費用

変動費は、売上に伴って支払額が変動する経費のことです。闇雲に変動費を削減すると、お客様へのサービスの質が低下してしまうこともあります。
水道光熱費も利用量によって毎月変動しますが、工夫次第ではサービスの質を落とすことなく削減できるでしょう。

飲食店の水道光熱費が変動する理由

変動費の中でもとくに注意したいのが、水道光熱費です。家庭と同様、飲食店においても削減しがいのある費用だといえますが、むやみに削ってはお客様の足が遠のく原因になることも。
まずは、飲食店の水道光熱費が変動する理由である、下記の3つのポイントについて考えてみましょう。

提供している料理の種類

水道光熱費の中でも、水道代とガス代は提供している料理の種類によって異なる場合があります。たとえば、中華やイタリアン、フレンチなどはガス代が、うどんや蕎麦屋、寿司屋などは水道代が多くかかります。

業態

店舗内でお客様に料理を提供するお店では、お客様が滞在して頂く時間がある為、お手洗いを使用することがあったり、食器を洗ったりする必要があるため、水道光熱費が多くかかりますが、テイクアウト専門店やデリバリー専門店では比較的水道光熱費はかかりません。

営業時間や位置

営業時間が夕方以降中心のお店や、地下にあるお店であれば常に照明が必要です。そのため、昼間を中心に営業しているお店や、日当たりのよいお店よりも電気代が高くなる可能性もあります。

飲食店でかかる電気代・ガス代・水道代の平均と目安

一般的に、飲食店の売上の約6〜7割が変動費の目安といわれ、その中で電気やガス、水道にかかる費用は売上の5%以内が目標だといわれています。
飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」が2018年に行ったインターネット調査によると、約6割の飲食店で水道光熱費は売上の5%以下となっており、もっとも多かったのが3%以下、次に4%、5%という回答でした。

とはいえ、上述した通り飲食店は業種と業態によって水道光熱費が多くかかることもあるので、あくまでも目安として考える必要があります。
たとえば、ラーメン店は寸胴鍋に大量の水を入れてスープやチャーシューを長時間にわたって炊くことから、水道光熱費が売上の7〜10%になることも多いです。
これらのことから、飲食店の水道光熱費は、売上の5〜8%程度が平均だといえるでしょう。

また、店舗の広さによっても水道光熱費の具体的な金額は異なります。
売上と水道光熱費のバランスが取れた優良店舗を目指すのであれば、1坪(大体畳2畳分)あたりの売上が月20万円程度の店舗で、月にかかる水道光熱費は1万円程度が目安です。
現在、これまでとは大きく状況が異なるコロナ禍であるため一概にはいえませんが、目安として知っておくとよいでしょう。
出典:「水道光熱費の削減に関する調査」飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)

飲食店の光熱費を削減するためのポイント

競争の激しい飲食業界では、売上が思うように上がらない分は経費を抑えて経営していくことが重要です。固定費の見直しはもちろんですが、毎月の水道光熱費のコストダウンも大切になります。

ここでは、飲食店の光熱費を削減するための具体的なポイントを電気代、ガス代、水道代、全体とそれぞれご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

電気代削減のポイント

飲食店では、業務用の冷蔵庫や空調機器など、電気を大量に使用する設備が多く導入されています。水道光熱費の中でも電気代はもっとも高いといわれていますので、そこを削減できれば大きな節約になるでしょう。
以下は、飲食店の電気代削減のポイントです。

空調設備のメンテナンス・見直し

クーラーなどの空調設備は、定期的にメンテナンスを行い、汚れがたまらないようにすれば電気代を削減できます。しかし、長年使用している古い空調では省エネ性能が低いため、いくらメンテナンスをしても電気代が高くなってしまうことも。 10年以上前の空調を使用している場合は、思い切って入れ替えを検討してみるとよいでしょう。

冷蔵庫の設定温度の見直し

冷蔵庫は季節や設置場所、食材の種類や量によって保たれる温度や適切な温度が変わります。
JIS規格によると、冷蔵庫は4度、冷凍庫は−18度が目標温度となっているので、それを目安に庫内温度を調整してみましょう。
出典:「電気冷蔵庫及び電気冷凍庫のJIS改正について」一般社団法人 日本電気工業会

照明をLEDに変える

飲食店では、店内の明るさやムードを保つためにたくさんの照明器具を使用しています。
通常の電球を使用しているお店も多いですが、LED電球は消費電力が少なく取り替える必要もほとんどないため、長期的にみて電気代の削減に役立つでしょう。
ちなみに、通常の電球をLEDに取り替えた場合、電球1本あたりの消費電力は半分ほどになります。

ピンクの看板が目印の業務用酒販店「なんでも酒やカクヤス」では、LED照明の5年間レンタルなどを行っている企業様と飲食店様をつなぐサポートもいたしております。
レンタル期間終了後のLED照明がそのままお客様の所有物になるなど、お得なサービスのご紹介もできますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

水道代削減のポイント

飲食店では、調理だけでなく洗い場や手洗いなどで水道を頻繁に使います。飲食店にとっては、水道代をいかにうまく削減するかも変動費を抑えるために重要なことです。
以下は、飲食店の水道代削減のポイントです。

水道・下水道料金が減免されるかチェック

飲食店の業種によっては、水道代が減免されることもあるので、自店が当てはまるかチェックしてみましょう。
減免される業種や基準は地域によって異なりますが、東京都では以下が減免の対象です。

  • パン製造小売業
  • そば店
  • 中華そば店
  • 民生食堂・大衆食堂
  • 大衆すし店 など

上記の対象業種に当てはまる場合、所定の申請書に記入し、受持の営業所へ郵送または持参すると水道・下水道料金が減免される可能性があります。
減免内容は、1月あたり51㎥から200㎥までの水量1㎥につき5円を乗じて得た額に、100分の108を乗じて得た料金です。受付後、水道局職員が現場調査に来ることもありますが、該当する店舗はぜひ申請してみてください。
出典:「水道料金・下水道料金の減免のお手続き(23区)」東京都水道局

節水設備の導入

業務用食洗機や、節水コマなどの節水設備を導入するのも節水対策になります。
業務用食洗機は、作業効率のアップや人件費削減効果があるのでおすすめです。ただし、導入には新品で30万円以上かかる場合もありますので、初期費用を抑えたい場合は中古での購入も検討しましょう。

もうひとつ、手軽に節水できるアイテムとして、節水コマを使用するのもひとつの方法です。
節水コマとは、蛇口の内部に取り付けたコマが流れ出る水の量を調整することで、節水するものです。取り付けるだけで手間もかからないので、ぜひ導入してみてください。

また、水道代の値上げや水の使い方が変わっていないにもかかわらず、急激に請求金額が上がった場合は、水漏れの可能性も考えられます。

使用する水の量を減らす

つけ置き洗いを徹底する、油汚れを広げない、汚れが少ないお皿から洗うなどの節水対策は、家庭でもよく行われますが、飲食店でも有効です。
また、うどんやパスタなどの茹で汁にはデンプンが含まれているため、食器の汚れを落としやすくなります。洗い物に使用する水の量を減らすことで節水につながるので、ぜひ試してみてください。

ガス代削減のポイント

ガス代は、電気代の次に高いといわれています。調理で火を使う飲食店にとって、ガス代の削減は水道光熱費を抑えるためにも重要なことです。
以下は、飲食店のガス代削減のポイントです。

契約会社の見直し

ガスには都市ガスとプロパンガスの2種類があり、飲食店の多くはプロパンガスを使用しています。なぜなら、都市ガスの方が料金は安くなりますが、火力が強いことや好きな場所でガスを使用できることなど、飲食店にとってメリットが多いからです。
プロパンガスは取り扱っている会社も多く、プランなどもそれぞれ異なっているため、他社の料金やメンテナンスなどのサービス内容を比較して見直してみると、自店に最適な選択ができるでしょう。
店舗を賃貸している場合には、オーナーさんや管理会社がガス会社を設定している場合もありますので、変更可能かどうかも併せてご確認ください。

熱伝導率の高い料理器具を使う

火をたくさん使う飲食店では、ガス給湯器やガスコンロなど、ガスを使用する厨房機器がフル稼働しています。とくに中華料理などを提供するお店では、火力の強いガスコンロは必須です。
そのような場合、熱伝導率の高い調理器具を使用して調理に合わせた火加減を意識することで、ガスの使用量が抑えられて長期的な節約につながるので、ぜひ参考にしてみてください。

水道光熱費全体を削減するためのポイント

ここまで電気代とガス代、水道代を削減するポイントをそれぞれご紹介してきましたが、水道光熱費を削減するためにできることはまだまだあります。
以下は、水道光熱費全体を削減するためのポイントです。

  • 水道光熱費の見える化
  • 営業時間の見直し
  • プロに相談する

飲食店では、1日の中でお客様が少ないアイドルタイムがあります。アイドルタイムであっても営業していればエアコンや照明などはつけていないといけません。
もしもランチタイムが終わってしばらくお客様が入らない時間帯があるならば、休憩にしてしまうなど営業時間の見直しをするのもおすすめです。

また、毎月の水道光熱費がどのくらいかかっているのかを日頃からスタッフに周知するために、数字にして見せることも重要です。
毎月の水道光熱費の目標を設定して発表したり、スタッフに節約方法を考えてもらったりなど、スタッフの意識を高めるようにしましょう。
飲食店を経営されている方の中には、自店の水道光熱費が経費のどのくらいの割合を占めるのか把握していない方がおられるのも事実です。
漠然と水道光熱費を削減したいと思っている方は、プロの手を借りるのもひとつの方法だといえるでしょう。

「なんでも酒やカクヤス」では、長期にわたり店舗運営に寄り添ってきた企業様と、コストを削減したい飲食店様をつなぐサポートを行っております。
電気代や水道代などの経費削減が見込めるサービスを検討したい飲食店経営者様は、まずはお問合せフォームからお気軽にお問合わせください。

まとめ

水道光熱費の目安や削減するためのポイントをご紹介しました。
飲食店の水道光熱費は、売上の5〜8%程度が平均ですが、個人経営の場合は3%程度で済むことも多いようです。店舗の規模や業種によっては、それよりもさらに高くなる傾向にあります。
コロナ禍で売り上げをアップさせるのが厳しい今だからこそ、飲食店にとって水道光熱費を抑えることは重要です。
環境保護やエコなどの観点からみても、水道光熱費の削減は重要となりますので、何からはじめたらよいかわからないという飲食店様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

カクヤス編集部

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