サントリー社「FROM FARM(フロムファーム)」の特徴|7種類のおすすめ銘柄を紹介

FROM FARM(フロムファーム)は、サントリー社から販売されている日本ワインのブランドです。現在4つのシリーズが展開されており、各シリーズごとに異なる香り・味わいを楽しめます。

今回は、フロムファームの特徴、山梨県の「登美の丘ワイナリー」やおすすめの銘柄7選を紹介します。日本ワインにご興味がある飲食店様は、ぜひ本記事の内容をご参考いただき、フロムファームの導入をご検討ください。

本記事は、サントリー株式会社 松本典之さんに監修いただきました。

「世界を感動させる日本ワインをつくる」という先任の夢を継承し、「日本ならでは」「サントリーならでは」のワインづくりを目指しています。

監修:松本典之さん
サントリー株式会社
ワインカンパニー ワイナリーワイン事業部
ソムリエ((一社)日本ソムリエ協会 認定 )
日本ワインアンバサダー(サントリー株式会社 認定)

サントリー社の「FROM FARM(フロムファーム)」とは?

FROM FARM(フロムファーム)は、2022年にサントリーワインインターナショナル株式会社によって発売された日本ワインの新ブランドです。2022年9月6日から4シリーズ19品目が全国で発売されました。(2023年11月現在では、4シリーズ22品目)
以前は「ジャパンプレミアムシリーズ」という名称でしたが、「山梨県甲斐市と山梨県にスポットライトが浴びるように」との想いが込められ、フロムファームと名付けられました。

ぶどう品種やテロワール、ワイナリーのものづくりにこだわり、そして「つくり手が日本の風土と向き合って、ぶどう畑からつくるお酒」というテーマをもとに造られています。フロムファームが現在展開している4つのシリーズは以下の通りです。

フロムファームが現在展開している4つのシリーズ

  1. シンボルシリーズ:サントリー日本ワインの象徴として位置付けられている
  2. ワイナリーシリーズ:ワイナリーでの長年にわたるものづくりのこだわりを味わえる
  3. テロワールシリーズ:産地ならではの味わいの個性が表現されている
  4. 品種シリーズ:ぶどう品種「甲州」「マスカット・ベーリーA」の味わいが楽しめる

各シリーズに応じてワインの特徴がそれぞれ異なります。例えば、シンボルシリーズは世界が感動する品質を目指すワインであり、一方で品種シリーズは日本の食材との相性が抜群という特徴を持ちます。

「日本ワイン」とは、国産ぶどうを100%使用した国内製造のワインのことです。日本の豊かな自然から生まれたワインで、「甲州」や「マスカット・ベーリーA」など日本固有の品種のワインがあるほか、「メルロ」や「ピノ・ノワール」といった欧州系品種を使ったワインもあります。
また、赤、白、泡、ロゼ、オレンジの種類や、甘口・辛口の味わいがあるなど、一言で日本ワインと言っても多種多様です。

日本ワイン市場の規模

国内の日本ワイン市場は、2010年〜2019年の10年間で約1.7倍に成長しています。人気が加速した主な理由として、国産ぶどう100%の日本ワインと、海外原料を使用した国内製造ワインの区分を明確化したことが挙げられます。

2015年に日本ワインの基準が明確化されるまで増加傾向は緩やかでしたが、基準の明確化以降は急激にワイナリー数が増え、日本ワイン市場が拡大しました。海外のコンクールでも高評価な日本ワインが生まれているほか、品種改良や大手企業による技術の共有などによって品質向上が行われています。

国内のワイナリー数は、2000年〜2020年までの間で約250軒も増加しています。2021年時点でワイナリーがないのは、奈良県と佐賀県のみです。

日本ワインを名乗るには国産ぶどうのみを使用し、国内で製造した果実酒であることが条件です。さらに地名や品種等を表示するには、一定の基準を満たさなければなりません。

日本ワインは地名、ぶどうの品種名、収穫年を表示することが可能ですが、地名を表示する場合、その範囲内にぶどうの収穫地(85%以上の使用)があることが条件となります。例えば、「山梨県産ぶどう使用」という表示をする場合は、山梨県で収穫したぶどう品種を85%以上使用する必要があります。
この表示ルールが制定されたことで、日本ワインとその他ワインの区分が明確となり、日本ワインの注目度が向上したのです。2023年の現在でも日本ワイン市場は拡大を続けており、今後10年でさらに1.8倍になると言われています。

フロムファームの生産地|山梨県の「登美の丘ワイナリー」

日本ワインの生産地と言ったら、なんといっても山梨県が有名です。山梨県は日本のワイン造りの発祥地であり、1874年からワイン造りが始まったとされます。
フロムファームの生産地の1つである山梨県の「登美の丘ワイナリー」は1909年に開設され、2019年に110周年を迎えました。「登美の丘ワイナリー」では、つくり手が日本の自然、風土と畑から向き合い、匠の技と愛情を込め、時間をかけてワインが造られています。

また、ぶどうを自社で栽培している点も特徴の1つです。日本では現状、栽培から自社で行っているワイナリーは珍しく、自社で栽培している「登美の丘ワイナリー」だからこそ、畑造り、ぶどう造りなどのチャレンジングな取り組みができています。
この点も、登美の丘ワイナリー及びフロムファームブランドの強みだと言えるでしょう。なお、「登美の丘ワイナリー」の広さは150ヘクタール(東京ドーム32個分)で、ぶどうの木は約20万本植えられています。

「登美の丘ワイナリー」の主な栽培品種(2020年3月時点の情報)

【赤】

  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • メルロ
  • カベルネ・フラン
  • プティ・ヴェルド
  • ブラック・クイーン
  • マスカット・ベーリーA
  • ビジュノワール

【白】

  • シャルドネ
  • 甲州
  • リースリング・イタリコ
  • リースリング・フォルテ

ぶどうの品質向上のため長年にわたって改良が加えられ、水はけを考慮した排水が考えられながら、徹底的に土を知る努力が続けられています。「風土と寄り添いながら、品種を通して、この土地の特徴を表現していく」という考えのもと、「登美の丘ワイナリー」ではワイン造りが行われています。

「登美の丘 甲州」が目指すスタイル

山梨県の「登美の丘ワイナリー」が生産する銘柄の1つとして、「登美の丘 甲州」が挙げられます。八朔や夏蜜柑などのほろ苦さ、そして和柑橘を思わせる上品な香りが人気の銘柄です。
また、フレッシュな香り、繊細な味わいとやわらかさ・ボリューム感のバランスが取れたワインとして評価されています。そんな「登美の丘 甲州」は、以下2つのこだわりを持って造られています。

ぶどうのこだわり

  • 葉の数を調整した適度な日光量の確保により、渋みが柔らかく糖と酸のバランスが良い
  • 遅摘みぶどう(完熟したぶどう)により、柔らかさと自然な甘さを持つワインに仕上げる

つくりのこだわり

  • 炭酸ガスでタンク内の酸素を置換することにより、酸化を防ぎ、フレッシュな状態で仕込む
  • 「品種の個性」を素直に表現するタンク発酵により、区画ごとに仕込んだ複数の原酒をアッサンブラージュ

「登美の丘 甲州」はこれら2つのこだわりにより、複雑で厚みのある味わいを実現しています。
「登美の丘 甲州」は和の料理にベストマッチします。特に「甲州」品種から造られるワインは鉄分含有量が少ないため魚介との相性が良く、居酒屋でも割烹でも、日本酒が合う料理ならしっかりとマッチするのが特徴です。鉄分含有量が少ない「甲州」ワインであれば、魚介と合わせても生臭くなりません。

フロムファームのおすすめ銘柄7選|各シリーズの特徴

フロムファームの各シリーズごとのおすすめ銘柄を合計7つ紹介します。

  1. フロムファーム 甲州 日本の白 2020
  2. フロムファーム マスカットベリー 日本の赤 2019
  3. フロムファーム 津軽ソーヴィニヨン・ブラン 22
  4. フロムファーム 高山村シャルドネ 21
  5. フロムファーム 登美の丘 赤 20
  6. フロムファーム 塩尻メルロ 18
  7. フロムファーム 登美 赤 17

どの銘柄も原料の品種や産地の特徴が引き出されています。各シリーズごとの銘柄を順番に見ていきましょう。

品種シリーズ

まずは、日本料理との相性が良い品種シリーズの銘柄を紹介します。日本固有のぶどう品種「甲州」と「マスカット・ベーリーA」の味わいを楽しめるのが特徴です。

フロムファーム 甲州 日本の白 2020
日本・山梨県 辛口

フロムファーム 甲州 日本の白 2020

  • 度数:12度

和柑橘の爽やかな香りが特徴の日本ワインです。和柑橘の香りを骨格とし、洋ナシや青りんごのような甘さを感じさせる香りが調和しています。甲州らしい爽やかな酸味もあり、軽やかでフレッシュなアタック。優しく広がる旨味のある辛口は、日本料理との相性が抜群です。

【和食とのペアリング】
寿司・刺身・焼き魚・天ぷら

容量:750ml

参考価格:1,920 円(税抜)

フロムファーム マスカットベリー 日本の赤 2019
日本・山梨県 さわやか

フロムファーム マスカットベリー 日本の赤 2019

  • 度数:12度

華やかな香りと果実感のある心地よい味わいが楽しめます。イチゴ、さくらんぼのような赤系果実やバラのような華やかな香りが特徴です。見た目は透明感のある明るいルビー色をしており、見た目・味わいともに親しみやすさが感じられます。

【和食とのペアリング】
焼き鳥・筑前煮・赤身魚

容量:750ml

参考価格:1,920 円(税抜)

テロワールシリーズ

続いて、テロワールシリーズの銘柄を2つ紹介します。テロワールシリーズでは、青森県・山形県・長野県のテロワールの違いによる個性豊かな味わいが楽しめます。

フロムファーム 津軽ソーヴィニヨン・ブラン 22
日本・青森県 辛口

フロムファーム 津軽ソーヴィニヨン・ブラン 22

  • 度数:12〜13度

豊かなアロマと、酸味が魅力的なぶどうの特徴を丁寧に引き出した辛口のソーヴィニヨン・ブランです。りんごやグレープフルーツなどの柑橘を想わせる果実の甘やかさ、そして心地よいフレッシュな酸味が特徴的。また、口の中でほのかな甘さと複雑さ、柔らかさも感じられます。

【和食とのペアリング】
天ぷら

容量:750ml

参考価格:4,313 円(税抜)

フロムファーム 高山村シャルドネ 21
日本・長野県 辛口

フロムファーム 高山村シャルドネ 21

  • 度数:12度

複雑で芳醇な香りと凝縮感のある味わいが特徴のシャルドネです。程よく追熟された洋梨などの果実を連想させる果実の香りに、引き締める爽やかな柑橘のタッチが魅力的。穏やかに複雑さを与える樽熟成由来のトーストがアクセントになっています。良年の高山村らしい充実感のある味わいが楽しめます。

【和食とのペアリング】
白身魚

容量:750ml

参考価格:4,613 円(税抜)

ワイナリーシリーズ

次に、サントリー社のワイナリー「登美の丘」、「塩尻」から生産されるワイナリーシリーズの銘柄を紹介します。こだわり抜いた味わいが特徴的なシリーズです。

フロムファーム 登美の丘 赤 20
日本・山梨県 ふくよか

フロムファーム 登美の丘 赤 20

  • 度数:12.5度

登美の丘ワイナリー自園産ぶどうを100%使用した本銘柄は、エレガントな果実香とふくよかな味わいが特徴です。ブルーベリーやダークチェリー、桑の実などを連想させる青から黒の濃い色調の果実の香りに、スミレの花の砂糖漬けやクローブのような甘いスパイスのタッチが感じられます。また、しっかりと存在感のあるタンニンと充実感も味わえます。

【和食とのペアリング】
黒毛和牛ステーキ・すき焼き

容量:750ml

参考価格:5,550 円(税抜)

フロムファーム 塩尻メルロ 18
日本・長野県 ふくよか

フロムファーム 塩尻メルロ 18

  • 度数:12度

塩尻ワイナリーで造られており、華やかな果実香と力強い味わいが楽しめます。チェリーのペーストや小豆の皮、しっとりとしたシダ植物などを連想させる香りと、わずかに湿った土のような香りも感じられます。バランスの取れた実に塩尻らしいメルロです。

【和食とのペアリング】
牛ロースト

容量:750ml

参考価格:5,513 円(税抜)

シンボルシリーズ

最後に、シンボルシリーズのおすすめ銘柄を紹介します。サントリー日本ワインの象徴として位置付けられるシリーズで、最高峰のクオリティを堪能できます。

フロムファーム 登美 赤 17
日本・山梨県 ふくよか

フロムファーム 登美 赤 17

  • 度数:14度

シンボルシリーズの「登美」では、凛としてしなやかな気品ある味わいが感じられます。赤黒系果実、リコリス、ナツメグなどスパイスの香りと樽香が調和しており、十分なボリューム感があります。豊かなタンニンと長い余韻が魅力的です。

【和食とのペアリング】
和牛ステーキ、ビーフシチュー

容量:750ml

参考価格:15,813 円(税抜)

登美の丘ワイナリーへ見学に行ってきました!

カクヤス営業スタッフが、実際に「登美の丘ワイナリー」へ見学に行ってきました。畑の見学やフロムファームのこだわり、日本ワインの市況などを学び、ワインとお料理のペアリングも体験してきました。

ワイナリーを見学した感想

まずは、カクヤス営業スタッフがワイナリーを見学した感想を紹介します。

【20代男性】
教本等で学んだ栽培方法などを実際に見られて良かったです。見学によって東京ドーム32個分の規模感を実感できた。もっと機械的・工業的に造られているものだと思っていましたが、手作業での工程も多く、丁寧な造りに驚きました。

【30代女性】
海外には気軽に行けないけれども、日本のワイナリーはこうやって見学をすることが出来るため、座学で得た知識がより立体的になって良かったです。畑、製造現場を実際に見ることが出来るのは素晴らしい体験なので、多くの方に知って欲しいと思いました。また、ワイン造りにこれほど手間暇かかってるとは思わなかったため驚きました。

フロムファームを飲んだ感想

続いて、フロムファームをカクヤス営業スタッフが実際に飲んだ感想を年代別に紹介します。

【30代男性】
ペアリングを実際にしてみてとてもびっくりしました。今後ワイン単体だけでなくペアリングで飲食店様に訴求したいと感じました。あと、造り手の想いを聞けた事は大きく、今後提案する幅が広がりました。

【20代女性】
国産ワインのイメージは「薄い」などあまり良いイメージなかったが、実際に試飲してみると非常に美味しく、イメージ変わりました!特に「フロムファーム」ブランドの「津軽ソーヴィニヨン・ブラン」が美味しかった、こんなにフルーティーだとは思わなかった。

まとめ

本記事では、フロムファームの特徴、山梨県の「登美の丘ワイナリー」やおすすめの銘柄7選について解説しました。
フロムファームは2022年にサントリー社から発売された日本ワインの新ブランドで、4つのシリーズが展開されています。2019年に110周年を迎えた「登美の丘ワイナリー」にて、「風土と寄り添いながら、品種を通して、この土地の特徴を表現していく」という考えのもと日本ワインが造られています。

各シリーズの銘柄によって特徴が異なるため、フロムファームの仕入れを検討している飲食店様や日本ワインにご興味ある飲食店様は、今回紹介した7つのおすすめ銘柄を参考にしてみてください。
なお、業務用酒販店のなんでも酒やカクヤスであれば、フロムファームの各種銘柄を1本からでもスピーディに仕入れることができます。お店のメニューに合うワインのご相談や、無料のメニュー作成も承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

カクヤス編集部

飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売 上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
カクヤスグループは2021年11月に創業100周年を迎えました。酒販業一筋、お酒を通してお客様のご要望に「なんでも」応えたい!長きにわたり信頼されてきた実績と共に、これからも 変わらぬ気持ちでお客様に向き合ってまいります。

カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなど お酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフなど様々なメンバーがいます。

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