顧客満足度を上げる!従業員の接客マニュアルの作り方|テンプレあり
飲食店において、接客は顧客満足度を上げるために欠かせないサービスです。接客が悪いと、リピーターは増えないばかりか、SNSや口コミサイトで悪い評判が広がってしまう恐れもあります。
とくに多くの従業員を雇っている飲食店では、接客の質にムラが出やすく、お客様からクレームを受けることにもなりかねないため、マニュアル化して従業員全員に共通意識をもたせることが重要です。
また、新人スタッフにもお店独自の接客を覚えてもらわなければいけませんが、忙しい時間帯などは一人ひとりにつきっきりで教えるのは難しい場合もあります。
接客マニュアルを作っておけば、従業員の教育にかかる時間を短縮できる上、接客の質を一定に保つことが可能です。
そこで今回は、飲食店における接客の基本やマニュアル作成の流れ、テンプレをご紹介します。
飲食店における接客の基本
冒頭でもご紹介したように、飲食店において接客は非常に重要なサービスであり、リピータの獲得や顧客満足度を上げるためにも、マニュアルの存在はとても大切です。しかし、ただマニュアルを守ること以前に、従業員には以下の接客の基本を知っておいてもらわなければいけません。
接客の基本
- 笑顔でお客様に接する:笑顔は接客の基本だが、薄笑いを浮かべたり大笑いしたりせず、言葉と表情を一致させることが重要
- 正しいおじぎを身につける:背筋を伸ばして手を前に組み、15度〜30度の角度で腰を曲げる
- 身だしなみを整える:お客様に不快感を与えないような髪型やメイク、制服の着こなしを徹底する
- メニューや席の配置を覚える:自店のメニューや店内の席の配置を覚えておく
- 平等なサービスを徹底する:特定のお客様だけ特別扱いすることは避け、平等な対応を徹底する
飲食店の接客は、お客様がお店の入り口から店内の様子を覗いたときがスタートです。従業員の態度や身だしなみによっては、店内へ入らずそのまま帰ってしまうことも考えられます。身だしなみについては、髪型や髪色、爪の長さなどをマニュアル化してもよいでしょう。
また、店先や店内の清潔を保つことも、直接お客様の対応をする以外に重要な業務のひとつです。オープン前はもちろん、営業中もお客様に気持ちよく過ごしていただけるよう、清掃には気を配りましょう。
飲食店の清掃については、こちらで詳しくご紹介しています。
→ 飲食店お掃除マニュアル!クレンリネスを徹底する重要性と繁盛店が重視しているポイント
従業員の接客マニュアル作成の流れ
接客の質を一定に保ち、お客様に満足していただくためには、自店独自の接客マニュアルが必要です。マニュアルを作成することで、従業員に基本的な技術を身につけてもらいましょう。
ここからは、接客マニュアル作成の具体的な流れをご紹介します。以下の5つの段階を踏んで進めていきましょう。
1.自店のルールとマニュアル作成の目的を確認
まずは、このマニュアルが何のために存在するのか従業員に理解してもらうために、マニュアルを作成する目的を明確にしておく必要があります。
すでに飲食店で接客を経験したことがある新人スタッフもいるかもしれませんが、飲食店によって接客のルールは異なるので、独自のルールについても今一度確認しておきましょう。制服の着こなしなど、身だしなみのルールがある場合は、それらも洗い出しておきます。
また、新人スタッフにも伝わるよう、この時点でお店のコンセプトやビジョン、ターゲット層や来店目的などを明確にすることも非常に重要です。
たとえば、おとなの隠れ家的な雰囲気を目指すのか、誰でも入りやすいアットホームな雰囲気を目指すのかなどによっても接客は異なります。
2.お客様が来店されてからの流れを書き出す
次に、お客様がお店に来店されてから退店されるまでの流れを、以下のように箇条書きで書き出してみましょう。
- 何名様か聞く
- お席へご案内する
- お冷とおしぼりをお渡しする
- メニューをお渡しする
- 注文を伺う など
すべて書き終えてから改めて見直してみると、忘れている工程も明確になります。忙しくて先輩スタッフに聞けないような時にこのマニュアルを見れば、新人でも順序がわかるくらい細かく書き出すのがポイントです。
また、新人スタッフのためにお店で行う基本的な業務内容も同時に書き出し、1日の業務フローを作成しておくことをおすすめします。
3.大まかな構成を決めて目次を作る
お客様の来店から退店までにすべきことを書き出し終わったら、大まかな構成を決めて見出しを作ります。見出しだけをみても大体の流れがわかるよう、実際の接客の流れに沿って作成することが重要です。
4.マニュアルを執筆する
目次を作り終えたら、マニュアルの執筆をはじめます。自店独自の接客ルールやマナーに加え、図や画像なども交えながら、目次に沿って順番に内容を記述していきましょう。
評価基準も記載しておくと、新人スタッフでもわかりやすく、従業員による接客の質の差が出にくくなります。
5.改善点がないか見直す
マニュアルが完成したら、従業員全員に確認してもらい、わかりにくいところや疑問はないか、人によって捉え方に違いが出ないかなど意見をもらいましょう。
マニュアルは、1度作って終わりではありません。よりよい接客ができるよう、サービス内容や時代のニーズに合わせて常に改善を重ねていくことが大切です。
従業員の接客マニュアル【テンプレ】
従業員の言葉遣いは、接客の非常に重要なポイントです。若いアルバイト店員は、敬語を使うことに慣れていない場合もあるので、正しい敬語や接客に必要な言葉の具体例もマニュアルに記載しておくとよいでしょう。
ここでは、接客マニュアルを作る際に使えるテンプレをご紹介するので、ぜひ参考になさってください。
なお、ピンクの看板が目印の業務用酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するお役立ち情報サイト「飲食店お役立ちナビ」では、会員限定特典として飲食店の接客に欠かせない接客用語表が無料でダウンロードできます。
「接客用語表」以外にも、飲食店の開業や経営に役立つツールを多数掲載しています。飲食店従事者・開業予定の方でしたら無料で会員登録していただけますので、ぜひご利用ください。
お客様のご案内
お客様が来店されてから席につくまでスムーズにご案内できるかどうかは、お店の第一印象を決定づける重要なポイントです。お店の雰囲気に合わせた声の大きさやトーン、表情を大切にしつつ、歓迎の気持ちを込めて接客します。
以下は、お客様をご案内する際の具体的な例です。
「いらっしゃいませ。ご来店ありがとうございます」
「何名様でいらっしゃいますか?」
「恐れ入りますが、ご予約はいただいておりますでしょうか」
「かしこまりました。お席へご案内いたします。こちらへどうぞ」
お店が混んでいてすぐにご案内できなかったときは「お待たせいたしました」と必ずひと言添えるようにしましょう。
席が満席でお客様が帰られる場合は「申し訳ございません。またのご来店をお待ちしております」と誠意をもってお見送りしてください。
メニューの渡し方
お客様が席についたら、メニューをお渡しします。その際はお客様が見やすいよう、メニューを開いた状態で手渡ししましょう。メニューは基本的にはひとり1冊ご用意しますが、家族連れの場合は大人の人数分だけお渡しします。
メニューを触ってベトベトしていないか、お客様に差し出す前に確認しておくことも大切です。
よく、メニューをお渡しするときに「こちらメニューになります」という言葉を使っている従業員を目にしますが「なります」は基本的に変化するときに使う言葉です。
メニューは何かが変化するわけではないので、「こちらメニューでございます」というようにしましょう。
メニューを手渡すときに本日のおすすめメニューや季節限定メニューなどを紹介すると、お客様に興味をもっていただけます。
オーダーの取り方
オーダーを取る際は、タイミングが早すぎても遅すぎてもお客様に不快な思いをさせてしまう恐れがあります。お客様がメニュー表から顔を上げたかどうかを注意深く観察し、速やかに「ご注文はお決まりでしょうか?」もしくは「ご注文をお伺いします」と声をかけましょう。
オーダーを取る際は、メニューと品数を復唱しながら伝票に記載していきます。最後にオーダー内容を復唱して確認してからおじぎをして下がります。
以下は、ご注文を繰り返す際の具体的な例です。
「ありがとうございます。ご注文を繰り返します」
「〇〇がおひとつ、△△がおひとつ、□□がおふたつ、以上でよろしいでしょうか」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
伺ったけれどオーダーがまだ決まっていなかった場合は「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びくださいませ」とおじぎをして席を離れ、呼ばれたらオーダーを取りに行くようにしましょう。
料理やドリンクを配膳するときの対応
厨房から料理やドリンクが出てきたら、できるだけ素早くお客様のもとへお届けします。
基本的に、料理やドリンクはお客様の左側(利き手の反対側)から提供します。料理名やドリンク名を読み上げて確認しながら配膳しましょう。
以下は、料理やドリンクを提供する際の具体的な例です。
「お待たせいたしました。〇〇をお持ちいたしました」
「△△はどちら様でしょうか?」
「以上でご注文の品はお揃いでしょうか?」
「ごゆっくりどうぞ」
料理名を読み上げる際は「〇〇になります」や「△△の方をお持ちしました」など、間違った日本語を使わないよう注意が必要です。
また、食事が済んだからといってすぐにお皿を下げてしまうと、急かされていると感じてしまうお客様もいらっしゃるので、食べ終わってしばらくしてからお皿を下げるようにしましょう。
その際は、必ずひと言「お済みのお皿をお下げしてもよろしいでしょうか」と声をかけ、お客様に確認します。
お会計
お会計の際は、お客様の伝票を両手で受け取り、レジに打ちます。無言で受け取ることがないよう、以下の具体的な例を参考にしてください。
「ありがとうございます。伝票をお預かりいたします」
「合計で2,800円です」
「恐れ入ります、5,000円をお預かりいたします」
「2,200円のお返しです、お確かめください」
近年、電子マネーやクレジットカードなど、飲食店での支払い方法も多様化しています。従業員全員がすべての支払い方法に対応できるようにしておきましょう。
お会計後、お客様がお帰りになる際のお見送り方法もマニュアルに明記しておく必要があります。まずは忘れ物がないか確認し、お店の雰囲気に合ったトーンで「ありがとうございました、またお越しくださいませ」とお礼を述べてお見送りします。
お客様によって差が出ないよう、お見送り方法も統一しておきましょう。
電話対応
電話への対応も、接客のひとつです。電話を受ける際は相手が聞き取りやすい声の大きさ、話し方を意識しましょう。
飲食店にかかってくる電話でとくに多いのが、予約に関するものです。予約電話については、こちらで詳しくご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
→ 飲食店にかかってくる予約電話で聞くべきこととは?忙しい時間の対処法も紹介
なお「なんでも酒やカクヤス」では、飲食店の予約管理を効率化する予約台帳システムのご案内も可能です。ぜひ一度、下記お問合せフォームよりお気軽にお問合せください。
まとめ
飲食店における接客の基本やマニュアル作成の流れ、テンプレをご紹介しました。
飲食店では、マニュアルに沿った接客をすることで、従業員による接客の質の差を少なくすることができるため、作っておくべきです。
本記事では、接客の一連の流れに沿ってご紹介しましたが、営業している中でミスしやすいことなどに気づいた場合は、追記してマニュアルをアップデートしていきましょう。
ピンクの看板が目印の業務用酒販店「なんでも酒やカクヤス」では、お酒や食材の仕入れだけでなく、飲食店の経営や開業に関する総合的なサポートを行っております。
エリア毎に営業専任スタッフを配置しているカクヤスだからこそ、それぞれのお店に最適なご提案が可能です。経営についてお悩みの飲食店経営者様は、ぜひお気軽にお問合せフォームよりご相談ください。
この記事を書いた人
カクヤス編集部
飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメディアです。
カクヤスグループは2021年11月に創業100周年を迎えました。酒販業一筋、お酒を通してお客様のご要望に「なんでも」応えたい!長きにわたり信頼されてきた実績と共に、これからも変わらぬ気持ちでお客様に向き合ってまいります。
カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなどお酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフなど様々なメンバーがいます。
飲食店様へ旬なトレンド情報、経営の役に立つ情報、私たちにしかお届けできないお酒にまつわる情報などなど、いままでの経験を基に積極的に発信していきます!
当ページに掲載されている内容は、掲載時点での情報です。
ご注文ボタンや商品リンクをクリックすると、飲食店様専用の注文サイト「カクヤスナビオンライン」へ移動します。
「カクヤスナビオンライン」は当社配達エリア内の飲食店様がご利用いただけます。会員登録(登録無料)が必要です。
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています
- 飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
- 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
- お酒は楽しく、ほどほどに。飲んだ後はリサイクル。
- 20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売いたしません。
- 20歳未満の飲酒防止のため年齢確認をさせて頂いております。予めご了承ください。