飲食店のドリンク原価率について徹底解説|FD比率・価格設定・販売強化

お店の原価率が予想以上に高い場合、原価率を下げる対策が急務です。原価率ダウンを効率良く実現するためには、一般的に原価率が低いアルコール類の販売強化が有効といわれています。

また、店舗の利益率を上げるためには、FD比率やドリンクの価格設定も重要です。そこで今回は、アルコール類の販売強化が原価率ダウンに効果的である理由、FD比率の重要性や価格設定の方法を解説します。併せて、ドリンクメニュー作成の労力を軽減する方法も紹介します。

今日から積極的に原価率ダウンに取り組める内容です。ぜひご一読のうえ、利益率の高い店舗運営にお役立てください。

飲食店のドリンクメニューの重要性

飲食店で原価率を下げてより利益を確保する方法は、いくつもあります。例えば、値上げ・材料使用量の再考・仕入れ先の変更・食材ロス対策・クーポンの再考などがあります。
特におすすめなのが、アルコール類の販売強化による原価率ダウンです。ほかの方法と比較して実行しやすく効果が得やすいので、繁忙期でも取り組めます。

以下、原価率におけるアルコールドリンクメニューの重要性を解説します。

食品に比べてロスが少なくおすすめしやすい

ドリンクメニューは食品に比べてロスが発生しにくいのが大きなメリットです。ビール・日本酒など消費期限の管理が必要なアイテムもありますが、ほとんどの場合、少量からの仕入れが可能なため、在庫管理も難しくありません。
同じ店舗内で、スタッフの知識・スキルの差に悩んでいる飲食店関係者も多いでしょう。アルコール類はフードメニューに比べてスキルが未熟なスタッフでもおすすめしやすく、販売を強化しやすい点も大きなメリットです。

アルコールは原価が低く原価率ダウンに結びつきやすい

アルコールドリンクはフードメニューに比べて原価率が低い傾向にあります。売上を強化してアルコール類の売上シェアをアップすれば、お店全体の原価率ダウンに直結します。

「飲食店においてはビール以外のお酒(ワイン、日本酒、焼酎)や割り材(水、お茶、レモン、炭酸水、氷)などは利益率が高いです。そのため、これらのお酒や割り材でしっかりと利益を確保することが大事になります。」
(なんでも酒やカクヤス担当者より)

フードは、メニューによってお客様に出すまでにある程度の時間・労力がかかります。一方、ドリンクは基本的にスタッフ1人で短い時間で対応できるため、人件費面でのコストダウンにもつながります。
アルコールドリンクの売上強化による効果が出た場合、ミーティングで「アルコールの売上強化で原価率がこれだけ改善しました」などの情報共有をスピーディーに行なえば、店舗スタッフのモチベーションアップにもつながるでしょう。

ドリンクメニューにおける原価率の違い|FD比率の重要性

一言でドリンクメニューと言っても、ドリンクの種類によって原価率が大きく異なります。例えば、ビールであれば1杯200円前後の原価がかかり、原価率に直すと30%前後が一般的です。一方、ハイボールやサワー系の場合、1杯50円前後と原価率が低いため、1杯当たりの利益率が高くなります。
安い原価率のドリンクを看板メニューにし、お客様を集客するのも1つの手です。流行している飲食店では、ドリンクの原価率を考慮してイベントやメニューが立案されています。

なお、ドリンクメニューで最も原価率が低いのはソフトドリンクです。コーヒーやジュースの原価率は5〜10%と低いため、利益率はかなり高いと言えます。

FD比率を理解して目標設定を定める

飲食店で利益を上げるためには、FD比率を理解して目標設定を定めることが重要です。FD比率とは、売上に対するFood(料理)とDrink(ドリンク)の比率のことを意味します。
飲食店において利益率が高いのは、言わずもがなフードではなくドリンクです。また、ドリンクは提供までのスピードが早く、オペレーションもシンプルかつ簡単です。

さらに廃棄リスクが食材に比べて低いため、飲食店の業態にもよりますが、ドリンク比率を高めることが利益の向上につながります。業態ごとのFD比率の目安については、以下をご確認ください。

  • テーブルレストラン F80%:D20%
  • 居酒屋 F60%:D40%
  • カフェやバー F20%:D80%

客層や店舗の運営方針によっても異なりますが、これら数値を踏まえて自店舗のFD比率を設定しましょう。

飲食店のドリンクメニューにおける価格設定

ドリンクメニューの価格を設定する場合、何らかの基準に則って定めるのが基本です。価格設定の具体的な方法は、主に以下の3パターンが挙げられます。

  1. 原価をもとに設定する
  2. 店舗スタイルをもとに設定する
  3. 客単価をもとに設定する

それぞれの方法を1つずつ解説します。

1.原価をもとに設定する

原価をもとに設定する方法が最もオーソドックスです。ドリンクに対する利益率をコントロールできるほか、各種ドリンクの原価を確認するだけなので、単純でわかりやすいという利点があります。

例えば、原価200円のドリンクを原価率20%で販売したい場合、ドリンクの価格設定は1,000円となります。原価500円のドリンクであれば2,500円、原価1,000円であれば5,000円といったように、非常にわかりやすいのがポイントです。

しかし、すべてのドリンクをこの基準で設定してしまうと、原価が高ければその分提供価格が高くなってしまい、注文されづらくなるというデメリットもあります。そのため、原価をもとに設定する場合でも、原価が高いドリンクの際は別の方法を考慮しましょう。

2.店舗スタイルをもとに設定する

店舗スタイルをもとに価格設定するのも1つの方法です。店舗スタイルに合わせて価格を設定すれば、ターゲット層とのバランスを保つことができます。
例えば、高級レストランであれば原価が低くても少し高めに設定し、大衆居酒屋であれば原価が高くても価格を少し控えめにします。
このように店舗スタイルをもとに価格を設定すれば、ターゲット層にも納得してもらいやすくなり、顧客満足度の向上に期待が持てます。
しかし、店舗スタイルだけを重視すると原価率が高くなり、利益に結びづらくなる可能性があるため注意が必要です。

3.客単価をもとに設定する

3つ目は、客単価をもとに設定する方法です。この方法でドリンクの価格を定められれば、売上目標との乖離が生じづらくなります。
例えば、客単価3,000円を見込んでいる店舗で、注文内容がビール3杯と料理3品だとすると、ビールの合計金額の目安は1,500円であり、1杯あたりおよそ500円と算出可能です。
FD比率を考慮し、お客様の注文情報があればあるほど、ドリンクの適正価格を算出しやすくなります。

ただし、あくまで客単価の予想をもとに設定をするため、利益率が低くなってしまう、もしくは原価に対して価格が高くなりすぎてしまう恐れがあります。また、ドリンクメニューに対して1つずつ設定する必要があるため、価格設定の手間がかかってしまうのも難点です。

アルコール販売強化のポイント

アルコールの売上をアップさせるための施策を解説していきます。

お客様の動きを見逃さない

ドリンクのオーダーやおかわりの要望があるお客様は、スタッフを目で探したり手をあげたりするなど、なんらかのサインを送っているはずです。お客様のオーダーのタイミングやおかわりのタイミングを見逃さないようにしましょう。
サインや合図になかなか気付いてもらえないと、お客様のオーダー・おかわりに対するテンションが下がってしまいます。お店に対する印象が悪くなるリスクもあるため、お客様の「飲みたいタイミング」を逃さない接客の姿勢が大切です。

季節感やトレンドに合わせてメニューをアップデートする

定番メニューは手堅くオーダーが入ります。グランドメニュー以外に、「期間限定」「季節のフェア」などの差し込みメニュー・POPを作成すれば、売上アップが期待できます。
メニューに季節感・トレンドを積極的に取り入れるとお客様に興味を持ってもらえるため、「こちらも頼んでみたい」という気分にさせることができるでしょう。
フードメニューに季節感・トレンドを反映させると手間がかかり、食材ロスのリスクも避けられません。原価率に悪影響が出るおそれもあります。しかし、ドリンクなら気軽に季節感や流行を反映できるはずです。

見やすく、おすすめしやすいメニューを作成する

ドリンクメニューはお店のコンセプトに合ったデザインで、お客様に見やすくスタッフがおすすめしやすいよう工夫します。
各ドリンクの情報が少なすぎるのはNGですが、多すぎてもいけません。ドリンク情報に過不足がなく、お客様が「飲んでみたい!」という気持ちになるメニューを作成しましょう。

メニューのアップデートやメニュー作成はどうするのが良い?

メニューのアップデートや作成には、時間とセンスが必要です。店舗運営で忙しいなかでも効率良くドリンクメニューが作成できる方法を解説します。

取引先の提案・アドバイスを参考にする

ドリンクの仕入れ先に提案やアドバイスを求めてみましょう。エリア特性・トレンドに詳しい営業スタッフなら、売上効果に結びつきやすい的確な提案ができます。情報収集活動をしなくても、地域・流行に関して最新情報が手に入るメリットもあります。

飲食店業界のトレンドを公開している会社もある

業務用酒販業界で売上No.1のなんでも酒やカクヤスは、月間ベースの出荷数ランキングを会員限定で公開しています。最新のトレンドデータを把握でき、ドリンクメニューの改善に活かせるはずです。

料飲店様への出荷数ランキング

料飲店様への出荷数ランキング

ドリンクの売れ筋は、エリアや業態ごとで傾向が異なります。「22エリア」「9業態」「16種類のお酒」別に毎月発表されるランキングでは、全3,168パターンの出荷数トップ10情報が把握できます。

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なんでも酒やカクヤスならメニュー作成も無料でお願いできる

インターネット上で探せば、無料で利用できるメニュー作成用のテンプレートがたくさんあります。ただし、店舗運営の合間にメニューを作成するのは負担がかかります。

なんでも酒やカクヤスと取り引きがあれば、ドリンクメニューの作成が無料でお願いできます。グランドメニューの作成・リニューアルはもちろん、季節のおすすめ・期間限定フェアなどの差し込みメニューも依頼可能です。
「メニュー作成」専属デザイナーがお店のコンセプトに合わせてメニューを作成、サイズや紙質が選べてラミネート加工までお願いできるため、メニュー作成に悩む必要がありません。安心して店舗運営に専念できるでしょう。

実際に、ドリンクメニューの無料作成を行った飲食店様からも様々なお言葉をいただいています。

飲食店様からの声  そば処 三田庵様

  • おすすめ日本酒などは目を引く形でアピールできる
  • 店のおすすめ日本酒について、お客さんとの話のネタになる(なんで〇〇県のお酒を推してるの~?など)
  • 時間がない時でもおすすめを聞かれたらバイトさんでも提案しやすい
  • お店としては、自分で季節ごとに作る手間がいらないのですごくラク
  • おすすめの日本酒を目的に来てくれる方がいるのでリピートにつながる

取材協力:そば処 三田庵様

飲食店様からの声  ビーフラボ様

  • 自分たち素人がつくるメニューやメーカーが作るメニューと違い、お店の雰囲気にあったクオリティの高いメニューを作成してもらえた
  • 視覚で注文意欲がわく写真入りのメニューを作成してもらえ、特に女性客の注文杯数が上がった
  • 細かい要望に応えてもらえ、詳細を記載してもらえたので、ホールのオペレーションが楽になった
  • お酒を扱っている会社なだけあって知識があるので、こちらの意図を感じ取ってくれて要望以上の提案をしてもらえた
  • 特におすすめのフードメニューと合うワインのメニューは相乗効果でオーダーが増えた

取材協力:ビーフラボ様

なんでも酒やカクヤスのドリンクメニュー無料作成の詳細は以下で確認できます。

メニュー、販促物制作いたします

メニュー、販促物制作いたします

メニュー、販促物作成についての詳細はコチラから
※「飲食店お役立ちナビ」にリンクされています。

まとめ

飲食店経営ではアルコールドリンクの売上が原価率を大きく左右し、アルコール類の売上アップで原価率ダウンが実現可能です。店舗スタッフ全員でアルコール類の売上を意識し、お客様の「飲みたい」という動きを見逃さないように接客しましょう。
季節感やトレンドに合わせたメニューのアップデートも大切で、差し込みメニュー・POPも効果が期待できます。メニュー作成は、無料で作成してくれる取引先にお願いするのがよいでしょう。

業務用酒類卸のなんでも酒やカクヤスでは、無料で登録できる「飲食店お役立ちナビ」の会員様限定で業態ごとの商品出荷数ランキングを公開しています。
トレンドやエリアの特性を活かしたドリンク販売強化にぜひお役立てください。

この記事を書いた人

カクヤス編集部

飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
カクヤスグループは2021年11月に創業100周年を迎えました。酒販業一筋、お酒を通してお客様のご要望に「なんでも」応えたい!長きにわたり信頼されてきた実績と共に、これからも変わらぬ気持ちでお客様に向き合ってまいります。

カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなどお酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフなど様々なメンバーがいます。

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20歳未満の飲酒は法律で禁止されています

  • 飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
  • 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
  • お酒は楽しく、ほどほどに。飲んだ後はリサイクル。
  • 20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売いたしません。
  • 20歳未満の飲酒防止のため年齢確認をさせて頂いております。予めご了承ください。