【飲食店開業】座席数の計算方法とは?厨房面積比やレイアウトについても解説

飲食店開業における座席数の計算方法について、気になる方もいるはずです。座席数の計算方法は、大きく分けて以下の3つの方法が存在します。

  1. 1坪当たりの席数で計算する
  2. スタッフの人数で計算する
  3. 店舗の売上で計算する

それぞれ特徴が異なるため、自店舗に合った方法を選択するためには、各方法を理解した上で検討しなければなりません。
また、開業時には店舗の座席数だけでなく、厨房面積比やレイアウトにもこだわる必要があります。そこで今回は、飲食店開業における厨房面積比の目安、座席数の計算方法、レイアウトの考え方を解説します。

これから飲食店を開業する経営者様は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。自店舗に合った経営方法が明確になるはずです。
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飲食店開業における厨房面積比の目安

飲食店の座席数を計算する前に、厨房面積比の目安を決めておきましょう。厨房面積比とは、ホールの広さと比較した際に厨房の面積をどれくらい占めるようにするのかという数値のことです。
飲食店の種類によっても異なりますが、以下の数値が厨房面積比の基本的な目安となります。

厨房 ホール
調理スペースが必要な高級レストランなど 30~40% 70~60%
一般的な調理で事足りる居酒屋など 20~30% 80~70%
料理が固定化されているラーメン屋など 10~20% 90~80%

上記の数値はあくまで目安です。お酒を並べてオシャレに演出したいバーであれば、厨房面積比を大きくする必要があり、その一方で調理が必要のない料理しか提供しない居酒屋の場合、ホールの面積を広くとっても良いでしょう。
また、店舗の客単価や雰囲気に応じても、この厨房面積比を変更する必要があるため一概には言えません。この厨房面積比を踏まえた上で、座席数を計算しましょう。

飲食店開業における座席数の計算方法

飲食店の座席数を計算する方法は、最初に述べたように大きく分けて以下の3つが考えられます。

  1. 1坪当たりの席数で計算する
  2. スタッフの人数で計算する
  3. 店舗の売上で計算する

それぞれの特徴を理解した上で、自店舗に合った方法を選択しましょう。

1坪当たりの席数で計算する

1坪は3.31平方メートルで、約2畳分の広さがあります。1坪当たりの席数で計算する方法が最もオーソドックスであり、一般的な飲食店であればすぐに計算できます。
計算式は「坪数×1坪当たりの座席数」で店舗の座席数を算出可能です。飲食店の種類にもよりますが、1坪当たりの座席数は基本的に1.5〜2席だとされています。
また、この1坪当たりの座席数は店舗のレイアウトによっても異なります。例えば、高級なレストランを開業する場合、店内に余裕を持たせるため1坪当たり1席とすることも考えられます。

一方、カフェやラーメン屋、定食屋等、回転率を重視する業態であれば、店内の座席数を増やすために1坪当たり2席が一般的です。これはあくまで目安であるため、店舗の雰囲気をどのようにしたいのかに応じて、1坪当たりの座席数を決めるということを覚えておきましょう。

なお、この座席数の計算はお客様が過ごす空間だけではなく、上記で説明したように、厨房やスタッフ専用ルームを考慮した上で計算する必要があります。
つまり、全体で10坪かつ厨房面積が10%のラーメン屋を開業する場合、計算式は「10坪×90%×1.5」となり、13.5席が目安となります。
この計算方法を活用すれば、あらかじめ想定した座席数から店舗の坪数を算出することも可能です。そのときの状況や目的に合わせ、座席数と坪数を調整しましょう。

スタッフの人数で計算する

飲食店の座席数はスタッフの人数でも計算できます。座席数を算出する一般的な計算式は「スタッフの人数×10」です。
例えばスタッフを3人雇うと事前に決まっている場合、座席数は30席を目安に設置します。反対に座席数があらかじめ30席と決まっているのであれば、スタッフは3人を目安に雇うと良いでしょう。
この数字はあくまで目安であるため、「より良いサービスを提供したい」というケースではスタッフを増やすべきであり、料理や飲み物の提供方法が簡単であれば、座席数を増やすのも1つの手です。

ただし、スタッフが少ないのに座席数を無理に増やしてしまうと店舗の運営がうまくいかず、お客様の満足度を下げてしまう可能性があります。また座席数が少ないのにスタッフを増やした場合、無駄な人件費が発生してしまい赤字になるリスクがあるため注意が必要です。

店舗の売上で計算する

店舗の売上で座席数を計算する方法もあります。その店舗の客単価と回転数を想定し、1日の売上を設定すれば、座席数の目安を算出できます。この場合の計算式は「売上の目標÷客単価÷回転数」です。

例えば客単価1,000円のラーメン屋で回転数が2回転だと想定し、1日の売上目標金額が50,000円だとした場合「50,000円÷1,000円÷2回転」となり、座席数の目安は25席となります。

ただし、この計算方法で算出した数値は多少の誤差が考えられるため注意が必要です。座席はいつもお客様でいっぱいになるわけではなかったり、4人席にお客様2人で座る場合もあったりと、想定通りに営業できないケースが多々あります。
またお客様の回転数も日によって異なるため、正確な数字を算出することは難しいと言えるのです。それら不確定要素を考慮した上で、店舗の売上による計算方法を活用しましょう。

座席数から店舗の売上はシミュレーションできる

さきほどは1日の売上目標金額から座席数を計算できると解説しましたが、座席数の目処がある程度立てば、座席数から店舗の売上をシミュレーションできます。1日の売上をシミュレーションする計算式は「客単価×座席数×回転数」です。

例えば、客単価3,000円のレストランで座席数が30席、回転数が2回転であった場合、この計算式に当てはめると「3,000円×30席×2回転」となり、1日の売上は180,000円だと算出できます。
一方、客単価2,000円の居酒屋で座席数が50席、回転数が2回転であれば「2,000円×50席×2回転」となり、1日の売上は200,000円が目安です。

1日の売上が200,000円近くあれば、1ヵ月を30日で計算すると売上は6,000,000円になるため、かなり利益が出ると予想できます。このように、飲食店開業前に売上を予想しておくことで、今後の軌道修正が容易になるでしょう。
とはいえ、この計算式で算出した数値はあくまで理論値であることから、より正確な数値を導き出すためには「客席稼働率」を考慮しなければなりません。

客席稼働率を踏まえて売上を算出する

客席稼働率とは、実際に客席が何%埋まっているのかを表した数値のことです。この数値を算出しなければ、より正確な売上を予想することは難しいと言えます。
ただし、これから飲食店を新たに開業する場合、実際のデータが手元にないため、この客席稼働率は予想でしか算出できません。そのため正確な客席稼働率を求めることは不可能に近いと言えます。
その事実を念頭に置いた上で客席稼働率を算出しましょう。なお、客席稼働率を用いた1日の売上の計算式は「客単価×座席数×客席稼働率×回転数」です。

具体的な例をあげると、オープンする地域はカップルが多い傾向にあり、4人席をお客様2人で利用することが多いと予想した場合、カウンター席や2人席の割合を踏まえると、客席稼働率は70%前後だと算出したとします。
さらに客単価2,000円で座席数が20席、回転数が2回転だとした場合、この計算式に当てはめると「3,000円×20席×70%×2回転」であるため、1日の売上はおよそ84,000円だと算出できます。

この数値も100%正確ではありませんが、客席稼働率を考慮することで、より実際の数値に近づけることが可能です。売上をシミュレーションする際はこの計算方法を積極的に活用しましょう。

飲食店は座席数だけでなくレイアウトも重要

飲食店の開業では、座席数や厨房面積比、売上のシミュレーションが特に重要です。今後の運営方針を決める要素であるため必ず計算すべき項目だと言えます。
しかし飲食店の開業時には、それらの要素だけでなく店内のレイアウトも重要です。レイアウトはお客様が直接目にする部分であり、店舗の雰囲気を決める要素となります。
店舗の雰囲気や居心地の良さはお客様が直に感じるため、店舗の評価とお客様満足度に直接結びつきます。飲食店を運営する上では、その評価が長期的な売上を左右することから、店舗のレイアウトを軽視することはできません。

また、レイアウトはテーブルや椅子の配置を決めるものであり、この考え方はオペレーションにも影響を与えます。
例えば「座席数を増やせば売上が確保できる」という考えだけで座席を一箇所に集中させてしまうと、スタッフの動線が確保できなくなり店舗の運営がうまく回りません。
店舗の運営が回らないとお客様の満足度が下がり、利用してくれるお客様が少なくなります。結果として売上にも影響を及ぼすため、飲食店開業時にはスタッフの導線にも気を配る必要があるのです。
お客様からの評価とスタッフの導線、この2つの理由から、飲食店は座席数だけでなくレイアウトも意識すべきと言えるでしょう。

まとめ

本記事では、飲食店開業における座席数の計算方法、店舗売上のシミュレーション方法を解説しました。
座席数を計算する方法は、大きく分けて3つ考えられます。店舗の状況や目的によって選択肢が異なるため、自店舗の状況を踏まえて検討しましょう。
また、飲食店を開業する上では、厨房面積比や店舗の売上、レイアウトにも意識を向ける必要があります。ぜひ本記事を参考にし、飲食店開業をスムーズかつ効果的に進めてください。

ピンクの看板が目印の業務用酒販店「なんでも酒やカクヤス」では、お酒の仕入れだけではなく飲食店様の開業・ご繁盛を総合的にバックアップいたします。
経営についての不安や課題解決なども、経営者様と一緒に考える「カクヤス」へ、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

カクヤス編集部

飲食店なんでもスクエアは、国内業務用酒販売 上No.1、首都圏飲食店顧客満足度No.1の実績をもつ酒販店「なんでも酒やカクヤス」が運営するメ ディアです。
カクヤスグループは2021年11月に創業100周年を迎えました。酒販業一筋、お酒を 通してお客様のご要望に「なんでも」応えたい!長きにわたり信頼されてきた実績と共に、これからも 変わらぬ気持ちでお客様に向き合ってまいります。

カクヤス編集部にはワインエキスパート・エクセレンスやシニアソムリエ、SAKE DIPLOMAなど お酒の資格を持ったメンバーや、飲食店様に15年以上寄り添ってきた営業スタッフ、店舗スタッフな ど様々なメンバーがいます。

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