異物混入対策を徹底せよ!飲食店で今すぐ行うべき5つの対策と起こったときの対処法

髪の毛や虫、プラスチック片などの混入は、飲食店において頻度の高いトラブルです。
提供した料理や飲み物に異物が混入してしまうと、お客様に精神的なショックを与えてしまうだけでなく、お店の評判も落としかねません。とくにSNSなどでインターネットを通じて情報が拡散されやすい現代においては、あっという間に拡散してしまう可能性もあります。

飲食店で異物をわざとお客様の料理に入れることはあり得ないことですし、それが確実にお店の責任で混入したとは限りません。しかし、飲食店の異物混入は生産者が責任を問われることも多いため、なんとか防ごうと四苦八苦している経営者の方も多いのではないでしょうか。
人の手で調理をした料理がテーブルへ運ばれる飲食店で、異物混入を確実になくすことは難しいですが、日常的に対策しておくことでその可能性を低くすることはできます。

そこでこの記事では、飲食店における代表的な異物と混入する原因、今すぐに行うべき5つの異物混入対策、飲食店で異物混入が起きたときの対処法について解説します。飲食店を経営されている方で、異物混入対策について知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

飲食店における代表的な異物と混入する原因

近年、ニュースなどで食品への異物混入が取り上げられることも多くなり、飲食店を利用されるお客様もより敏感になりつつあります。お店側としては、十分に気をつけているにもかかわらず起こってしまうため、頭を悩ませている経営者の方も多いようです。

では、そもそも飲食店で料理や飲み物に異物が混入してしまう原因には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、飲食店における代表的な異物と混入する原因についてご紹介します。

飲食店における代表的な異物とは

飲食店における異物とは、本来その食品の中にあってはならないもののことをいいます。飲食店では、とくに以下のような異物が混入しやすいようです。

  • 毛髪や体毛
  • 歯や銀歯などの歯の詰め物
  • 爪、付け爪
  • 絆創膏
  • 魚の骨
  • 針金やホチキスの針などの金属片
  • プラスチックやビニールフィルム
  • ガラスや陶器のかけら
  • 紙くずや繊維くず など

異物混入でもっとも多いのは、5cm未満の短い毛です。毛髪は一日に50〜70本以上抜けるといわれているため、きちんと対策しなければ料理に混入する可能性が高まります。

驚くべきことに、人の体に関わるものが混入していたケースでは、歯や爪などが入っていたという話も。飲食店で注文した料理を食べている最中に、もしも人の歯が混入していたとしたら、お客様にかなりの精神的ショックを与えてしまうでしょう。
他にも、調理中に食材が入っていた袋の切れ端や野菜に付着していた小さな虫が混入するケースや、スタッフが身につけていたものが取れて料理に入ってしまうケースもあります。

このように、飲食店ではさまざまな異物が混入する恐れがあるため、しっかりと対策しておくことが重要なのです。

飲食店で異物が混入する原因

以下は、飲食店で異物が混入する原因の例です。

  • 食材を仕入れた時点で異物が混入している
  • 食材食品がむき出しになっている
  • 従業員の衛生対策が不十分
  • 作業現場の衛生対策が不十分

飲食店では、食品を仕入れた時点から異物混入の可能性がつきまといます。

具体的には食材を仕入れた際の段ボールに虫や虫の卵が付着していた、食材の保管場所や調理場所の衛生対策がきちんと行われていない、従業員の身だしなみが整っていない、事故防止意識の欠如など調理する以前の過程に問題があるかもしれません。

また、調理に使用している道具や環境が整っていないなどの可能性もあります。具体的には、計量器具や包丁などの調理器具の破損に気づかない、窓やドアを開けっぱなしで調理している、グリストラップ(油脂分離阻集器)の清掃を怠っているなどの行為が異物混入の原因になるでしょう。

今すぐに行うべき5つの異物混入対策

飲食店を経営していれば、避けて通れないのが異物混入です。しかしいくら100%避けられないとはいえ、致命的なクレームになる恐れもあるため、少しでも異物が混入する可能性を少なくしておかなければいけません。

異物混入を発生させないためにも、日常的に予防を徹底するようにしましょう。ここでは、飲食店で今すぐに行うべき5つの異物混入対策をご紹介します。

食材受け入れ時の対策を徹底

飲食店の異物混入は、食材を受け入れる時点から対策しなければいけません。以下は、食材由来の異物混入を予防する対策の例です。

  • 新鮮で安全な食材を仕入れており、食材を丁寧に扱っている取引先を選ぶ
  • 食材の検品、保管、調理は別の場所で行う
  • 食材の検品時に目視で異物の付着や混入がないか確認する

野菜などを段ボールで仕入れている場合、段ボールに虫がついている可能性もあるため厨房へ持ち込まないことが重要です。
また、袋などの外装に痛みや破れがある場合も、異物混入の可能性を考慮して使用しないようにしましょう。

プロダクトゾーンを特定する

プロダクトゾーンとは、アメリカのパン協会の異物混入対策ガイドラインの中で使用されていることで広まった用語です。「食材食品がむき出しになっているところ」という意味で、その周囲に異物があれば、食品に混入する可能性があります。

一般的に食品工場などで用いられることの多い用語ですが、飲食店では厨房のほとんどがプロダクトゾーンに該当するといっても過言ではないため、参考にすべきところは多いはずです。

具体的には、厨房の図面上にそこで行われている工程を書き込んでいき、実際に混入した異物がどこで入ったのかを考えていきます。すると、とくに異物混入の頻度が高い工程を把握できるので、おのずと注意すべき箇所が絞られてくるでしょう。

使用する器具を変更する

鍋やレードル、マッシャーやスライサーなどの調理器具は、使用するうちに劣化していつの間にかネジやビスが脱落してしまうこともあります。

そのため、調理に使用する器具はできるだけネジやビスを使用せず溶接加工しているステンレスのものを使用し、異物混入を防ぎましょう。とくに使用頻度の高いものは、劣化や破損に十分注意します。

また、食器類はヒビなどが入っていないか頻繁に確認することも重要です。少しでもヒビが入っているものは処分しましょう。

従業員の衛生対策の徹底

飲食店でもっとも多い異物混入トラブルは、毛髪によるものです。
髪の毛の混入を防ぐためにも、スタッフ全員に帽子やバンダナ、衛生キャップなどの着用を義務付けましょう。また、帽子などを着用する前には、髪の毛をクシでとかし、ヘアゴムで束ねておくことも重要です。

ユニフォームからの異物混入を防ぐためにも、手洗い場などに粘着ローラーを常備し、業務開始前や休憩終わりなどのタイミングで、ユニフォームについている異物を取り除くようトレーニングしましょう。

他にも、髪の毛やユニフォームの清潔を保つだけでなく、勤務中のアクセサリー着用や絆創膏の禁止などの対策も忘れず行いましょう。

備品などの保管方法を改善する

異物混入を防ぐには、厨房にあってはいけないものを決め、備品などの保管方法を従業員に徹底することが重要です。
とくに厨房に持ち込まれてから時間が経過した備品は、破損する可能性も高いうえに破損したことにも気づきにくいと考えられます。たとえば、プラスチック製のボールペンや清掃用具などです。

基本的に調理に関係のないものは厨房に持ち込まないことが重要ですが、メモをすることもあるかもしれませんし、清掃は異物を混入させないためにも省くことはできません。ボールペンや清掃用具などは使用したら必ずその都度決められた保管場所へ戻すよう指導するなど、保管方法にも注意するようにしましょう。

保管場所は誰が見ても分かりやすい場所で収納しやすいよう工夫し、備品にはラベルを貼っておくと、万が一紛失した際にもなくなったことに気づきやすくなるのでおすすめです。

飲食店で異物混入が起きたときの対処法

上記でご紹介した対策を行っても、100%異物混入を防げるわけではありません。そのため、異物混入対策を行っているからといって安心せず、万が一発生してしまったときにすぐ対応できるような体制を整えておきましょう。

基本的に、飲食店で異物混入が起こった場合、必ず店長や衛生管理責任者など、アルバイトスタッフではない責任のある従業員が対応することが重要です。

そのうえでまずは誠心誠意謝罪をし、その後の対応についてお客様にお話しします。
謝罪後すぐに新しい料理を提供して対応しますが、虫や髪の毛などが混入していた場合、料理を作り直すことやお詫びのサービスを提案しても、お客様に受け入れていただけないかもしれません。

その場合は丁重な謝罪とともに、食事代を受け取らないことでご納得していただくのもひとつの方法でしょう。その際は、お客さまの体調の変化に対するケアも忘れてはいけません。場合によっては病院へ行くことを勧め、治療費を負担するなどの対応も行います。

また、何が混入したのかわからない場合は、きちんと調査をしたうえでお客様へご連絡し、改めて謝罪するようにしましょう。

まとめ

飲食店における代表的な異物と混入する原因、今すぐに行うべき5つの異物混入対策、飲食店で異物混入が起きたときの対処法について解説しました。

飲食店においてもっとも身近なトラブルともいえる「異物混入」。混入したものによっては、お客様の健康にまで危害が及ぶ可能性もあるため、決して起こしてはいけないという考えのもと、普段から対策を行っておかなければいけません。
お客様に快適にお食事を楽しんでいただけるよう、異物混入に対する万全な対策を行い、万が一起こってしまった場合には、二度と起こさないために改めて対策するようにしましょう。

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この記事を書いた人

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