スモーキーな味わいが魅力的な「ポートシャーロット」|特徴や歴史、製造方法を解説【語れるウイスキー vol.5】

今回の語れるウイスキーシリーズは、奥深いコクとスモーキーな味わいが魅力的な「ポートシャーロット」について解説します。
ポートシャーロットは、【vol.3】で解説した「ブルックラディ」と同じ蒸留所で製造されるウイスキーです。使用する原料や製造方法にこだわっており、アイラウイスキーならではの魅力が存在します。
すでにポートシャーロットを導入している店舗様はさらなる知識を、まだ導入していない店舗様は本ブランドの魅力を知っていただき、自店舗への導入をご検討ください。

ウイスキープロフェッショナル(ウイスキー文化研究所)の資格を持つカクヤス営業スタッフがおすすめポイントをお伝えします!

ポートシャーロットの特徴|蒸留所について

ポートシャーロットは、ブルックラディ蒸留所で造られるウイスキーです。奥深いコクとスモーキーな味わいが特徴的で、一口飲めばその繊細さとやわらかさが感じられます。
ブルックラディ蒸留所はスコットランドのアイラ島に位置しており、その土地の風土や気候が反映された素材の個性を生かす「テロワール」を大切にしています。また、アイラ島で生産される原料の使用にこだわっているのも特徴です。
使用される原料はスコットランド産の大麦麦芽(モルト)のみであり、さらにその約半分はアイラ島で採れる大麦麦芽です。最適な栽培環境を構築することで、ポートシャーロットはアイラウイスキー特有のピートな風味を実現しています。

ほかのウイスキーはロマンティックなストーリーで語られるなか、ポートシャーロットはこれまで培ってきた確かな技術力によって、今日までの人気を獲得しています。

ポートシャーロットの発祥・歴史

ポートシャーロットの発祥は、1828年にアイラ島の村で設立されたポートシャーロット蒸留所です。蒸留所の名前は、フレデリックキャンベル卿の妻にちなんで名付けられており、主にロッホインダール蒸留所の労働力を確保するために設立されました。
その後はロッホインダール蒸溜所に名前を変更し、確かな技術力と魅力的な味わいが継承されていきます。1880年代には、年間58万リットルものウイスキーを製造するようになりますが、1920年には蒸留所が買収されてしまいます。
買収後厳しい時代背景の影響もあり、ほとんどの施設が解体されました。一部施設はバター工場として操業したり、ウイスキーの熟成庫として稼働したりしています。
そして、一度終了したポートシャーロットの製造を再開させたのは、高度な技術力を誇っているブルックラディ蒸留所です。2001年にはポートシャーロットの生産をスタートし、現在は「ポートシャーロット 10年」を基本シリーズとして高い人気を獲得しています。

銘柄別の歴史

2001年に蒸留をスタートしたポートシャーロットは、銘柄別に熟成期間が細かく設定されています。2006年に初のボトル「ポートシャーロット PC5(5年熟成)」がリリースされ、それ以降世界中から注目を集めます。
その後「ポートシャーロット PC6(6年熟成)」、「ポートシャーロット PC7(7年熟成)」〜「ポートシャーロット PC12(12年熟成)」といったように、熟成年数を増しながら毎年新しいボトルを発売しました。
そして2018年に「ポートシャーロット 10年」と「ポートシャーロット アイラバーレイ」の2つのオフィシャルボトルをリリースしたことで、ポートシャーロットはさらなる人気を獲得しました。

ポートシャーロットの製造方法

ポートシャーロットの製造方法は、先ほど解説したように「テロワール」の考えを大切にしています。地元アイラ島の複数の農家と契約しており、アイラ産の大麦麦芽を積極的に使用しています。
契約農家は約19軒あるとされており、現在使われているものは約半分がアイラ産の大麦麦芽です。農家ごとに違う品種を組み合わせることで、ポートシャーロットならではの深い味わいを実現しています。
なお、ポートシャーロットのボトルには、生産者情報が記載されているのも特徴です。ポートシャーロットを導入する機会があれば、ぜひボトルの表記にも注目してみてください。
さらに、ポートシャーロットの製造にかける想いは原料選びだけでなく、麦芽の乾燥方法にもあらわれています。ピートを焚いた熱で麦芽を乾燥させることで、ポートシャーロット特有のスモーキーな風味を演出。ピートはハイランドのケイスネス産を採用しており、フェノール値を40ppmに調整しています。

なお、フェノール値はスコッチウイスキーなどにおけるピートの乾燥レベルを指します。この数値が高くなればなるほど、スモーキーさを強く感じます。

ポートシャーロットは、冷却濾過を行わない「ノンチルフィルタード(Non-chillfiltered)製法」でボトリングされています。

ポートシャーロットの種類|3つのラインナップ

ポートシャーロットの種類を3つ解説します。

  1. ポートシャーロット 10年
  2. ポートシャーロット アイラバーレイ
  3. ポートシャーロット OLC

それぞれの特徴を踏まえた上で、ポートシャーロットの導入を検討してみてください。

1.ポートシャーロット 10年

ポートシャーロットの看板商品と言っても過言ではないボトルです。このボトルは、アイラ島のブルックラディ蒸留所にて、蒸留、熟成、ボトリングされています。
また、アイラに深く根差すことに価値を置いており、技術者はアイラウイスキー造りに情熱を注いでいます。まさに職人たちの手作業によって造られるウイスキーであるため、この「ポートシャーロット 10年」はポートシャーロットの歴史そのものだと言えるのです。
ウイスキーとしての特徴は、エレガントさとバーベキューの煙のようなスモーキーな香りがあることです。フレーバーのバランスも素晴らしく、甘い味わいとともに複雑な風味を感じられます。
さらに、10年間熟成させていることで、角が取れてクセが少なくなっています。そのため、「普段ウイスキーをあまり飲まない」というお客様にもおすすめできるでしょう。

ポートシャーロットの商品選びで迷っている飲食店様は、まずはこの商品を導入してみてください。

ポートシャーロット 10年

ポートシャーロット 10年

  • アルコール度数:50度
  • 熟成年数:10年
  • 味わい:テクスチャーとその存在感のなかに、繊細さとやわらかさを感じられる。フレーバーのバランスに優れており、程よい甘さとスモーキーな味わいがマッチしている。
  • 香り:ポートシャーロット特有のドライで土っぽい香り、そしてピートの灰を思わせるスモーキーなアロマが特徴的。キャラメルソースやヴァニラカスタード、ナツメグなど、複雑な香りが全面に押し寄せる。

容量:700ml

参考価格:7,000 円(税抜)

2.ポートシャーロット アイラバーレイ

「ポートシャーロット アイラバーレイ」シリーズは、アイラ島産大麦を40PPMのヘビリー・ピーテッドに仕立て上げ、熟成、ボトリングまでを島内で実施します。
アイラ島でパートナーを組んでいる8軒の農家から仕入れた大麦を使用し、蒸留したあとは海岸沿いの貯蔵庫で熟成します。
地元アイラ島の原料にこだわっているため、ポートシャーロット特有のスモーキーな風味と、柑橘類の爽やかでフルーティな香りを感じられるはずです。

ポートシャーロット独特の香り、ヴァニラやミルクチョコレートの複雑な味わいを同時に楽しめるリッチなウイスキーです。

ポートシャーロット アイラ・バーレイ 2013

ポートシャーロット アイラ・バーレイ 2013

  • アルコール度数:50度
  • 熟成年数:10年
  • 味わい:舌の上に乗せると、やさしい甘さと蜂蜜のようなテクスチャーが広がる。樽の主張が加わり、杉の爽やかさとブラックペッパーなどの味わいが前面にあらわれる。
  • 香り:フレッシュなリネン、砂っぽい潮風といった独特な香りが漂う。また、心地よいレモンの刺激とフルーティな香りも感じられる。

容量:700ml

参考価格:8,500 円(税抜)

3.ポートシャーロット OLC

続いて紹介する「ポートシャーロット OLC」シリーズは、ブルックラディ蒸留所が実験を試みている「樽の探求」から生まれたウイスキーです。ほかのポートシャーロットよりもアルコール度数が少し高いのが特徴。
最高品質のオロロソ・シェリーのホグスヘッド樽で18ヵ月熟成しているため、芳醇なシェリーのニュアンスと複雑な味わいを実現しています。シェリー樽で熟成させた希少性の高いシリーズだと言えます。
また、ブルックラディ蒸留所が追求したブレンド、そしてポートシャーロットの多様性を実現させたシリーズなので、「高級感のある特別なポートシャーロットを仕入れたい」という飲食店様におすすめです。

ポートシャーロット OLC : 01 2010

ポートシャーロット OLC : 01 2010

  • アルコール度数:55.1%
  • 熟成年数:12年
  • 味わい:オロロソ・シェリー樽由来のフレーバーとピートスモークが口いっぱいに広がる。その背景にはイチジクやオレンジなど、フルーティな甘さがあり、同時に土っぽいスモーキーな味わいを楽しめる。
  • 香り:ピートスモークやダークフルーツ、イチジクなどの複雑な香りが漂う。また、アロマとやわらかいフルーティな香り、ナッツヌガーの香りも堪能できる。

容量:700ml

参考価格:12,000 円(税抜)

ポートシャーロットを実際に飲んだ口コミ/感想・評判

ポートシャーロットを実際に飲んだ口コミ・感想を「提供している飲食店様」と「カクヤス営業スタッフ」の2つに分けて紹介します。

ポートシャーロット10年を提供している飲食店様の感想

まずは、ポートシャーロット10年を実際に提供している飲食店様の感想を紹介します。

ポートシャーロット 10年

ポートシャーロット 10年

  • 率直な感想:ヘビーピートだが果実味やフローラルな香味もあり親しみやすい印象。どんな飲み方でも楽しめそう。
  • 香りのイメージ:青りんご、プラム、花、ナッツ、潮、炭、焚火
  • 味わい:フルーティーで重すぎない飲み口、やわらかいコク、麦芽の甘み
  • おすすめの飲み方:ストレート
  • 合わせたいフード:スモークナッツ、ドライフルーツなど

アンケート協力:新橋 Bar Anaheim

ポートシャーロット10年

  • 率直な感想:アイラ島にある蒸留所が好きで、なかでもブルックラディ蒸留所のウイスキーが個人的に好きなので「ポートシャーロット10年」を取り扱いさせて頂いています。スモーキーでスパイシーな味わいが特徴なので、ソーダ割りでお客様におすすめしています。個人的には牡蠣と相性が良いと思います。
  • おすすめの飲み方:ソーダ割り
  • 合わせたいフード:牡蠣

アンケート協力:川崎 BAR BLUE MIST

ポートシャーロットを飲んだカクヤス営業スタッフの感想

カクヤス営業スタッフの感想を、年代・性別に分けてご紹介します。

ピートがガッツリ効いていて、アーシーというか土とスモークな風味を感じる。ヘザー(スコットランドを代表する花)を思わせるような香りとともに甘い香りはするが、味わいはかなりドライ。

【30代後半男性】
ピートが効いていてパンチがある!ウイスキーファンでコアな人も絶対好きになると思う。

【40代前半男性】
ピートの香りがすごい!ピート好きにおすすめしたい。ピートとブレンデッドのいいとこ取り。

【40代半ば男性①】
ピートが強く最初のアタックがすごい。だけど口の中でやわらかい。

【40代半ば男性②】
ピートがガツンとくる男らしい味わい。酔っ払ったあとでもインパクトがある。

【20代後半女性】
好みですが、ピートが効いていて美味しい!

スモーキーな味わいを提供したいならポートシャーロット!

今回は、ブルックラディ蒸留所で造られる「ポートシャーロット」について解説しました。
ポートシャーロットはピートが効いているウイスキーで、一口飲んだだけでも口いっぱいにスモーキーな風味が広がります。奥深いコクと繊細さも兼ね備えているため、ウイスキー好きにはたまらない銘柄です。
「歴史のあるスモーキーなウイスキーを仕入れたい」と考えている飲食店様は、ぜひポートシャーロットの導入を検討してみてください。

なお、業務用酒販店であるカクヤスであれば、ポートシャーロットを1本から仕入れることができます。カクヤスは過去に、飲食店お役立ちナビの飲食店様限定のメールマガジンで、メルマガ会員様限定で数量限定ウイスキーの特別販売や、限定品のジャパニーズウイスキーの特別販売をしてきました。
これら豊富な販売実績、そして業界No.1だからこその対応力があります!ご興味がある飲食店様は、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。

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