樽酒を飲食店が取り扱う3つのメリット!鏡開きのイベントで集客を
樽に入れて木の香りをつけた日本酒である樽酒は、一般的にお正月やお祝いの席で鏡開きをする際に使用されます。
樽酒は、独特の風味とまろやかな口当たりが魅力で、樽酒を飲みたいと感じる日本酒ファンも多いことから、鏡開きによる集客を見込む目的で樽酒を導入する飲食店様も少なくありません。
この記事では、樽酒について、樽酒を飲食店で導入する3つのメリット、樽酒を導入する際の注意点をご紹介します。
カウントダウンイベント、開店・周年祝い、新年のふるまい酒、結婚式や二次会など「ハレの日」イベントとして、また、通常の日本酒メニューの一つとして導入に興味のある飲食店様は、ぜひ参考になさってください。
※この記事は、花の舞酒造株式会社様の監修のもと、執筆しております。
樽酒とは
樽酒はその名の通り、木樽に入っている日本酒のことで、木樽で貯蔵した日本酒が瓶やカップに詰められているものも樽酒といいます。
まずは、樽酒の由来や鏡開きについて、詳しくご紹介します。
樽酒の由来や定義
日本酒は、室町時代頃までは大きな甕(かめ)で造られていましたが、その後、日本酒を飲む頻度が増えたことから、大量に日本酒を造る必要があり、ヒノキやスギで作った桶で造られるようになりました。
しかし、桶では運搬が難しいことから、桶に蓋をして運搬しやすくしたのが木樽の始まりといわれています。
その後江戸時代になると、日本酒は多くの人々が飲むお酒となり、その頃には全てのお酒が樽に詰められていたとされています。つまり、昔の日本酒は全て樽酒だったということです。
現在の樽酒の定義は、「日本酒をヒノキやスギに詰めて数日間置き、お酒に木の香りをつけたもの」です。香りがつくまでの期間は天候や温度によって異なりますが、状況によって2日~14日ほど樽に入れるのが一般的です。
瓶に入っている樽酒は、一度樽に詰めて木の香りをつけてから瓶詰めされたもので、樽酒と同じ味わいや香りを楽しめます。
樽酒はなぜ縁起が良い?
樽酒は縁起の良いお酒として知られていますが、なぜなのでしょうか?
それは、多くの酒樽がスギの木でできていることと関係しています。日本固有の樹木であるスギは、樹齢2000年を超えるものもある長寿の木。
「まっすぐに高く伸びる」という名前の由来があり、そのことから縁起が良い木を使用して造られている樽酒もまた、縁起の良いお酒とされているのです。
ちなみに、樽酒に巻かれている紐は菰(こも)と呼び、船で樽を輸送する際に樽同士がぶつかって傷まないよう、手近な菰を巻いて樽を保護したことが始まりとされています。
菰で巻かれている樽酒は菰樽(こもだる)とも呼ばれ、縁起の良い樽酒の堂々とした佇まいを演出する一つの衣装となったのです。
樽開けをする鏡開きとは
樽酒を振る舞う際に行われる「鏡開き」は、木槌などで樽酒の蓋を叩いて開けることをいいます。新年や行事はじめの儀式の1つで、酒樽の蓋は丸く平らなことから、古くから鏡と呼ばれており、「鏡=円満」「開く=末広がり」を意味しています。
鏡餅の鏡開きも、樽酒の鏡開きも門出に対して幸福や健康を祈願し、成就を願うという意味で現在も各地で行われています。鏡開きをした後は、一つの樽から勺で木升にお酒を注ぎ、参加者全員で飲み交わすことで一体感も得られます。
樽酒の賞味期限
樽酒は、開封していない状態なら長期間保存できると考える方も多いのですが、実は、開封していない状態でも2~3週間を目安に飲み切ることが望ましいとされています。
あまり長い期間樽の中に酒を入れた状態にしておくと、木の香りがつきすぎて、味が損なわれてしまう可能性があるからです。
また、開封した後の樽酒は、そのままの状態だと1週間ほどは保管可能ですが、3日程でえぐみが出てくるため早めに飲み切ってしまうか、瓶に詰めておくと良いです。鏡開き後、瓶詰したお酒は冷蔵保存で1ヵ月以上保存可能なので、無理して早く飲み切るよりも、瓶詰にして保管するほうが良いケースもあります。
瓶詰の樽酒とは?
前述したように、瓶に入って「樽酒」と表記のある日本酒は、一度樽に入れて木の香りをつけたものを、瓶に入れて販売しているのです。そのため「樽酒」と検索して、瓶詰めのお酒が出てきて不思議に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
樽酒で鏡開きをする以外にも、樽酒の香りや味を楽しみたいという方には、瓶詰めされた樽酒がおすすめです。
日本酒の原点ともいえる、木の香りがついた日本酒を気軽に楽しめる瓶詰の樽酒を振る舞うのも、お客様から喜んでいただけるでしょう。
樽酒を飲食店が取り扱うメリット
ここまで樽酒や鏡開きについてご紹介してきましたが、飲食店で樽酒を扱うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは、樽酒を飲食店が取り扱うメリットを3つご紹介します。
1.樽酒に魅力を感じている日本酒ファンが多い
日本酒が好きな方の中には、樽酒の独特な木の香りに心地よさを感じる方が多く、樽がもたらす味わいの変化を楽しみたいと考えている方も。樽酒は、木の爽快な香りと暖かみが感じられる上に、まろやかさがあり、口当たりが良いので誰にでも受け入れやすいお酒ともいえます。
また、樽酒には辛口の日本酒が合うといわれていますが、辛口の日本酒を樽酒に入れることで、木の香りと辛口のお酒が持つ軽快さやコクが合わさり、樽酒でしか味わえないその絶妙なバランスに魅力を感じている日本酒ファンが大勢います。
2.樽開けをイベントとして集客できる
前述したように、樽酒が好きな日本酒ファンは多いため、飲食店で自宅では味わえない樽開けを行うことに楽しみにしている方もいらっしゃいます。
実際に、寿司店やカウンターのある居酒屋などでは、樽酒の鏡開きを行っている飲食店も多く、新年の始まりを大勢でお祝いするという習慣を大事にしています。
そういった飲食店では、お店のホームページやTwitter、InstagramなどのSNSで事前に告知しておき、振る舞い酒をお客様に1杯ずつ振る舞い、2杯目から有料にするなど、さまざまな方法でお客様と新年をお祝いしています。
また、取り外した蓋に参加者の寄せ書きなどをしてもらい、その後店内に飾るといった活用方法もあり、常連さんはもちろん、イベントを聞きつけてご来店いただいたお客様がお店のファンになってくれたケースも。
お正月以外にも、10月1日(日本酒の日)や、お店の開店祝いなど、さまざまな場面で活躍する鏡開きを集客の一環として取り入れてみてはいかかでしょうか。
3.容量やサイズの種類が豊富
樽酒のサイズは、1斗(18L)、2斗(36L)、4斗(72L)が一般的です。これらの樽酒の中には、上底樽と呼ばれる、樽の底板が通常樽よりも上の方に位置する樽もあり、例えば2斗の半分まで底上げされている樽酒には、1斗の18Lが入るということになります。
それぞれマスに何杯分の量になるかは、以下をご参照ください。(マス1杯が120mlで計算)
- 1斗樽(18L)…… 約150杯分
- 2斗樽(36L)…… 約300杯分
- 4斗樽(72L)…… 約600杯分
このように、容量やサイズの種類が豊富なので、何名程度のお客様に樽酒を振る舞うかによって、サイズを選べるのが特徴です。
イベントとして集客したい場合は、ある程度の大きさの樽酒が必要となりますが、中板を入れれば量の調整は可能なので、お酒を余らせたくないと考える方はそのような方法も検討するといいでしょう。
鏡開きをする際の注意点
飲食店で鏡開きをする際、鏡開きの方法などは熟知しておく必要がありますが、それ以外にも注意点があるため、把握しておきましょう。
ここからは、鏡開きをする際の注意点をご紹介します。
「鏡割り」という言葉は使わない
鏡開きというと、蓋を木槌で豪快に割るイメージがありますが、実は、鏡開きをする際は前段階で樽の蓋をバールやトンカチで外してから行います。
樽の蓋を外さずに叩いて割ると、蓋が割れずに奥へと入り込んで強くはまってしまったり、破損したりという事故が発生する可能性もあるため、必ず蓋を外してから鏡開きを行いましょう。
また、鏡開きを「鏡割り」と呼んでしまう方もいらっしゃいますが、おめでたい席で「割る」という言葉は縁起が悪いとされているため、鏡割りと呼ぶのはNG。鏡開きを楽しみにしている方に対して、鏡割りという言葉を発してしまうことのないよう、気を付ける必要があります。
樽酒の開け方やイベント時の提供方法について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→ 菰樽・樽酒特集|開け方やイベント時の提供方法ご存知ですか?
※「飲食店お役立ちナビ」にリンクしています。
お酒が残る可能性があるので瓶を用意しておく
前述したように、イベントでの振る舞い酒の場合、お客様の数を想定して樽酒のサイズを検討する必要がありますが、思った以上にお客様の数が少ないなどの状況から、樽酒の中身が余ってしまう可能性も考えておきましょう。
空の瓶を用意しておけば、残ったお酒を来ていただいたお客様にお持ち帰りいただくことも可能ですし、お店で保管しておいて当日来店できなかったお客様に飲んでいただくこともできます。
空の瓶は何本か用意しておき、残ったお酒を入れられるようにしておきましょう。ただし、空瓶に残ったお酒を入れる場合は、瓶の中をしっかり洗浄、殺菌する必要があります。瓶の中に菌が残っていることで、香りや味わいが大きく損なわれてしまう火落ち菌が発生することにもつながるため、トラブル防止のためにも熱湯での熱殺菌を必ず行いましょう。
樽酒の賞味期限は前述の通りで、一度開けた樽酒は3日ほどでえぐみが出てきてしまうため、瓶に詰め替えることで味の変化を気にせず樽酒を楽しんでいただけます。
カクヤスがおすすめする樽酒のご案内
静岡の地酒である「花の舞」から、樽酒が発売されています。花の舞の樽酒は、スギの香りをしっかり味わえる木樽が特徴で、少量タイプから用意していることから、想定されるお客様の数に合わせて注文可能です。
さらに、本醸造120mlのミニカップ酒を樽の中に詰めるという、新しいスタイルの樽酒も好評です。手のひらサイズのかわいいカップ酒が樽の中に入っているので、お客様の数を気にすることなく個々にお配りすることができます。
鏡開きをしたいと考えている飲食店様は、さまざまなニーズに合わせた樽酒を用意できるカクヤスまで、ぜひお問合せください。
まとめ
樽酒は、古くから日本で親しまれてきたお酒です。昔のお酒は全て樽酒だったということや、日本の家屋が木でできていたことから、木の香りがする樽酒に心が落ち着く日本人も多いのです。
樽酒が好きでイベントに参加したいと考える日本酒ファンの方も多いため、飲食店で新年のイベントとして鏡開きを開催してみてはいかがでしょうか?
なんでも酒やカクヤスでは、飲食店様が抱えるお悩みに寄り添い、繁盛店のノウハウやカクヤス独自のネットワークによってさまざまなご提案をさせていただきます。
鏡開きをしたいとお考えの飲食店様へのサポートも万全ですので、新年のイベントを計画したいと考えている飲食店様は、ぜひ一度カクヤスまでお問い合わせください。
この記事を書いた人
カクヤス編集部
飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
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カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなどお酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフなど様々なメンバーがいます。
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