アイラ島で製造される「ブルックラディ」の特徴を解説!実際に飲んだ感想も紹介【語れるウイスキー vol.3】
エレガントな香りとアイラモルト特有の風味が特徴的な「ブルックラディ」というウイスキーをご存知でしょうか?
ブルックラディは、ウイスキーでは珍しいテロワールの概念を取り入れたシングルモルトウイスキーです。口当たりは優しく、香りも爽やかであるため、ウイスキー初心者にもおすすめできるブランドだと言えます。
今回は、ブルックラディの特徴や歴史、実際に飲んでみた感想・口コミを解説します。すでに本ブランドを導入している店舗様はさらなる知識を、まだ導入していない店舗様はブルックラディの魅力を知っていただき、ぜひ導入をご検討ください。
ウイスキープロフェッショナル(ウイスキー文化研究所)の資格を持つカクヤス営業スタッフがおすすめポイントをお伝えします!
ブルックラディの特徴
ブルックラディは、エレガントな香りとアイラモルト特有の風味が特徴的なシングルモルトウイスキーです。スコットランドのアイラ島で製造されており、土地を意味する「テロワール」の概念が詰め込まれています。
テロワールは本来、ワインのブドウ栽培に用いられる概念です。その土地特有の気温や水はけ、地形などの環境により、そのお酒に個性が生まれることを表します。
しかし、このブルックラディは珍しく、ウイスキーにテロワールの考え方を取り入れました。その結果、ほかのウイスキーにはないブルックラディ特有の味わいを実現したのです。
ブルックラディはエレガントかつフローラルな香り、フルーティで飲みやすい味わいが特徴です。アイラモルト特有のクセが控えめであるため、「初めてアイラモルトを飲む」という方にもおすすめできます。
ブルックラディ蒸留所の歴史
ブルックラディ蒸留所は、1881年に熱意と起業家精神あふれる「ハーヴェイ兄弟」によって創業されました。蒸留所の場所は、スコットランドで最も西の海岸沿いに位置しています。
ブルックラディ蒸留所の経営は順調ではなく、アメリカの禁酒法や不景気の影響もあり、1994年には操業停止となってしまいます。
しかし、有名な投資家グループが蒸留所を買収したおかげで、2001年にはウイスキーづくりを再開。2004年にはアイラ島内の農家とパートナーシップを結成し、アイラ産の大麦の栽培を開始しました。
その後、ブルックラディ蒸留所は数々のウイスキー銘柄をリリースしています。そして、2016年には10の貯蔵庫を増設する計画を発表。テロワールに情熱と信念を持って、これまでの伝統的な製法を守り続けています。
ブルックラディの製造方法
ブルックラディの製造方法において、最も特徴的なのがテロワール製法です。職人たちの手で収穫から製造までを行い、すべての工程をアイラ島で完結させています。
原材料の大麦麦芽は、スコットランド産の大麦だけを使用しており、その約半分はアイラ島のものです。また、ブルックラディは大麦の収穫量や栽培に関するデータを分析し、その年の栽培環境に適した大麦だけを収穫しています。
アイラ島の人口は3,228人で、200人がウイスキーづくりに関わっており、100人がブルックラディ蒸溜所で働き、そのうち56人が40歳以下という、地域に根付いたウイスキーづくりをしています。さらに、仕込み水はアイル島にあるオクトモア農場の新鮮な湧き水を使用しているほか、ウイスキー原酒はすべて職人たちの手作業で製造されています。
ブルックラディに関するエピソード等はそこまで多くないものの、ほかのウイスキーにはない徹底した栽培方法や、データ分析の高い技術が評価されています。
ブルックラディは2020年に「B Corp認証」を取得しています。これは、スコッチ蒸留所では初めてのことです。
また、ブルックラディはSDGsにおいて「ウィスキーは10年、20年、30年先まで見て造らなければ。でなければ30年後は誰も飲んでくれない。だからこそテロワールを重視し、地球を大事にしている」という考えを実践しています。
ブルックラディの種類|代表的な5つのシリーズ
ブルックラディの代表的なシリーズは以下の5つです。
- ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ
- ブルックラディ アイラ・バーレイ
- ブルックラディ ベア・バーレイ
- ブルックラディ ジ・オーガニック
- ブルックラディ ブラックアート
それぞれ特徴が異なるため、1つずつ詳しく解説します。
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ
ブルックラディの決定版とも言えるスタンダードボトルです。このボトルは、伝説の男と評される「ジム・マッキュワン」により、ブルックラディのクラシックなスタイルを表現するためにつくられました。
アルコール度数は50%とやや高いですが、度数の割にアルコール感があまりなく、飲みやすいのが特徴的です。ブルックラディと言えばこの1本であるため、まずはこのボトルから仕入れを検討しましょう。
印象的なボトルカラーは、アイラ島の海の色をイメージしてつくられています。
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ
- アルコール度数:50%
- 香り:素晴らしいブーケの香りが特徴的。大麦糖とミントの香りが漂ったあと、野花のような鮮やかな香りが広がる。
- 味わい:口当たりは洗練された爽やかな味わい。そのあと、甘いオークと大麦の風味が口いっぱいに広がり、蒸留によって生まれたフルーティな味わいが続く。
容量:700ml
参考価格:6,000 円(税抜)
ブルックラディ アイラ・バーレイ
続いて「アイラ・バーレイ」シリーズを紹介します。アイラ島の契約農家が栽培した大麦だけが使用されており、加えてアイラ島の多様な地域で育った麦で製造されているため、より複雑な香りと味わいが実現されています。
初めてアイラ全体のテロワールを表現したボトルでもあり、フルーツ、穀物、オークの香りといったように、味わいの変化を楽しめます。「複雑な味わいのシングルモルトウイスキーを仕入れたい」という飲食店様におすすめです。
ブルックラディ アイラ・バーレイ 2013
- アルコール度数:50%
- 香り:繊細で軽やかな香りが特徴的。花のような芳香、そしてクリーミーなヴァニラに加え、キウイやメロン、ココナッツのようなフルーティな香りも漂う。
- 味わい:深みのある複雑な味わい。フルーティかつフローラルな口当たりとともに、クリーミーな風味やモルトのリッチな深みが楽しめる。
容量:700ml
参考価格:6,900 円(税抜)
ブルックラディ ベア・バーレイ
本シリーズには、オークニー諸島産の「ベア・バーレイ」が使用されています。ベア・バーレイの麦芽は育成が難しく、収穫量も比較的少ないため、貴重なボトルだと言えます。
ほかのシリーズに比べて、本シリーズはドッシリとした重厚な味わいが特徴的です。また、アプリコットジャムのような香りも堪能できます。「独特な風味のブルックラディを提供したい」という飲食店様は、ぜひ導入をご検討ください。
ブルックラディ ベア・バーレイ 2011
- アルコール度数:50%
-
香り:口いっぱいに広がるフローラルな香りが特徴的。花の爽やかな香りとミント、チョコレートのような香りが立ち上る。
-
味わい:チョコレートやライムのような力強い味わい。それでいて、ファッジの甘くて濃厚な味わい、そしてアプリコットジャムや麦芽パンなどフレーバーが混ざり合う。
容量:700ml
参考価格:9,500 円(税抜)
ブルックラディ ジ・オーガニック
ブルックラディの「ジ・オーガニック」シリーズ。有機農法が使用されており、オーガニックモルトから生まれるフルーティな味わいが魅力的です。
本ボトルは8年間という長い年月をかけて熟成させているため、濃厚なはちみつの甘い香り、麦芽の芳醇な香り、ヴァニラやポップコーンの深い味わいを感じられます。
世界限定で18,000本しかリリースされていないので、「特別なブルックラディを仕入れたい」という場合におすすめできます。
ブルックラディ ジ・オーガニック 2010
- アルコール度数:50%
- 香り:オーガニックモルトが織り成すフルーティな香り。次第にヴァニラやキャラメル、ペストリーの甘い香りが姿を見せる。
- 味わい:甘い洋梨の中に、ヴァニラやライ麦パンのような重厚な味わいがある。濃厚なバターポップコーンの味わいも感じられる。
容量:700ml
参考価格:9,500 円(税抜)
ブルックラディ ブラックアート
ブルックラディ蒸留所の「ヘッド・ディスティラー」が特別に厳選したシリーズです。12,000本限定のボトルであり、原酒の組み合わせは「ヘッド・ディスティラー」しか知らないとされています。
今回紹介する「ブルックラディ ブラックアート 09.1 (1992)」は本シリーズの第8弾で、熟成期間はなんと26年。複雑に入り組んだ特別な風味と、ブルックラディならではの繊細な味わいを楽しめます。
ブルックラディ ブラックアート 09.1(1992)
- アルコール度数:44.1%
- 香り:トロピカルフルーツやココナッツの爽やかな香り、そのあとにマンゴーやはちみつを垂らしたメロンのような甘い香りが広がる。香りが複雑に入り組んでいるものの、良好なバランスにより素晴らしい香りを実現している。
- 味わい:黒砂糖やココナッツ、チョコレートといった繊細な味わいが舌に広がる。口当たりはなめらかだが、後味はブルックラディ特有の繊細なDNAの風味が押し寄せる。
容量:700ml
参考価格:55,000 円(税抜)
ブルックラディおすすめの飲み方・提供方法
ブルックラディを店舗で提供する場合、以下3つの飲み方が推奨されます。
- ストレート
- ロック
- ハイボール
それぞれの特徴を踏まえた上で、自店舗に合った提供方法を選択しましょう。
爽やかな香りを楽しむ「ストレート」
定番の飲み方とされるのが「ストレート」です。ブルックラディ本来の香りと味わいを提供できます。
ストレートだとスモーキーな風味がキツいと思われがちですが、ブルックラディはピート香とスモーキー感が比較的に弱いため、ストレートでも飲みやすいのが特徴です。
口当たりは優しく、ヴァニラやナッツの甘みが口いっぱいに広がります。麦芽由来の芳醇とフルーティな香りを楽しむことも可能です。
数分後に水を少し注ぐことで、レモンドロップやはちみつのようなフルーツアロマの香りが現れます。
スモーキーな風味を抑えられる「ロック」
ストレートとは違った風味を楽しめる「ロック」。スモーキーな風味を抑えられるため、より飲みやすい仕上がりになります。
樽特有のスパイシー感を抑えられるため、ライムや青りんごのような果実感が際立ちます。また、時間が経つにつれて氷が溶けるので、ヴァニラやメープルシロップのような甘さが加わり、よりフルーティな味わいへと変化します。
「ロックは苦手で甘いウイスキーが飲みたい」というお客様におすすめしましょう。
好みを選ばない万能な「ハイボール」
ストレートやロックを好まないお客様のために「ハイボール」も用意しておきましょう。メーカーからはあまりおすすめされていませんが、ブルックラディ特有の複雑な香りと炭酸のシュワシュワは非常にマッチします。
元々ブルックラディは飲みやすい部類のウイスキーであるため、炭酸が合わさることでさらに飲みやすくなります。「これまでハイボールを飲んだことがない」というお客様にもおすすめしてみてください。
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディを実際に飲んだ口コミ/感想・評判
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディを実際に飲んだ口コミ・感想を「提供している飲食店様」と「カクヤス営業スタッフ」の2つに分けて紹介します。
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディを提供している飲食店様の感想
実際に提供している飲食店様に感想をお聞きしました。
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ
- 率直な感想:ハイプルーフ特有のアルコール感はあるものの、フルーティさと甘味を感じられる。全体的にまとまりも良く美味しい。その反面、これぞクラシックラディという個性を感じられるポイントが少々薄い。
- 香りのイメージ:まずは洋梨や青リンゴ等の青い香り。口に含み香るのはバナナやわずかなナッツ感。少し柑橘ピールの雰囲気で、金柑のシロップ漬け。バーボン樽の影響なのか、カラメルやメープルのニュアンスもある。
- 味わい:アタックではハイプルーフならではの揮発感とともに、舌先に甘味を感じる。フルーティな青々しさと、柑橘のピール。加水するとメープル等の濃い甘い香りが広がり、余韻は長く甘味が続く。ソーダで割るとフルーツ感はあるものの、メープル等は希薄になる。
- おすすめの飲み方:ニート・トゥワイスアップロック・ハーフロック・ウイスキーフロート。また、ブランデーグラスに入れ、手で少し温めながら飲むと甘やかな香りを楽しめる。
- 合わせたいフード:ストレートにはクリームチーズにドライフルーツを練り込んだ物、レーズンバター、ナッツのハニー漬け等。ソーダで割れば、生の海鮮以外オールラウンドでこなせる。
アンケート協力:富士見台 HEROES BAR 様
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ
- 率直な感想:甘辛のバランスが良い。少しクセのあるウイスキーに挑戦したい方におすすめしたい1本。
- 香りのイメージ:墨汁、かすかにスモーキー。奥のほうからハチミツのような甘い香りを感じ取ることもできる。
- 味わい:気持ちの良い重厚感。飲み始めは優しい甘みを感じるが、飲み終わりにかけて舌に残るスパイシーさ。余韻も長く心地良い。
- おすすめの飲み方:ストレート・ソーダ割り
- 合わせたいフード:ビターチョコレート
アンケート協力:神楽坂 Bar 柿沼 様
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ
- 率直な感想:ボトルの美しさからおすすめしやすい。
- 香りのイメージ:モルト感と、遠くのほうからピーティー。
- 味わい:モルティーな口当たり。余韻がほどよくダークチョコレートを食べてるような甘さ。
- おすすめの飲み方:ワンドロップ
- 合わせたいフード:山菜の天ぷら、黒岩のりパスタ、真ダコの刺身
アンケート協力:自由が丘 Daddy's kithen Bar 様
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディを飲んだカクヤス営業スタッフの感想
カクヤス営業スタッフの感想を、年代・性別に分けてご紹介します。
りんごの香りがあってピートが効いていない分、甘い大麦の香りが感じられて口当たりはドライ。華やか。バランスが良くて、白い花を思わせる味わい。
【20代後半男性】
後味が甘い。チョコレートとかラムレーズンと合わせて飲みたい。
【30代半ば男性】
アイラ島でノンピートがあるのを知らなかった。ピートが苦手な人におすすめできる。
【30代後半男性①】
スモーキーでオイリーな香り。良いウイスキーを飲んでるなーという気分になる!
【30代後半男性②】
まろやかで角が取れている。飲みやすい。
【40代前半男性】
余韻が長い!チョコレートやお花を感じる。飲むと幸せな気持ちになる。
【40代半ば男性】
ソーダ割りに合う。柔らかい味わい。フローラル系の花の香りがする。
【20代後半女性】
ボトルがかわいい!!
【30代後半女性】
美味しい!香りが華やかでスッキリ軽やかな感じがする。
クセが少ないブルックラディはウイスキー初心者にもおすすめ
今回は、シングルモルトウイスキー「ブルックラディ」について解説しました。
ブルックラディはテロワール製法が採用されているため、ほかのウイスキーにはない味わいがあります。それでいてアイラモルト特有のクセが少ないことから、ウイスキー初心者のお客様にもおすすめできます。
本記事で解説した内容を参考にし、ブルックラディの導入を検討してみてください。
なお、業務用酒販店であるカクヤスであれば、ブルックラディをスピーディに仕入れることができます。また、他のウイスキーをはじめ様々なお酒が1本から仕入れ可能であるものが多く、365日の配送にも対応しています。
商品のお問い合わせや仕入れのご相談もお待ちしておりますので、ぜひお気軽にご利用くださいませ。
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この記事を書いた人
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