春限定の日本酒「春酒」とは?ドリンクメニューを季節に合わせてアップデートしよう!

四季がある日本のお酒、日本酒には四季があります

春酒とは春期限定で発売される日本酒です。春らしいラベルに、フレッシュな味わいのものが多い、季節感があるお酒です。一般的な澄み酒以外に微発泡やスパークリング(発泡性)、うすにごりやおりがらみ、にごり酒などバリエーションも豊富。限定感もあり、ドリンクメニューに取り入れることで、ドリンク売上だけでなく、季節料理との相乗で売上アップが期待できるアイテムです。

春酒とは

春酒とは、春季限定の日本酒です。シーズンを先取りして、主に2月~4月にかけて出荷されます。名前やラベルに「春」や「桃」「桜」など春を思わせる言葉がよく使われ、ラベルはピンク色や桜の花がデザインされたものや、キラキラした春らしいものが多いです。味わいはラベルのデザイン同様にポップで軽快、飲みやすいものが多いのが特徴です。微発泡やスパークリング、うすにごり、おりがらみ、にごり酒などバリエーションも豊富です。

春酒の販売時期は?

春酒は名前通り、春季限定でリリースされる日本酒です。元々は四季に合わせて3~5月に出荷されていましたが、現在は、季節商品はシーズン先取り(前倒し)で、実質的に2月~4月に出荷されます。統一名称はなく、蔵元によって様々な名称で出荷されますが、「春(スプリング)」「桃(ピンク、ピーチ)」「桜」などのキーワードが入ってるものが多いです。また、名称やラベル表示では特に春酒とは謳っていないものでも、春限定のピンク色ラベルや桜の花デザインなどの、「実質的春酒」も存在します。3月頃からは「花見酒」が登場します。「桜○○」「○○桜」など、銘柄に桜が入る銘柄も、この時期によく出る人気酒です。

春酒の味わいは?

春酒には、微発泡やスパークリング(発泡性)を筆頭に、フレッシュなお酒が多く、味わいは大きくふたつのタイプに分かれます。基本的には口当たりよく軽快でスウィート、華やかなタイプが大半です。うすにごりやおりがらみ、にごり酒も軽快なものが多いのですが、中にはアルコール度数が17度を超えるような、甘味や旨味がガツンと感じられる、飲み応えあるタイプもごく少数ながら存在します。一般的に、ラベルがキラキラしたポップなものは味わいも同様にポップで軽快で飲みやすく、クラシカルなデザインのものは、しっかりとした飲み応えや味わいの傾向があります。春気分を盛り上げてくれるピンク色のにごり酒も人気です。

春酒のボトル・ラベルは?

春酒はピンク色のラベルのものや、花見酒など桜をデザインしたものが多くあります。うすにごりやおりがらみ、にごり酒は、色味が分かりやすいよう、透明瓶のものが多くあります。秋冬のお酒が暗色系の落ち着いたラベルやデザインのものが多いのと比べると、全体的に春らしいキラキラした明るいデザインの商品が多く、門出や旅立ちの季節である春の酒席を華やかに演出してくれるボトルがたくさんあります。

季節感のあるドリンクメニューのメリット

春酒は生産量が少なく、春先のほんの短い期間しか販売されない季節限定のお酒です。今しか飲めないお酒で、酒蔵ごとに様々タイプの味わい、選ぶ楽しみがあります。また、春酒は春の旬食材との相性が抜群で、業態問わず、日本酒マッチングが楽しめます。限定感がある以外にも、料理と合わせておすすめがしやすいなど、様々なメリットがあるお酒なので、ぜひ上手く活用していただきたい商材です。

お客様の「飲みたい」気分を刺激する

「この季節にしか飲めない、特別なお酒なんです。造っている量も少ないので、今ある分がなくなれば終了です」とおすすめされたら、あなたも飲んでみたくなりませんか?人は「限定」に弱いものです。また、日本には「季節感」を大事にする方が多いです。今しか飲めない限定感のある特別なお酒は、お客様の「飲みたい」気持ちを刺激しやすいです。ボトル売り切りで複数種類のボトルを揃えるのも良いでしょう。

おすすめしやすい

春にしか飲めない、ファンも多い限定酒です。飲むタイミングを逃すと来年まで飲めませんから、おすすめしやすいお酒です。お席にご案内するタイミングや、ファーストオーダーを取る際のお声がけがベターです。春限定のお料理をオーダーされた際に、「こちらの料理には、このお酒がよく合いますよ」と、料理と相性が良いお酒をご提案できると、興味を持って、オーダーしてくれるお客様も多いです。

フードの限定メニューと相乗効果が期待できる

季節限定メニューを用意しているお店は多いことかと思われます。食材や料理に旬があるのと同様に、お酒にも旬があります。春の野菜、タラの芽やわらびといった山菜や菜の花など、爽やかな香りと苦味を含んだ味わいは、フレッシュな爽快さ、ほんのり苦味がアクセントの春酒とたいへん好相性なのです。魚介類なら、初ガツオやホタルイカなど。たっぷりのニンニクや生姜が効いたカツオのタタキやホタルイカの酢味噌和えなども、同様です。和食や居酒屋業態に限りません。中華、洋食、エスニックでも調理方法次第で美味しく組み合わせることが可能です。春限定メニューと春酒のマッチングをおすすめすることで、オーダー増加につなげましょう。

春酒で売上アップを成功させるポイント

春酒は全国の酒蔵から数多く出ていますから、できれば複数の種類をご用意したいところです。複数の種類を飲んでもらえるよう、1合売りだけではなく、90cc~150cc程度のグラス売りは必須です。量はあまり飲めなくても、いろいろなお酒を少しずつ飲みたい方もおられます。50cc~90cc程度の春酒飲み比べセットもあるとオーダーされやすいです。まず提供側が知識を増やして、メニュー、POPも上手く使いましょう。

スタッフ間の情報や知識の共有

まずは各商品の特徴をよく知ることです。細かいスペック情報はラベルや公式サイトなどで分かりますから、それよりも、どんな味わいか、どんな料理に合うか、自身でお気に入りのタイプとその理由などを伝えて、飲食店ならではの体験価値をお客様に提供できるようになることです。チャート図にして見方を覚えるなど、スタッフ全員で知識の共有をすることが大切です。お客様へのお声がけの徹底や、オーダー率が高かったトーク話法の共有していくことで、より出数が増えるとともに、季節ごとの限定酒を楽しみにするお客様も増えていきます。

差込みメニュー・POPの作成

グランドメニューが冊子型の場合は、差込みメニューで、季節限定料理と春酒をセットでご案内しましょう。料理とお酒のマッチングまで説明できると、セット注文が入りやすくなります。手書きメニューの場合、朱書きの◎(二重丸)でアピールすることをお忘れなく。ボトルの画像入りのPOP掲示は、お客様にイメージが伝わりやすく、お店の雰囲気が華やかで春らしくなるので効果的です。自店でメニュー作成が難しい場合は、ドリンクメニューの作成を無料で代行してくれる酒販店や取引先を頼るのも手です。

おすすめの春酒

春酒といっても味わいは千差万別です。フレッシュな果実香で味わいは穏やかな「あら玉 純米吟醸 SPRING BLESSING」、フルーティーなタイプなら「初孫 美咲 純米大吟醸」。ドライで食中酒として万能な「百十郎 純米吟醸 桜 無濾過生原酒」。スルッと入る軽快な「喜多屋 特別純米酒 春酒」。薄っすらと滓が舞うかすみ酒「菊の司 季楽 純米霞酒 桜」。次項で、おすすめの春酒を詳しくご紹介していきましょう。

あら玉 純米吟醸 SPRING BLESSING(山形)

山形県 純米吟醸

寛政9年(1797年)創業。米どころであり、水は月山の伏流水を使用しています。出荷量の8割が地元、「地産地消」の酒蔵です。山形県産米「はえぬき」100%使用。精米歩合は毎年50%程度。フレッシュな果実香ながら、味わいは穏やか。辛口ドライよりは中口寄り。派手さはない食中酒タイプです。よく冷やして飲むのがおすすめです。「GI Yamagata」シール付きのものは、米、酵母、水、オール山形産の「GI山形」認証です。

容量:1.8L

参考価格:2,900 円(税抜)

初孫 美咲 純米大吟醸(山形)

山形県 純米吟醸

明治26年創業。全国でも数少ない、全量生酛(きもと)造りで知られる銘醸蔵です。ミディアム~フルボディのしっかりした味わいのお酒が多いですが、春酒のこちらはすっきり軽快なタイプ。よく冷やして、大ぶりなワイングラスで香り、軽やかでフルーティーな味わいを楽しみたいところです。美山錦50%精米の純米大吟醸でも、たいへんリーズナブルな価格とあって、飲食店で扱いやすいお酒です。

容量:1.8L

参考価格:2,900 円(税抜)

百十郎 純米吟醸 桜 無濾過生原酒(岐阜)

岐阜県 純米吟醸

大正9年創業。日本初、乳酸菌を活用した独自の次世代無添加製法(特許取得)を確立した新進気鋭の酒蔵です。水は日本アルプス伏流水(超軟水)。地元岐阜産ハツシモ55%精米のフレッシュな無濾過生原酒です。フルーティーな香りから、爽やかな旨味。酸のキレよく、ややドライな味わい。山菜の天ぷらからシーザーサラダ、餃子まで、和洋中問わず好相性な食中酒タイプの春酒です。

容量:1.8L

参考価格:3,300 円(税抜)

喜多屋 特別純米酒 春酒(福岡)

福岡県 特別純米

文政3年(1820年)創業。仕込み水は矢部川の伏流水。福岡県産酒造好適米「夢一献」の60%精米で純米吟醸も名乗れる、特別純米酒。フルーティーな香りに、スルッと入るフレッシュで軽快な飲み口。ぜひ料理と合わせて飲んでもらいたい食中酒タイプです。ラベルの印象同様、どちらかというとクラシカルな方向性。温度帯は基本冷酒で、10度から20度くらいがおすすめです。

容量:1.8L

参考価格:2,640 円(税抜)

甲子 春酒香んばし 純大吟生原酒(本生)

千葉県 純米

開封後に立ち上がる、春の風のような華やかな香りと、奥行のあるボディ。軽やかにそれらをまとめ上げる、微発泡でフレッシュな口当たりが特徴です。

容量:1.8L

参考価格:3,200 円(税抜)

まとめ

春酒は、ピンク色や桜の花デザインの春らしいラベルに、多くがフレッシュな味わい。この時期しか飲めない季節限定の特別感があります。春が旬の食材との相性が抜群に良く、料理と日本酒のペアリングが楽しめます。季節限定のフードメニューとの出数の相乗効果も期待できるでしょう。メニューやPOPでの販売強化や、スタッフが知識をつけて、おすすめ仕方の情報共有が必要ですが、それ以上のメリットがあります。

業務用酒販店なんでも酒やカクヤスとお取引があればメニュー作成は無料です。季節ごとの旬のお酒の提案もできる頼れるパートナーとして、貴店に合った仕入れのご相談、売れ筋アイテムなど、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

西尾 明彦

年間取材100店舗以上を10数年の外食ライター。コピーライター。
日本酒会を40回以上主催する利き酒師。

西尾明彦 Instagram

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